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「ピンチの時こそ方向転換して稼ぐ」29歳OL・コロナ時代の副業論

5/23 12:00 配信

マネー現代

(文 マネー現代編集部) モデルといえば、芸能事務所に所属し、日々レッスンを積んで……というイメージがあるが、それはもう過去の話なのかもしれない。

 近年、会社員をしながら週末だけモデルとして活動している女性たちが増えている。動機は、モデルという職業への憧れか、それともお金を稼ぐためか。実際にモデルを副業とする20代の女性に話を聞いた。想像よりも奥が深かった、彼女の語る副業論とは。

 取材・文/音部美穂 撮影/山上徳幸

「週末モデル」で休日を有効活用

 そもそも、副業モデルが増加した背景には、モデルを起用したい企業側とモデルになりたい女性たちを結ぶマッチングサービスの存在がある。

 その一つ「週末モデル」では、20~30代を中心に様々な本業を持つ女性たちが登録し、休日を使ってモデルの仕事に励んでいる。

 IT系企業の営業職として勤務するかたわらで、週末を中心に副業に取り組んでいる吉田早織さん(29)が「週末モデル」を利用し始めたのは、3年前。

 新卒で入社した金融系企業から、副業OKの職場に転職したことがきっかけだった。

 「もともと副業に興味があったんですが、以前の職場は副業が認められていなかったんです。副業の一番の目的は“ヒマな時間をお金にすること”。それまで、仕事以外の時間は飲み会に行ったり遊んですごすことが多かったんですが、もっと時間を有効活用したいなと思って。

 大学時代からサロンモデルのアルバイトをやっていたので、モデルの仕事ならすぐにできそうだなと思って登録しました」

副業はジムに行くのと同じ感覚

 「週末モデル」では、アプリ上で公開されている案件のスケジュールや条件を公開。
登録しているモデルは、それらをチェックして自分がやりたいものを選んで応募。
選考を経て決定し、当日、撮影現場へと足を運ぶ。

 選考は写真のみのこともあれば、オンラインでの面接や、実際にオーディションを受けることもあるそうだ。

 上記が案件募集のイメージ画像だ。通常、もっとも多い案件は、動画広告や企業のホームページなどに掲載するイメージ写真などで、撮影は長くても半日~1日。しかし、旅行関係などの案件の中には、海外で撮影するものもあるという。
(ただし、記事掲載日時点で、三密になるリアルイベントの案件やスタジオ撮影の案件は緊急事態宣言対象地域で実施を控えている)

 「私は、髪を染めていないこともあって、OL風のイメージカットなどの仕事が多いですね。撮影時の衣装は自前のものを使います。実際にオフィスで働いている会社員なので、オフィスカジュアルの服装を多く持っており、『リアルなOLのイメージに近くていいね』と評価してもらえることもありますよ」

 モデルの仕事は、本業にも大いに活きているそうだ。

 「撮影現場で『本業で営業をやっている』と話したところ、『じゃあ、うちの営業代行もやって』とお願いされて、仕事に結びついたことも。

 また、日頃からSNSをマメに更新するなど、フォロワーを増やす努力をしているのですが、それもモデルの副業があるからこそ。そのSNSを活用し、本業の営業先で『私のインスタでもPRしましょうか』と提案して喜ばれたこともあります」

 吉田さんがモデルの副業をするのは、多くても週1回ほど。

 実は彼女は、モデルだけでなく、副業としてUberEatsのデリバリーもやっている。
平日のディナーや、土日のランチタイムに2時間ほど配達することが多いそうだ。

 「デリバリーは、運動がしたくて始めたんです。自転車をこいで運動してお金にもなるって一石二鳥ですよね。よく『そんなに副業して疲れないの? 』って言われるですが、みんなが退社後や休日にジムに行くのと同じ感覚ですよ」

副業だけで月収30万円以上稼いだことも

 気になるのが副業による収入だ。

 モデルの仕事は、案件にもよるが高いものだと1件あたり5~10万円ほどになることも。「週末モデル」では、登録しているモデルのうち、平均して月2~3万ほど稼いでいる人が一番多いそうだ。

 吉田さんは、モデルやそこから派生した営業代行、UberEatsなどを合わせると副業だけで月平均16~17万円の収入を得ており、なんと月収30万円以上稼いだこともあるという。
(ただし、こちらは新型コロナ危機以前の話。コロナ危機が副業にどう影響を与えたかは後述する)

 「本業でも充分な収入を得ているのだから、そんなに副業を頑張らなくても……」と感じるかもしれないが、彼女にはお金を稼ぐことにこだわる理由がある。

 「高校時代に父がリーマンショックでリストラされ、一気に家計が苦しくなってしまったんです。そのため、勉強しながらアルバイトをして、大学の受験料や授業料も自分で払いました。

 だから、お金に対する危機感がすごく強い。お金があることは安心感につながると思うんです」

 今も、自分の収入の中から、毎月実家に仕送りしているという吉田さん。稼いだお金は、株で運用する他、つみたてNISAやiDeCoなど資産形成にも励んでいる。

 一方で、数少ない趣味に使うお金は惜しまない。

 「『モーニング娘。』などの女性アイドルが大好きで、年に数回、ライブに行くのが何よりの楽しみ。海外旅行といった大きな金額を使う趣味がないので、私にとってはコンサートが数少ない“豪遊”。ライブに行くことが仕事を頑張るモチベーションにもなっています」

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さおりん(@saoriyoshida034)がシェアした投稿 - 2019年 9月月23日午前2時18分PDT

 副業に対する考え方も、実に現実的だ。

 モデルをするぐらいなのだから、「キラキラ感を得たい」だとか、「他人に見られたい」という自己顕示欲があるのではないかと思いきや、吉田さんの場合はそうでもなさそうだ。

 「そもそもモデルを始めた一番大きな理由が、『学生時代に経験があったから』なので、モデルにこだわっているわけでも、ずっと続けたいというわけでもないんです。
ただ、副業自体は続けていきたいので、ゆくゆくはモデルに代わる副業を見つけていきたいですね」

コロナ禍で生まれた「働き方を変える」という思い

 これまで、順調にキャリアを積み重ねてきた吉田さんだが、新型コロナウイルスの影響で、本業、副業ともに案件が減っている。働き方を見直すべきだと感じているそうだ。

 「リーマンショックでの苦い経験とお金に対する危機感は常に持っていたものの、今回、コロナの影響でかなり仕事が減っても、すぐ方向転換できていない自分がいることに気づいて。何があるか分からない世の中だからこそ、どんなことが起きても対応できる術を考えながら働かないといけないと痛感しています」

 吉田さんはそう語るが、世間の大多数の人が突然降ってきたコロナの災難に戸惑い、身動きが取れずにいる。その状況下で「すぐ方向転換できない」のは、ある意味当たり前だ。

 しかし、彼女が「方向転換できない自分」を良しとしないのは、やはり多感な時期に世の理不尽さを目の当たりにしたからなのだろう。

 「誤解を恐れずにいえば、やっぱり父みたいにはなりたくないんです。父は50代でリストラを受けたので、再就職先を探すのもとても苦労しました。そのつらさを間近で見ているからこそ、会社に依存する働き方ではいけないんだなって。

 日本では、転職に際して年齢がハードルになることもありますよね。そう考えると20~30代のキャリア形成ってすごく大事だと思うんですよ」

 本業の会社には副業をやっている同僚がたくさんおり、互いの副業について話す機会も多く、刺激を受けているという。

 「私よりもずっと副業で稼いでいる人もたくさんいるし、どんどん起業していく先輩を見ると、このようなビジネスチャンスがあるのかという学びも多い。今はこの不景気の中でも成長している業界に転職しようと動いており、そこでの本業での学びも活かして出来る副業を見つけ力を入れていこうと考えています。次の時代に求められることを探し続けながら先取りで動いていきたいですね」

 週末、モデルとして笑顔でカメラの前に立つ彼女の心には、仕事への情熱とお金を生み出すことへの信念が秘められているのだ。

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吉田早織さん
1991年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業後、大手日系金融機関を経て、IT企業に入社。現在は営業職として勤務する。「週末モデル」という副業マッチングアプリでの活動や営業代行、UberEatsの配達等の副業をしている。硬筆師範の有段者。
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マネー現代

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最終更新:5/23(土) 14:50

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