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投資額165億・35法人所有のギガ大家、収支表を大公開!《楽待新聞》

5/27 20:00 配信

不動産投資の楽待

20歳で上京し、アルバイトをしながら税理士試験に合格。税理士業の傍らワンルームマンション投資を始め、その後30数年間で総投資額165億円、年間家賃収入11億円の大家となった鳥山昌則さん。現在は80棟812戸を保有し、税引き後のキャッシュフローは2億円にのぼる。約128億円の残債があるものの「借金が怖いと思ったことはない」という。

豪放磊落(ごうほうらいらく)な性格で、「目標は投資額1000億円」と笑いながら話す鳥山さん。一代でどのように規模を拡大したのか。そして、コロナ禍で賃貸業にどのような影響が生じているのか、インタビューで語ってもらった。

■ギガ大家の全物件収支を公開

―今回は所有物件の収支を詳細に教えていただけるとのことで、インタビューの前にまずはこちらの資料についてお聞きしたいと思います。

鳥山 はい、どうぞ。これはですね、毎月うちの担当者に頼んで作ってもらっている全物件の収支一覧表です。35法人と私個人で、現在812戸を所有しています。3月末の数字ですけど、年間の家賃収入が約11億、年間の返済は元金が4億で、利息が2億ちょっと。この「手残り」は税引き前のキャッシュフロー(CF)で、だいたい3億7000万円。大規模修繕費や税引き後のCFは2億円ぐらいでしょうか。ネット利回りは約6%、入居率は99%です。借り入れ残高は128億円という感じですね。

―物件は現在も買い増ししているのでしょうか?

鳥山 今は融資が厳しくて、これ以上の借り入れはさすがに無理かなと思ってるんですよ。不動産の他に7億ぐらいのキャッシュがあるし、私が買っている物件は立地がいいから時価にすれば含み益が出る物件もあると思っているんですが、銀行評価だとバランスシートが債務超過という評価になりますから。だから最近はキャッシュで買ってます。最近も東京の鶯谷と新橋に2棟、合計約3億円の物件を現金で買いました。

■福井から20歳で上京、ギガ大家への道のり

―ではいったん収支表からは離れ、鳥山さんの生い立ちを含め、これまでの道のりを伺っていきたいと思います。出身は福井県だとお聞きしましたが、上京して税理士を目指したきっかけは何だったのでしょう。

鳥山 私は1959年に農家の次男として生まれました。実家では酪農もやっていたんですが、あんまり儲かってなくてね。子どもの頃は貧乏でしたよ。でもある時、両親が個人商店を始めたんです。今で言うコンビニみたいなやつかな。これがけっこう当たりましてね。昔はよく店番をやったものですが、その時から商売の面白さを感じていました。お菓子も食べ放題でしたよ(笑)。

勉強は中学校ぐらいまではすごく苦手で、身体が小さかったせいか、よくいじめられたりもました。でも高校の商業科で簿記をやるようになってから勉強が面白くなり始めてね。その後、短大を卒業して実家の商売を継ぐつもりだったんですが、短大の先生から「税理士は儲かるぞ。1時間で1万円もらえるんだ」って聞いて、そりゃすごい、と。当時のアルバイトの時給が400円ぐらいでしたから。

―儲かりそうだから、という理由で税理士を選んだんですね。

鳥山 あとは、税理士をやっていれば会社の社長さんとかに会うでしょ。いろんな商売に触れるわけだから、税理士の仕事を通じてもっと儲かる商売が見つかるかも、っていう期待もあったんですよ。

それで、20歳で上京してからは水道橋の蕎麦屋さんで住み込みのアルバイトをしながら勉強して、2年間で試験に合格しました。その後は学校の講師とか会計事務所、アパレル会社で経理部長などもやって、独立したのは30歳の時です。埼玉に事務所を構えて、顧客も順調に増えていきました。

―投資を始めたのはいつごろからでしょうか。

鳥山 実は最初にやったのは株式投資でした。アルバイト先の蕎麦屋さんのおかみさんが株をやっててね、証券会社のお偉いさんを紹介してくれたんです。21歳の時でした。ナンピン買い(保有株が下がったときに買い増しをすること)を続けて、わずかですが利益は出てましたよ。

ところが24歳の時、株とアルバイトで貯めた全財産200万円を投資会社に持ち逃げされちゃいましてね。その後もしばらくは株式投資とかFXなどをやり、一時的には儲かりましたが、トータルでは2億円近く損しました(笑)。それで懲りて、現在はもう手を出してないです。

―不動産を初めて買ったのはいつでしょう?

鳥山 最初に買ったのは昭和60年代の前半、いわゆるバブルの頃でしたね。まだ税理士として独立する前、28歳ぐらいの時です。当時はいわゆる財テクブームでね、知り合いがワンルームマンションをいくつも買って、「値上がりして大もうけした!」とか言うんですよ。

それで私も品川に700万円のワンルームを買ったんです。このときは5割の自己資金を入れて、あとは銀行から融資を受けました。この物件が半年で1200万円に値上がりしたんですよ。

―いきなり500万円の売却益ですね。

鳥山 ただ、そのまま売ると所有期間5年以下の「短期譲渡所得」になり、税金が40%も取られちゃう。私は税理士ですからね、そのままおとなしく払うのもしゃくだなって。そこで、譲渡所得の8割を繰り延べできる「事業用資産の買い換え特例」を使って、埼玉県に1200万円のワンルームマンションと、3400万円の事務所用戸建物件を買ったんです。この時繰り延べした税金は300万円くらいだったかな? この買い換え特例は手続きがけっこう面倒でね。ノウハウを得られたのは税理士としてもいい経験になりましたよ。

ただ、このとき買った1200万円のワンルームはバブル崩壊で値下がりして、結局100万円で売却しましたけど(笑)。

―そこからは一棟ものにシフトしていったんですね。

鳥山 そう。特に良かったのが、2000年ごろに5000万円で購入した埼玉県の1棟マンション。ITバブルに乗っかって株で稼いだ資金を充てて買いました。年間の家賃収入が800万円ほどあり、表面利回りは16%。ここから2005年ぐらいまでにマンション3棟、アパート2棟、区分や戸建も買い増していったんです。

■高額な税金で「返済不能の危機」に

―ただ、それでも現在の規模にはまだ届きませんね。何か転機があったのでしょうか。

鳥山 大きな転機になったのはリーマンショックですね。その頃、すでに年間家賃収入は6000万円ほどになっていて、本業の税理士も順調でした。これ以上は拡大しなくてもいいかなーと思ってたんですが、税理士業のお客さんだった不動産会社の社長から「先生、いま不動産すごい下がってますよ!」って教えてもらって。

調べてみたら、5億の物件が3億に、3億の物件が2億にと、投げ売り状態だったんですよね。これは買いだ、と。急いで銀行を回って、1~2年で一気に5行から20億を借り入れて、1棟物件をどんどん買っていきました。この頃に買った物件は今も活躍していて、14~15%ぐらいで回っています。割安の物件を買い進められたことでさらに規模が拡大し、2016年ごろの資産は50億円ほどになっていました。

―短期間で一気に買い増しされたんですね。高額の借り入れに対する恐怖心のようなものはありませんでしたか?

鳥山 それ、よく聞かれるんですけどまったくないんですよ。もしダメになったら、自己破産でもしてまたゼロから始めればいいかなって思うんです。私は福井から出てきて、何もないところから今の状態まで来ました。もともと何もなかったから、守るものもないんですよ。

ただ、リーマンショック後の拡大期は、借入が40億円ほどあって、実はこの頃から急激に苦しい状況に陥っていったんです。

―返済が苦しくなった?

そうです。理由の1つは、融資期間が短かったこと。私が買っていた物件は中古物件がほとんどだったので、融資期間も短くなって、毎月の返済が重くなっていきました。

そしてもう1つは、税金がものすごく高かったこと。当時、個人で所有していた不動産の年間家賃収入は5億円ほどあり、税率は個人の最高税率である58%です。ものすごく高いでしょ。「税理士が税金を滞納した!」なんてことになればそれこそ致命的ですよ。そこで銀行から1000万円を借り入れて納税に充てたりしましたが、その返済がやっと終わったと思ったら、また同じことの繰り返しになるんです。

―どうやってその状況を脱したのでしょうか。

鳥山 そこで取り組んだのが、個人から法人への売却でした。数年前に私が設立した法人が10ほどあったので、そちらに売却しようと思ったんです。法人の税率は30%程度と、個人に比べてかなり安くなります。うまくいけば税金の問題は大幅に改善されますよね。ただ、当時所有していた物件は値上がりしていたものも多く、大きな含み益が出ていました。

―そうすると、法人の方で融資を引いて購入しなければいけませんね。

鳥山 そうです。そこで、値上がりしていた物件の中から保有6年目以降で長期譲渡となるものを10件ほど見繕い、不動産鑑定士に鑑定を依頼しました。それをある信金さんに持ち込んだら、「評価額の8掛けで法人に融資を出せます」って言うんです。

たとえば1億円で買った物件が1億5000万円の評価になり、その8掛けである1億2000万円の融資を信金から引く。すると、仮に残債が6000万円あってこれを返済しても、6000万円余ります。ただ、この6000万円のうち一部の金額はその信金さんに定期で預けることが条件でした。

もちろん譲渡所得税は2億ほど支払いましたが、これを10物件物繰り返して一気に7億円ほどのキャッシュをつくったんです。おまけに融資期間も延ばしてもらえたので、状況は相当良くなりました。

―現在もその方法は使えるのでしょうか。

鳥山 当時はその支店ができたばかりで、支店長さんが張り切っていたのかもしれないですね。「50億まで出せる」って言ってましたから。ただ、私の場合は息子や娘への相続対策という名目だったことと、時代的に不動産融資が拡大していた時期であったことが大きいかもしれません。

その後、私の話を聞いたある投資家さんがその信金さんに同じ方法をもちかけたらしいんですが、その後は受け付けてくれなかったと聞きましたよ。

■コロナ禍でテナント物件への影響は

―事業系の物件も多数所有されているそうですが、コロナによる影響はどのくらいありますか?

鳥山 812戸のうち、約120戸がテナント物件です。さらにそのうちの半分くらいが飲食系の物件で、テナントさんの経営状況はかなり深刻なようです。売り上げがゼロから1割くらいになったお店も多くて、減額要請も来ていますね。みなさん本当に大変だと思います。

812戸中120戸と聞くと少ないように思えるかもしれませんが、ウチで持ってる住居系物件の平均家賃が6万円くらい、テナント系物件は25万円くらいと、単価が高いから影響も大きいんです。

―テナントさんからの家賃減額要請にはどのように対応されているのでしょう。

鳥山 基本的には応援したいと思ってるんです。入居者さんは大家にとってはビジネスパートナーですから。でも、辛いのは家主側も同じ。まずは相手をパートナーと捉えて、誠意を持って「私たちも融資を受けているし、税金や修繕費などの出費がある」と説明することが必要じゃないかなと思うんです。

そのうえでウチの場合、テナントさんと面談をして、持続化給付金とか雇用調整助成金、休業協力金の申請など、「できることをやっているか」を確認します。申請の結果は問題ではなく、「やっているか」が重要だと思ってます。きちんと努力されている方には1~3割、多い場合は5割の減額に応じるようにしています。

―住居系物件の影響はどうでしょう。

鳥山 今のところ大きな影響は出てないんですが、応援するという意味ではテナントさんと同じ。減額の相談も来ていますが、住宅の場合は住居確保給付金の制度がありますから、それを案内して申請してもらっていますので、今のところ減額の実績はないです。

―テナント物件はやはり影響が大きいですね。

鳥山 現状、年間家賃収入11億円のうち約5億円がテナント物件なので、ちょっと住居系の比率が低くなりすぎたかなとさすがに恐怖心を覚えました(笑)。ここ4年くらいで、事務所ビルを80億ぐらい買いましたから。コロナ以前はテナント系の稼働率は100%だったんですが、今後は事業系の物件比率を抑えることになりそうです。

ただ、今のところ減額によるマイナスは月額300万円ぐらい。年間2億円の税引き後CFがあるのでどうにかなると思います。それに収入が減った分、税金も安くなりますから。

―会計事務所にはコロナの影響はありませんでしたか?

鳥山 そっちは幸いにもほとんど影響ないんですよ。これはうちの事務所の顧客の8割が住居系不動産のオーナーだったこともあるかもしれません。3月は毎日新規のお客さんと会っていたんですけど、今はテレワークを導入して私も自宅にいる時間が増えました。そういう時間を使って、新しい消費税還付の仕組みを考えたりして、充実してますよ。

―消費税還付は規制が入って、住居系の不動産では今後できなくなりますよね。

鳥山 そう、今年の3月までに契約して、9月中に引き渡しになった物件までが対象で、そこからは消費税還付は受けられなくなります。ただ、住居系不動産でも「一時的に使用させる物件」は還付の対象になると消費税法にあります。

だから今後は、民泊やウィークリーマンションなどを組み合わせて消費税還付を実現できないかと考えてるんです。もちろん、民泊新法の規制もあるし、その事業自体がちゃんと回らないといけません。そのあたりはまずウチで持っている物件で試してみて、実績をつくってから、と思っているんです。

ちなみに規制対象は住居系物件だけで、事業系の物件は今まで通り還付が受けられます。でも、それは税理士なら誰でもできるから面白くないんですよね。みんながやっていない住宅系での消費税還付、これに挑戦するのが面白い。まあ、男のロマンみたいなものでしょうか(笑)。

プロフィール・鳥山昌則(とりやま・まさのり)

税理士、行政書士、宅地建物取引士、相続不動産アドバイザー、不動産投資コンサルタント。1959年福井県勝山市生まれ。79年に福井県立短期大学を卒業し、上京。蕎麦店で住み込みのアルバイトをしながら22歳で税理士5科目合格、27歳で税理士登録。30歳で独立開業。28歳で不動産投資を始め、現在は80棟812戸を所有。総投資額165億、年間家賃収入は約11億円。近著に『家賃収入11億円の税理士大家がこっそり教えるお金の増やし方』(現代書林)。

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最終更新:5/27(水) 20:00

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