IDでもっと便利に新規取得

ログイン

株式週間展望=下値固い展開どこまで―割高支えるリスク許容度焦点、買い方有利の需給構造

5/23 8:13 配信

モーニングスター

 堅調に戻り相場を歩む日本株市場では今週(18-22日)、日経平均株価が75日移動平均線の奪回に成功した。各国の手厚い金融緩和であふれた資金が将来性のあるハイテクセクターに流れ、そこから株式市場全体へと波及する展開が続いている。また、割高感を手掛かりに売りに回る投資家も少なくないため、結果的に良好な需給環境が維持されている。来週(25-29日)も下値は固い可能性があるものの、風向きには神経を研ぎ澄ませたい。

 今週は日経平均が一時2万734円と3月初旬以来の水準を回復し、コロナ・ショックのスタートとほぼ同時に割り込んだ75日線を3カ月ぶりに上抜いた。週後半は売り圧力が強まったものの、週末の終値は2万388円と前週比で350円(1.8%)上昇した。

 切り下がる75日線が抵抗ラインとなって調整が本格化する懸念もあっただけに、ひとまず奪回したことは心理的な明るい要素だ。景気をめぐる悪材料に反応しにくい地合いからも、買い目線優位の状況がうかがえる。ファンダメンタルズ(経済環境)を重視した売り方の踏み上げも指数浮揚の一因とみられる。

 その一端を示すのが、日経平均と逆連動する代表的なETF(上場投資信託)のNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(=日経ダブルI) <1357> の信用買い残の推移だ。同ETFは基本的に指数の下落にベットする商品のため、買い残の規模は日経平均の下方向への意識の強弱を映し出す。

 直近の5月3週(15日時点)のデータでは、日経ダブルIの買い残は3週間ぶりに拡大し6732万株となった。これは、日経平均が安値を付けた3月中旬の水準の3倍強に相当し、要するに「今の株価は高過ぎるから下がるだろう」と考える投資家が極めて多い状況を表す。しかし、そこに相場のわながある。

 前年秋から今年序盤の株高局面を通しても、日経ダブルIの買い残は高水準で推移していた。個別銘柄や指数先物にしても需給の構図は同様で、思惑に反して強い株価にしびれを切らす向きによる反対売買が、一段の上昇を招いたと考えられる。

 一方、長期的には株価は経済環境と相関する場合が多く、厳しい経済指標や企業の慎重な業績見通しを踏まえると、現在の株価の水準を正当化することは困難だ。ただ、資金が潤沢な中で一定のリスク許容度が担保されている状況においては、バリュエーション評価は利きにくい。危うい綱渡りながらも、すぐにバランスが崩れるとは限らない状況だ。

 引き続き、米国株がカギを握る。リスクとみられていた米中対立について、ハイテクの覇権争いの観点では米企業にとってむしろ追い風になるというロジックも通用し始めている。また、経済再開についても、新型コロナウイルスの感染再拡大の不安よりも、景気回復への期待にマーケットは傾いている。しかし、これらは表裏一体であることを念頭に置きたい。

 国内では26日に4月工作機械受注の確報が出る。速報は受注総額が10年ぶりの低水準となったが、ここで示される中国向けなど外需の地域別実績が焦点だ。29日は4月の失業率と有効求人倍率、鉱工業生産が寄り付き前に発表される。海外では25日にドイツの5月Ifo景況感指数、26日に米5月CB消費者信頼感指数、28日に米国の1-3月期GDP(国内総生産)改定値や4月耐久財受注が控える。

 来週の日経平均の予想レンジは1万9800-2万800円とする。クローズアップ銘柄はマルマエ <6264> 、Link―U <4446> 。(市場動向取材班)

提供:モーニングスター社

モーニングスター

関連ニュース

最終更新:5/23(土) 8:13

モーニングスター

投資信託ランキング

ジャパンネット銀行で投資信託

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング