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交際8年で結婚未定「年収3500万男性」のホンネ

5/24 7:55 配信

東洋経済オンライン

もはやルーティンのように、延々続く婚活生活。結婚したい男女は山ほどいるのに、どうしてこんなにもパズルが合わない?  独り身は自由きままだけれど、それでも既婚者バッジをつけたい。そんな決意を胸に、婚活アプリを開いては“イイね”ボタンを押す通勤電車。
そんな、独身者たちにお話を聞くシリーズ「僕/私たちの婚活は今日も終わらない」。婚活中のライターが、取材先との対話を通して、婚活の実情を伝えていきます。

 そよ風のように爽やかな笑顔で待ち合わせ場所に現れたのは、ある分野の専門職として働く牧野さん(仮名、40歳)。身長170cmの中肉中背、薄い紺色のチェック柄のシャツにサラリと清潔感のあるスーツを着こなす。

 牧野さんと会ったのは、コロナ問題が本格化する前。取材場所のカフェを探す際、牧野さん自らお薦めの店を紹介してくれるなど、サービス精神も旺盛だ。落ち着いたトーンながら時折クスッと笑えるようなことも話し、多分モテるんだろうな……と感じさせるオーラがあった。

 牧野さんの趣味は草野球やカメラ、異業種での食事会を企画するなどアクティブだ。1人暮らしが長かったこともあり料理の腕前もお手の物、年収は3500万と高収入だ。本人がその気になれば明日にでも結婚していそうだが……。

■付き合って8年になる彼女との「生活」は…

 牧野さんには付き合って8年になる雑貨店勤務の彼女・亜美さん(仮名、33歳)がいる。彼女との出会いは行きつけの小さな居酒屋だった。クリスマスパーティーのイベントを企画していた牧野さんが、たまたま近くに居合わせた女性グループにも声を掛けたのが始まりで、みんなで連絡を取り合ううちに交際に発展したという。

 亜美さんの性格を聞くと「能動的な僕とは正反対でつねに受動的。真面目で大人しいですね。外に出て積極的に誰かと交流をとるタイプではなく、仕事が終わればまっすぐ帰宅。テレビを見たり、寝るのが好きで僕より早く寝て、僕より遅く起きていますね」

 2人は付き合って2年目から同棲している。料理は食材の買い出しから調理まで牧野さんが担当。雑貨店の仕事で帰宅が22時を過ぎる亜美さんのために、週に1、2回作り置きをして冷凍保存し、亜美さんが帰宅したらレンジで解凍して食べているそうだ。元々料理が苦手だった亜美さんの担当は掃除とのこと。

 結婚を前提に付き合いだした2人。8年間ほとんど喧嘩もなく穏やかに過ごしてきたというが、先に進めない理由があるようだ。

 「付き合って1年を過ぎたあたりからセックスレスになったんです。彼女がそういったことに淡白で、体の関係はなくてもいいというタイプ。拒否はないけど興味がないのが伝わってきて、段々僕もつまらなくなっちゃって。始めは、1週間ないなぁと思っていたらそのままレスになりましたね」

 セックスレスは悩ましいテーマである。牧野さんは、何度か別れるべきかと相談を持ち掛けるも、その都度亜美さんの答えはノーだった。そのままズルズルと同棲は続き、再度思い切って話をしたのはレスから4年後のグアム旅行中。

 陽気なバカンスを楽しむはずだったのにどうしてここで? 

 「このタイミングで話そうと思っていたわけではなく、なぜかフッと言葉がでてきちゃって。長い間レスだし、お互いのことを考えたら別れてもいいのでは、と改めてハッキリ提案したんです。それでも、やっぱり彼女から“別れるとかないからね”とサラッと言われて。こういう話をするのってかなり勇気がいるしパワーも使うじゃないですか。結構頑張って話をしたのに、軽く流されてしまって辛くなってしまいました」

 結局そのまま今も付き合いは続いている。

■2人がそれでも別れない理由

 そもそもなぜ、亜美さんは牧野さんと別れることをそこまで拒むのだろう。「彼女のゴールは結婚して子どもを生むことなんです。とは言えレスなので、体外受精でもいいと言っています。年齢的に出産のリミットも気にしているし、これから新たに相手を探すのは大変なんだと思う。それに、今の恵まれた生活を手放すのが嫌なんじゃないかな」

 雑貨店勤務の亜美さんは年収が300万ちょっと。一方牧野さんは年収3500万と2人の間に明らかな収入格差がある。同棲しているマンションの家賃20万をはじめ、亜美さんのネイルサロンや洋服代、グアムなどの旅行代もすべて牧野さんが負担。さらに食事の準備もすべて牧野さんが行っており、もし別れることになったら今の優雅な生活を捨てて、生活がガラッと変わることは容易にイメージできる。そして、そんな彼女を牧野さんは“かわいそう”と思ってしまうそうだ。

 “かわいそう”なら、亜美さんが頑張って自立する方法はないのだろうか。亜美さんは正社員で働いておりまだ若い。亜美さんにあったライフスタイルに戻す選択はないのだろうか……。

 「この話をすると、大抵の女性は“自立しろ”って言うんだけど、男性からは“かわいそう”と言われますね。それに、レス以外の面では一緒にいて楽なんですよ。話も合うし趣味も合う。なんだかんだと8年間一緒にいていろいろな事を乗り越えてきた安心感もあるのかな。

 それに、レスのまま付き合いが続くなら、僕は他で体の関係を持つけどいいの? と聞いても、バレないようにしてくれればいいと言われ、彼女がいても自由っちゃ自由だし、その間にあわよくばほかに好きな人ができたらいいなとも思ったりして……」

 実際亜美さんと付き合っている8年間で、浮気相手は3人ほどいたという。しかも浮気相手とも1人の人と2年くらい付き合っていたので、誰かしら亜美さんと同時進行している相手がいるそうだ。

 浮気相手と旅行もするし、何度かそれもバレている。その都度、亜美さんが不機嫌になるものの、3日後には「ブランド品のバックが欲しい」とリクエストされることで解決してきた。浮気の代償で買ってもらったバックを使う気持ちってどんなだろう……。

 そもそも牧野さんは、亜美さんに恋愛感情はあるのか聞いてみると「恋愛感情ゼロですよ。付き合って1年位でなくなって今は家族に近いかな」。結婚したら恋愛感情から家族の愛情に変化してもおかしくないだろうが、牧野さんの感覚は独特かもしれない。

 「家族のようだと言っても妻でも妹でもないんですよ。一番近いのは“犬”みたいな感じ。犬って家族同様に可愛がるし愛情も注ぎますよね。ただ、犬に恋愛感情は湧かないし、いなくても困らないと言えば困らないけど、やっぱりいないと家族の一員として寂しいだろうなって」

 以前、“きみはペット”というドラマが話題になった。ドラマではペットのモモ(松本潤)と飼い主のスミレさん(小雪)が、ペットと飼い主の関係からスタートし、気づけば恋愛感情に発展したが、現実は恋愛感情からペットに変化している様子。

■一軒家を建て始めたが…

 2人の関係に発展がないまま、なんと牧野さんは一軒家を建て始めた。いよいよ結婚か? ! 周りから驚きの声が上がるも、

 「もともと自分の家が欲しかったんです。どうせ建てるなら年齢的に早く建てたほうがいいし、家を建てる=結婚とは僕の中ではならないんですよ」

 同棲中の彼女の反応を聞くと「私の部屋はないの? と聞かれるので、その頃付き合っていたらねって言っています。ただ、彼女がオープンクローゼットがいいというので、そこは希望通りに設計したし、相手は誰かわからないにしても、将来を考えて子ども部屋も作っています。彼女はもともと家とか部屋に無頓着。一緒に建築中の家を見に行ったりもしていますよ。ただ、年内には完成するので、それまでにこの先どうするのか、決断を下そうとは思っているんですが……」

 彼女と結婚する確率はハーフハーフだという牧野さん。どこかで聞いたことがある言葉だが、本当はこんなに迷わずに、好きで好きでたまらない人にプロポーズをする憧れはあったというが、現実は違うんだな、と諦めたように伸びをした。

 セックスレスで悩む人は多い。それ以外のことは概ねうまくいっているはずなのに、なぜかそこだけうまくいかないし、なかなか相手に伝えにくい。セックスに向ける気持ちに温度差がありすぎてもお互い辛いだろうし、心身に影響があってうまく関われないパターンもあるかもしれない。

 結婚してしばらくしてからレスになるパターンもよく聞くが、結婚前からそれがわかっていたら……。どちらかが諦めるのか、距離を置くのか、ほかに相手を探すのか。もしくは、セックスレスは2次的な問題で、そもそもは違うところに引っかかりがあるのだろうか。取材から数カ月、まだ牧野さんの決断は下されていない。

この連載では、記事に登場してくださる方を募集しています(掲載は匿名)。婚活中の方、男女問いません。ライターの松永さんと語り合ってみませんか? ご応募はこちらのフォームよりお願いします。

東洋経済オンライン

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最終更新:5/26(火) 10:47

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