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住民税ってどこに住んでいても同じ?住民税のキホンをチェック

5/23 8:10 配信

あるじゃん(All About マネー)

All About『マネープランクリニック』でアドバイスをするファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが、住民税について解説します。

サラリーマンは6月から昨年の所得に応じて、今年度分を支払う住民税が給与天引きされます。気になる人も多いと思うので住民税の注意点をチェックしておきましょう。

* * *

◆基本的に住民税はどこに住んでいても10%課税される

深野さん:こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦です。

清水さん:こんにちは。マネーライターの清水です。深野先生、副業や税金の話をいろいろとさせていただきましたが、所得がアップするとやはり税金が気になるという方がいらっしゃると思います。

特に住民税が高くなって、「こんなに払うの?」と思う方が多いようです。そのあたりを含めて、サラリーマンと住民税の注意点、気にしておいたほうがいいことを伺いたいです。

深野さん:通常働いている人が一般的に納めるのは、所得税と住民税ですよね。よく知られているのは、所得税は所得が多くなると累進課税というかたちで、一番下の税率が5%です。それが段階的に上がっていき、最も高い部分が45%となっています。

これに対して住民税について誤解があったり、人によってはかなり高いのではないかと、よくいわれるのは、例えば清水さんが住んでいる市と私が住んでいる市で、住民税の税率が違うんじゃない?とか……これは誤解です。

住民税は累進でもなく、一律10%なんです。基本的に住民税はどこにいたとしても10%取られますので、大きな差はありません。ただし、一律というのには誤解があるんです。

例えば2019年10月に消費税が10%に引き上がりました。消費税も誰が買い物しても、軽減税率を除けば一律10%ですよね。 

よく消費税は逆進性があるといわれます。一律10%なので、所得が高い人も低い人も同じです。所得税の場合、一番所得の低い人は5%で、一番高い人は45%です。

それに対して住民税は横一線に並ぶだけなので、消費税と同じく、所得が低い人ほど住民税は重税感が高いといわれています。だから住民税が高いと感じるような気がします。

細かいことを言うと、実は住民税と所得税では、基礎控除の額も若干違うんです。所得税のほうが住民税よりも、基礎控除の額が少し大きいです。なので、住民税は税金をかける課税所得が大きくなっているとか、そのような違いがあります。確定申告の時期には、税金の還付という言葉をよく聞きます。

実は住民税は、還付というものがないんです。どういうことかというと、例えば所得税だと医療費控除や住宅ローン控除で税金が返ってきます。あれは基本的に所得税が中心となって還付されます。

住民税も減税されるとか、あるじゃないですか。あれはどうなっているかというと、翌年払う住民税が減額されるかたちで還付しているんです。

だから例えば2020年に納めるのは、2019年の所得に対しての住民税ですよね。例えば分かりやすく月1万円×1年間で12万円だとしたら、住民税部分も減額されます。

実際には住民税は所得税のように戻ってくることはありません。納める税金を増減させることで還付していることになるので、住民税ではメリットが少ないと感じがちです。そういう仕組みが違うのかな、という気がします。

◆前年に所得がなかった人、逆に所得が多かった人は注意

清水さん:所得税はその年の所得にかかる税で、住民税も所得にかかるのですが、前年の所得に対して翌年住民税として発生するということで、そういう違いが出てくることもあるわけですね。

深野さん:そうです。あとは住民税の中身を理解されていないケースもあります。もう一つ、住民税の場合、例えば新入社員は住民税を払わないじゃないですか。

清水さん:1年目ですからね。

深野さん:なぜかというと、前の年に所得がないからです。例えば学生時代から結構稼いでいて、確定申告をしていたら新入社員でも払う人はいますが、そうでもない限りは、所得税もそうだけれど住民税は前年の所得に対して、6月、7月頃から払うようになります。

タイムラグがあるので、どうしても年の後半から払うと、「これ去年の税金?」と、今年の収入をもらっちゃっているから、意識が飛んでしまっている部分が若干ある気がします。

清水さん:転職して収入が前年より下がったり、転職活動中でその年に収入がないけれど、前年に収入があると住民税があって、そこのギャップというか、結構負担だったりしますよね。

深野さん:おっしゃるとおりで、あとは退職したときですね。退職金をドーンともらっちゃうとそこにも住民税がかかるけれど、翌年税金を払うことになって住民税がどっときます。我々も退職する人には、「翌年住民税は結構負担がかかるので、それだけは理解しておいてくださいね」と念を押すケースが多いです。

清水さん:健康保険料も似たようなところがありますよね。

深野さん:健康保険料は、住民税をどれくらい納めているかをベースに決められるので、その通りだと思います。もう一つ注意しなくてはいけないのが、通常お勤めの方の場合、実は勤務先が特別徴収というかたちで納めます。

しかし自営業者の方の場合、自分で納めますが、住民税は毎月ではなく年4回くらいになります。となると1回当たりの負担額が大きいので、それで場合によっては重税感があるような気がします。

清水さん:誤解というと大げさですが、感覚としてそういう気がしてしまうのが、住民税の特徴と言えば特徴ですよね。

深野さん:我々は基本的に、住民税だけ課税されるケースはほとんどありません。所得税と住民税セットで税金を納めます。よくいわれるのは「住民税だけ節税する方法はないですか?」ということですが、残念ながら住民税だけを取りだして安くする方法はないんです。

あともう一つは、先ほど言ったように住民税では還付がありません。あくまでも納める税金が減らされるだけです。住民税だけ無税なことはまずありませんから、それを考えるとどうしても住民税は取られた感が強くなるのかなという気がします。

清水さん:住民税が高いと気にされている方も多いかもしれませんが、それは誤解というか、ただのイメージだということです。計算方法が違うだけで、高いというわけではないということですね。

深野さん:あとは一律というところでしょうね。もう一ついわれるのが、「所得が多い人はたくさん取ってもいいんじゃない?」ということです。住民税も所得税のように累進制にしたほうが……的なこともいわれます。

自治体のサービスって同じですよね。住民税をたくさん払ったからといって、例えば混んでいる市役所や区役所の窓口に行って先に住民票をくれるとか、そんなことはまずないじゃないですか。地方自治体のサービスは、所得の多寡に関わらず全部平等なので、税率も一律にしているという考え方があります。

清水さん:それが根底にあるから、住民税は一律の税率だということですね。

深野さん:そうです。先ほど清水さんもおっしゃったように、住民税に対する勘違いがある部分で、どうしても我々は重税感があってひとこと言いたくなるのかな、という気がします。

清水さん:分かりました。そういうことですので、住民税は皆さんしっかり払ってください。今回もありがとうございました。

教えてくれたのは……

●深野 康彦さん
マネープランクリニックのアドバイスでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

●清水 京武さん
All About「マネープラン・節約」ガイド。25年にわたって1000組以上の家計診断のページづくりに携わってきたマネーライター。貯められない人でも無理なく続けられる家計管理やマネープランの作り方を解説しマネープランクリニックの原稿を担当。

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最終更新:5/23(土) 8:10

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