IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「円安でも日経平均下落」は異変の始まりなのか

2/24 6:01 配信

東洋経済オンライン

 先週20日に発表されたアメリカの2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は36.7と、予想の11.0、1月の17.0から大きく上昇した。この数値は3年ぶりの高水準だった。だがこの日のNYダウの引け値は128ドル安の2万9219ドルと低調。日本や韓国など中国外での新型コロナウイルスのまん延を嫌気し、一時は388ドル安まであった。

 そして翌21日のダウは227ドル安の2万8992ドルと続落した。2月製造業PMI速報値が50.8と、1月の51.9から予想以上に悪化し、昨年8月来で最低となった。またサービス業PMI速報値も49.4と予想外に50を割り込み、新規受注も2009年以降で初めての50割れで、総合PMIは49.6と、政府機関が閉鎖された2013年10月以降で最低を記録したことが下げの原因だった。

 冒頭のように強い景気指標が出ても、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に株を売り、21日のように景気指標が悪いとそのまま売り材料とするNY市場の「場味」はこの2日間極めて悪い。

■「円安でも上昇しない日本株」は何を意味するのか

 しかし、この間、株安に逆らうように、米ドルは1ドル=112円台に急騰した。ここで注目すべきは、ダウの下げを優先させたとは言え、大きなサプライズであった「ドル円112円」に対する日本株の反応の悪さだ。このところずっと続いていた「円安=株高」の構造が変わったかと思わせるような動きで、日本株の場味はさらに悪い。

 円安が株高につながらないのは、今回の112円の円安がドル高半分、日本売りの円安が半分で出来上がっているとの見方が多いからだ。新型コロナウイルスの景気に与えるダメージを警戒し、世界が結束して景気支援策を出す中で、日本の出遅れが目立つ。

 すでに異次元緩和を出し続けている日本としては、もはや打つ手がないのかとの印象を世界に与えている。しかも、今の国会の主役はコロナでも景気でもなく「さくら」では、世界の売り屋ファンドに狙われるのは当然だ。彼らから「世界で最も安心して売れる日本株」との声が聞こえて来るのは極めて残念なことだ。筆者には、円安も、日本株の低迷も、アベノミクスの追加緩和策発動への催促相場(政策当局などに対応を迫る相場)に見えてならない。

 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がサウジアラビアの首都リヤドで22日開催された。麻生太郎財務相は初日の討議終了後の会見で、財政余地のある国には果敢な措置への期待を表明したことを明らかにした。日銀の黒田東彦総裁も前日の月例経済報告関係閣僚会議で、新型コロナウイルスが内外経済に与える影響に日銀として最大限の注意を払うと強調したというが、日本は率先垂範できるのだろうか。

 実際、国内景況感は極めて厳しい。2019年10~12月期実質GDP速報値は前期比1.6%減、年率換算では6.3%減となった。コロナウイルスの影響を考えるとおそらく1~3月期もマイナスとなる可能性が高い。2四半期連続マイナス成長なら「テクニカル・リセッション、景気後退期入り」となる。

 ところが、その後発表された2月月例経済報告では、輸入は、前回の「おおむね横ばい」から「このところ弱含んでいる」に判断を下方修正したが、個人消費は「持ち直している」との表現を維持した。これでは金融緩和策追加的出動はイメージ出来ず、売り方ファンドは安心して日本を売れるはずだ。

 ともかく景気の減速とコロナウイルスの不透明感に覆われる中で、アメリカを中心に世界の株式市場は底堅さを維持し、ドイツDAX指数も先週一時史上最高値を更新した背景には、金融緩和の威力が発揮されているということにほかならない。

 当然日本株においてもその基本的な考え方は変わらない。株価は前述の厳しさを織り込んでいるはずだが、1月30日から東証1部売買代金は、閑散相場と言われる2兆円未満には1度も陥っていない。この間1月30日の2万2977円を下値に、2月6日の2万3873円までのゾーン内のモミ合いだ。2万3000円を割ることなく海外ファンド(JPモルガン)などの売り物を静かに受け止め、「方向は下ではないよ」と言っているように思えるが、いかに。

■テクニカル指標は「買い」示唆、株価回復を待つ局面

 テクニカル指標で見ると、騰落レシオが18日に71.94(70前後で買いとされる)を示唆し、現在も75.78と70台の買いシグナルを出している。また日経平均株価の25、75日移動平均は下回ったが、下方乖離は1%未満で誤差のうちに居る。総合乖離(25、75、200日移動平均乖離率の合計)も4.11%と買い場を表している。

 中国のハイテク大手ファーウェイが5G製品の自社工場での製造と主要サプライヤーの工場再開を宣言し、供給網に問題がないとコメントした。先週筆者が取材した自動車電装部品中堅の鈴木(本社・長野県)によると、同社の中国工場(広東省)は一部従業員が帰省先から戻っていないものの、生産水準は正常値まで回復しているとのことだ。このように、ウイルスの震源地でアル湖北省は工場再開が延長されているが、他の中国の工場は急速に回復しているようだ。ここはあわてず焦らず、全体株価の回復を静かに待ったらどうか。

東洋経済オンライン

関連ニュース

最終更新:2/24(月) 6:01

東洋経済オンライン

Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

Yahoo!ファイナンス 投資信託特集

クレジットカード徹底比較

JNB投資信託キャッシュバック

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング