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中古市場が熱い…!「セカンドストリート」が女性に大人気の理由

3/27 11:00 配信

マネー現代

国内600店舗以上、海外進出も

(文 小宮 紳一) 洋服やバッグなどを中心に中古品の売買を行う総合リサイクル店「セカンドストリート」をご存知だろうか。

 “セカスト”の愛称で知られる同店は、国内で664店を展開するだけでなく、北米に6店舗、マレーシアに3店舗と海外にも出店を拡大。売上においても着実な成長を遂げている。

 実はこのセカンドストリート、あの「ゲオ」のグループ会社の一つだ。ゲオはDVD・CDのレンタル、新機種ゲーム機器や中古ゲームソフトの売買などで全国展開しているメディア系ショップだが、2013年にセカンドストリートを吸収合併している。

 ゲオグループは現在、リユース、レンタル、新品販売の3分野をメイン事業としており、中古品を販売するリユース事業は衣服などを扱うリユース系とパッケージソフトなどを扱うメディア系に大別される。

 2019年3月期の売上は2926億円であったが、中でも伸長を遂げているのがセカンドストリートを中心とするリユース事業。国内中古市場において初めて売上高1000億円を突破した。

 セカンドストリートは洋服やバッグ、アクセサリーなどファッションアイテムの品揃えの豊富さで知られるが、それ以外にもテレビや洗濯機、冷蔵庫などの家電、家具、アウトドア商品まで、様々なものを扱っている。また、このような総合型のリユース店だけでなく、アウトドアや楽器、ラグジュアリーなどに特化した専門性の高いコンセプトショップも展開している。

 では、なぜセカンドストリートがここまで躍進しているのだろうか。その理由とリユース業界の展望、そして抱える課題についても考えてみたい。

実際に買い取りを体験してみた

 本記事の作成を機に、筆者は近隣のセカンドストリートに実際に足を運んでみた。訪れたのは、大型総合ショップの「スーパーセカンドストリート」である。

 また今回は、買い取り査定を経験するために雑貨品などを持ち込んでみることにした。揃えた物はアクセサリー、布製のバッグ、ハンドタオルなど。頂き物などもあり、大半が未使用だ。少し贅沢なランチが食べられる程度の査定を期待して、店内に足を踏み入れる。

 入口のすぐ近くに買い取りエリアがあり、査定の間に店内を見て回ることにする。筆者が訪問した店舗は2フロアから構成されているのだが、販売されているものの豊富さには驚かされる。リユース品とはいえ、かなりきれいな物が多く、生活雑貨や台所用品などは未使用品も多い。

 店内は明るく広々としており、キャンプ用品のコーナーではテントやタープが実際に設置され、アウトドア専門店のような空間が演出されている。平日の昼時だが客数はかなり多い。客層は女性客が多く、女性服のコーナーがやはり賑わっている。

 査定は店員がタブレットで1点ずつ単価を説明してくれた。いずれも単価10円から50円という査定で、合計額は牛丼チェーンで食事ができる程度。期待額との差が大きくちょっと落胆したが、基準がよく分からないので査定が妥当かどうかは判断できない。

 来店客を観察していると、ショッピングのついでに不用品を持ち込んでいるという感じの人が多く、売却だけを目的に来店している人は見当たらなかった。どうやら、セカンドストリートは、従来の中古リサイクル店にはない、「不要品を持ち込み、同時にショッピングを楽しめる」明るい空間を創出しているようだ。

女性たちに支持されるワケ

 あらためて話題を戻そう。セカンドストリートが人気を集めるようになったのはなぜか。その要因の1つとして筆者は、「メルカリ」や「ラクマ」などに代表されるフリマアプリの普及によってリユース市場全体が拡大したことにあると考えている。

 20~30代を中心にフリマアプリが普及した結果、もはや個人間売買が当たり前となった現在。中古品の購入や利用に対してのハードルが低くなったことは間違いないようだ。

 中古品の売買に関する調査で、中古品の購入について20代は40%以上が「抵抗がない」と回答。また女性で中古品の衣類を購入したことのある割合は50%を超えており、男性に比べ約2倍高いことも判明している(2017年『楽天リサーチ』調べ)。

 このように20代を中心に中古品の購入・利用への抵抗感が少なくなったことや、無駄をなくし環境保全に貢献するというリユースやリサイクルの考え方の浸透により、中古品を売買するリユース市場が拡大していったのである。

 リユースショップ業界の現状は、トップ10企業の売上合計で約4160億円に達しており、業界全体でもゆるやかな成長が続いている。中古品に対する抵抗感がなくなっているのは業界にとってまさに追い風だろう。

 さらに業界内でもセカンドストリートはアパレル部門での売上が突出している。これは、テレビCMによる販促や積極的な出店攻勢により、女性層を中心に高い支持を取り付けたことに尽きる。

 また同店の強みとして、実際に訪れて感じたように「明るく清潔感のある店内」も挙げることができる。従来の中古リサイクル店の多くは、どこか薄暗くて、汚いイメージがあった。そのイメージを払しょくしたことによって、主に女性層の集客に大きな効果があったと言えるだろう。

フリマアプリに勝てるのか

 とはいえ、セカンドストリートが順風満帆というわけではなく、拡大を続けるC to Cが大きな脅威となっていることは間違いない。フリマアプリが牽引するC to Cの物販分野の市場規模は2018年に1兆円を突破しており、今後も拡大が見込まれている。

 基本的にB to Cの形態を取るセカンドストリートのようなリユースショップから見ると、フリマアプリは顧客を奪うだけでなく、買い取りの機会までも奪っている。

 リユース業の妙味とは、商材が中古品であるがゆえの粗利率の高さに加え、現金買い取り・現金販売なので売掛金が発生しないことなどが挙げられる。しかし、調達の大半が買い取りなので、売上を伸ばすためには買い取り量を増やしていくしかない。

 しかしフリマアプリの普及によって、不要品をリユースショップに持ち込むのではなく、自分で値付けして売却する人が激増したのである。このような現状で、セカンドストリートもただ指をくわているわけではなく、600店を超える実店舗の窓口だけでなく、ネットや出張でも買い取りを行っている。

 それでもフリマアプリと比べれば、まだまだ課題は多い。売却という点においては、手間や費用、取引時間などでリユースショップが優位には思える。しかしリユースショップに対する不満として、筆者も体験した通り、買い取り価格の基準が分かりにくいことがそうだ。

 こうした査定額に対する不満の声から、近年では、品目別に年式、外観、取扱ブランドなどの条件により査定基準を定め、ネットなどで情報提供するショップも増えてきている。しかし、ブランド品以外の物に関しては、情報開示が十分とは言えないのが現状である。

解決すべきは「情報の非対称性」

 不用品の売却という面から考えると現在、消費者は二分化されている。発送や交渉の手間・時間を惜しまずに自分の納得のいく金額で売却したいタイプと、手間をかけずにその場で換金したいタイプだ。前者はフリマアプリを利用し、手間や時間をかけたくない筆者のような人間は手軽に持ち込めるショップを利用するのだろう。

 セカンドストリートを訪れた後日、リユースショップ各社のホームページを覗いてみた。すると、取扱商品の販売価格を明示している会社もいくつかあったことが分かった。

 しかし掲載されているものは、高級ブランド品や年式がはっきりしている家電がほとんどで、引き取れないものや査定の計算方法などについて詳述しているショップは見当たらなかった。

 「情報の非対称性」という、取引の当事者間で、持っている情報に差があることを指す言葉がある。中古品のマーケットは依然として、売り手は品物の使用歴や品質に関しての情報を多く持ち、買い手は中古市場における相場情報を多く持っているため、こうした情報の非対称性が多い市場だ。

 そのため、どうしても売買におけるトラブルやモラル・ハザードが生じやすい。フリマアプリで購入したところ写真や説明とかなり違う状態の悪いものが送られてきたなどのトラブルや、買い取り額が相場よりかなり安かったなどの不満は、この情報の非対称性から生まれるのである。

 セカンドストリートを含むリユース業界は、まだまだ情報の非対称性が大きい業界である。今後、ショップの情報開示がより進展し透明性が増すと共に、「ショップに持ち込んで満足した」というような利用者の声が増えてくると、リユース業界は次のステージに入っていくはずだ。

 将来的には、情報性に鋭敏なリユースショップが業界構造を変革していく可能性は大きいだろう。

マネー現代

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最終更新:3/27(金) 11:00

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