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アルヒ・アプラス不正融資疑惑、オーナー13人が返済停止《楽待新聞》

5/27 11:00 配信

不動産投資の楽待

住宅ローン仲介会社のアルヒ(ARUHI、東京都)と新生銀行系の信販会社アプラス(大阪府)が手掛ける投資用マンションの融資をめぐり、源泉徴収票など審査資料が改ざんされていた問題で、オーナー13人が26日、融資を受けたアプラスに対してローン返済の停止を通知した。オーナー側は「不正への関与について納得できる説明が得られていない状況で、このまま返済を続けていくことはできない」としている。

オーナーからの相談を受けている加藤博太郎弁護士によると、この問題ではすでに2人が自己破産を申し立て、他に3人も申し立て手続きを進めている。加藤弁護士は「オーナーの多くは年収200~300万円で、毎月数万円の持ち出しに耐えられないケースも多く、さらに自己破産者が増えていく可能性がある」とし、今後は法的手続きも視野に入れてアルヒ・アプラスの不正への関与について調査を進めていくという。

■アルヒ・アプラス側は関与を否定

今回の問題では、主に年収200~300万円の若年層がアルヒ経由でアプラスから融資を受けて中古マンションを購入。融資審査の過程で、源泉徴収票や課税証明書など属性資料の改ざんがあった疑いが浮上した。販売会社がオーナーの年収を水増しすることでローンを通りやすくしていたとみられ、アルヒ・アプラス側の関与の有無が焦点になっている。

オーナーの多くは実勢価格を大きく上回る金額で物件を購入しており、サブリース賃料の減額や契約解除によって毎月数万円の持ち出しが発生しているケースも多い。一部のオーナーは毎月の赤字に耐え切れず自己破産に追い込まれており、審査を担当したアプラスや取り次ぎをしたアルヒに対して実態解明を求める声が上がっていた。

アプラスは4月1日、社外弁護士を委員長とする特別調査委員会による調査結果を公表。収入証明書が改ざんされた案件が24件認められたものの、同社の役職員が指示・黙認をした事実はなかったとした。アルヒもこれに先立ち、フランチャイズ店舗の担当者が不正に関与した事実はなかったとする社内調査結果を公表していた。

■オーナー「家族と生活守るために」

この日はオーナー5人が東京都千代田区のアプラス東京本部を訪問。「不正融資を許さない」「ローン停止通知提出」と書かれたプラカードを掲げてデモを行い、その後アプラス側の顧問弁護士に13人分の返済停止通知書を提出した。通知書は「審査において不正の疑いがあるにもかかわらず、契約者本人に具体的な説明がなされていない。不正問題が解決するまで返済を一次停止する」という内容。

この日参加した東京都在住の会社員・北園花奈さん(仮名・29歳)は2018年6月、都内の中古1Kマンションを2850万円で購入した。

アルヒの仲介でアプラスから融資を受けたが、半年後に源泉徴収票と課税証明書の改ざんで年収が260万円から650万円に水増しされていたことが発覚し、さらにマンションの実勢価格も購入価格の半額程度の1500万円前後にすぎないことが明らかになった。

サブリースの保証賃料は12万2400円だが、返済と管理費が上回っているため毎月2万7000円の持ち出しが発生している状態。7月にサブリース契約の期限を迎えるが、賃料相場が保証賃料より5万円以上も低いため、契約が解除されれば手出しが大きく増える。その状態で退去が発生すれば、家賃収入ゼロで14万円の返済だけがのしかかることになる。

北園さんは「アプラスは調査結果で24件不正があったと認定している。私1人であれば見落としなどの可能性もあるが、これだけの数なら組織的な関与を疑わざるを得ない。しつこい勧誘を断り切れなかった自分が悪いのではと思ったこともあり、ローンの返済停止は苦渋の選択だったが、家族や自分の生活を守るために決断した」と話した。

また、川崎市の会社員男性(39)は2年前、知人からの紹介経由で1750万円のワンルームマンションを購入。しばらくは毎月の収支がわずかにプラスで回っていたが、半年前にサブリース賃料が停止され、毎月10万円ほどの持ち出しがのしかかることになった。さらに実勢価格を調べたところ、わずか550万円にすぎないことも発覚したという。

「当時まだ小さかった娘のために何か残したいと購入した物件ですが、今は悔しさだけが残り、時間を戻したい思い。私が提出した資料は年収300万円ほどだったので通るのが不思議だったんですが、上場企業のアプラスの審査なので信用してしまった」と悔しさをにじませる。「このままの状況が続くなら破綻してもおかしくないし、アルヒ・アプラスが不正に関与していたのであればしっかり認めてほしいと思っています」

■加藤弁護士「法的手続きも」

今回の問題のポイントは、アルヒ・アプラスがこの改ざんを認識していたか、認識していたのであれば積極的に指示・関与していた事実があったかどうかという点だ。

2社ともに不正への関与を否定しているが、販売会社の元社員は加藤弁護士の聞き取りに対し、「アルヒの神奈川県内の支店の担当者から具体的な改ざんの指示を受けた」「アプラスの担当者も『あまり派手にしないでくださいね』などと黙認していた」と証言するなど食い違いがある。

加藤弁護士は「2社の不正への関与については少しずつ客観的証拠が集まってきており、販売会社の証言からも指示・黙認があった可能性は高いと考えている。アプラスは担保価値を大幅に上回る金額の融資をしていたという点、審査資料の原本チェックを怠っていた点でも問題があり、法的手続きの中で不正について明らかにしていきたい」と述べた。

■アプラス「現段階では対応未定」

アプラスは楽待新聞の取材に対し、「以前は収入証明書のコピーでも審査していたことは事実。申込書の年収も基本的には源泉徴収票などと一致していれば正しいという判断をしており、不正に気付けないケースもあった。そういった反省点を踏まえ、2018年9月以降は収入証明書の原本チェックを義務付けるなど、手続きや審査基準の厳格化など不正防止に努めている」とした。

今後のオーナーへの対応については「社内調査の結果、仮に役職員の関与が明らかになれば何らかの対応をする必要があると考えているが、現段階では代物弁済など具体的な議論をしているわけではない」と説明。また、返済停止によって差し押さえなどをするかどうかについては「個別の事案なので答えられない」という回答だった。

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最終更新:5/27(水) 11:00

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