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あえて「2冊目」から読む!「作家の力量を知る」掟破りの読書術

3/27 11:00 配信

マネー現代

(文 角田 陽一郎) ----------
ジャケ買いする、積読・併読する、感想文やメモは不要、途中でやめていい、速読はしない……。そんな常識をくつがえす読書法を提唱するのは、TBSで数々の人気バラエティ番組を手がけたプロデューサーで、著書『読書をプロデュース』を発表した角田陽一郎氏だ。「デビュー作から順番に読まなくてもいい」と断言する角田氏。その理由を語ってくれた。
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僕を本好きにした「加藤くん」

 僕が本を読むようになったきっかけは、高校のクラスメイト加藤くんでした。

 同じクラスにはなったものの、それまで全然仲がよくなかった加藤くん。試験期間に朝の通学電車で、たまたま一緒になった彼がふと、僕にSFマンガ『超人ロック』の話をし始めたのです。

 「超おもしろいよ、こういう話でさ~」

 読んだことがなかった僕は、その話がおもしろくて、先を聞きたくなりました。

 試験は午前中で終わるので、帰りも一緒に帰ろうぜとなりましたが、駅まで30分の道だけでは足りませんでした。駅前の喫茶店に入って、午後1時から夜8時までずっと喋り続けました。

 加藤くんのすごいところは、どんなことでもすべて同じレベルで話すところです。

 「村上春樹、読んでないの? 最初に読むなら、まあ『風の歌を聴け』が彼の1冊目だけど、俺は2冊目の『1973年のピンボール』が好きかな」

 純文学をマンガと同じレベルのものとして話すのです。

 教養と娯楽が並立するのかと、僕は密かに驚いていました。

 僕だって、映画も音楽もテレビも詳しいつもりでしたし、それなりに勉強して進学校と言われる学校に入りました。加藤くんも、勉強はかなりしたはず。それなのに、加藤くんのほうがメチャクチャ詳しいのです。

 後日、加藤くん家へ遊びに行くと、すごい数の本がありました。

 でも、考えてみたら、僕の家にもたくさん本はあったのです。

 それからの僕が、本をむさぼり読むようになったのは言うまでもありません。

あえて「2冊目」から読んでみる

 教養と娯楽は同時に身につくということを気づけたのは、僕にとっては大きな収穫でした。純文学や学術書が上で、マンガや入門書が下なんてことはありません。

 本の読み方だって、自由で構いません。順番を守る必要もないと思います。

 たとえば、僕は村上春樹さんを1冊目からは読まず、2冊目から読んでいます。

 もちろん1冊目から順に読んでもいいと思いますが、僕は加藤くんのおススメに従って2冊目から読み始めて、すっかり読書に魅了されました。

 デビュー作は、なんだかんだと注目が集まりますが、勝負は2冊目です。

 往々にして、デビュー作は気合が入って当然でしょう。作家が世に誕生するかしないかは、デビュー作次第だからです。熟考に熟考を重ねて、何年も練り上げた作品だって珍しくありません。

 なかにはササっと書き上げたものもあるでしょうし、作品ができ上がる過程にはいろいろあるかと思いますが、作家の情熱が凝縮された初めての1冊には違いないと思います。

 ちなみに、先ほどから出てくる「加藤くん」とは、15万部突破のベストセラー『考具』の著者・加藤昌治氏のことです。

本の読み方に正解はない

 さて、このデビュー作が評価されれば、めでたく作家として認知されるわけですが、さあ次です。

 「次はどんな作品?」となります。

 おそらく、読者の期待を裏切らないように、しかし同じような作品という印象にならないように留意しつつ、作家なりにデビュー作の反省点や改善点をふまえて書くことになるでしょう。

 つまり、2冊目がおもしろいか、おもしろくないかで、作家の力量がわかってしまうこともあるのです。

 そもそも、出版社から「2冊目を書いてほしい」という依頼があったから書いているわけで、少なくともそれなりには作家として評価されたということです。そういう意味では、2冊目がプロとしての本当の作品だと言えるかもしれません。

 じつは、デビューしたものの、小説家としては事実上その1作だけで終わってしまった、というケースも結構あるそうです。

 「デビュー作が評価されたから2冊目がある」ということを考えれば、むしろデビュー作をあと回しにしたほうが読書意欲も湧いてくるとも言えます。

 もちろん、1冊目から順に読んでいくのも自由ですが、必ずしも「順番どおり読む」ことにこだわらなくてもいいのです。そのことだけは覚えておいてください。

マネー現代

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最終更新:3/27(金) 11:00

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