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「ロッキー/ライズ」実際に乗ってわかった実力

2/17 5:45 配信

東洋経済オンライン

 2019年秋の「東京モーターショー」のダイハツブースで、これほど重要なクルマがステージではなくブースの下に展示されていたことに驚いた。新コンパクトSUV「ロッキー」のことである。

 そのとき、初めて実車を目にして「これは売れそうだ」と直感したが、トヨタの姉妹車「ライズ」とともに、まさしくそのとおりの状況となっている。

 トヨタは自前でもコンパクトカーを開発しているが、ダイハツからOEM供給を受ける車種もいくつかある。

 「パッソ」や「タンク/ルーミー」、軽自動車の「ピクシス」シリーズなどがそれだが、東京モーターショー直後の2019年11月に加わったのがライズだ。

 ダイハツ版はロッキーという往年の車名を復活させたが、トヨタ版には新しい車名が与えられた。

■空白期間は3年半

 そのライズは11月に7484台を販売し、月間販売台数ランキングでいきなり4位に。翌12月には、9117台で2位と順位を上げ、2020年1月には、2位の「カローラ」(8480台)以下を大きく引き離し、1万0220台を販売したライズがついに1位となった。姉妹車のロッキーも1月には3153台を販売して21位と健闘した。

 コンパクトSUVでは、かつてダイハツ「テリオス」/トヨタ「キャミ」、ダイハツ「ビーゴ」/トヨタ「ラッシュ」という姉妹モデルが存在した。後者が2016年3月に販売終了してから今回のロッキー/ライズの登場まで3年半あまり。

 空白期間が長く、もっと早く出てきてもよかった気もするが、ダイハツとしてはDNGA第1弾をダイハツ専売の看板車種である「タント」にしたい思いもあり、あえてこのようにしたのではないかと思われる。

 さて、もともと大柄で高価な車種から広まったSUVブームは、時間の経過とともに徐々にサイズの小さい低価格のクラスまで波及し、やがてコンパクトクラスにも及んだ。

 その波はいまや欧州を中心に世界的で、ここ数年で車種も増え、SUV全体の中での販売比率もますます高まっている。いまやコンパクトクラスは、普通のハッチバック車の「V40」に見切りをつけて、SUVの「XC40」のみとしたボルボのような例もある。

 コンパクトクラスのユーザーはコストを重視する傾向が強く、これまでは割高なSUVには目が向きにくかった面はあるように思うが、それを上回るSUVの魅力を多くのユーザーが見いだしたのだろう。

 ロッキー/ライズは、全長3995mm×全幅1695mmの5ナンバーサイズだ。「コンパクト」と形容されるSUVはいくつかあるが、全長が4mを切り、全幅も1.7m未満というサイズのSUVは、ほかにあまり心当たりがない。

 それでいて、全体的にスクエアな形状とされたロッキー/ライズは実際のサイズよりも大きく見える。

■最小回転半径4.9mで小回り抜群

 視覚的に大きく見えるだけでなく、車内も外見から想像するよりずっと広い。すべてのガラスウインドウの面積が広く角度も立っているので、頭まわりも開放的だ。

 後席も、頭上やひざ前など各部のクリアランスも十分に確保されていて、足元にも余裕がある。2段階のリクライニング機構も付く。さすがにエアコン送風口はないが、USBソケットが2口あるのは重宝しそうだ。

 ラゲッジスペースも広い。デッキボードを上段にすると369リットルで、その状態でも十分なのだが、下段にすると449リットルまで拡大できる。

 さらに、その下のアンダーラゲッジが、2WD車ではフロアが低くまでえぐられていて驚いた。積載性もかなりのものだ。ダイハツの開発関係者が、ロッキーについて「小は大を兼ねる」と表現していたのもうなずける。

 コンパクトクラスらしからぬSUVとしての利便性をしっかり持ち合わせていながら、コンパトカーのように小回りが利いて、扱いやすいところもこのクルマならでは。

 一般的に大径タイヤを履くSUVは小回り性に劣るが、ロッキーの17インチホイール仕様で5.0m、16インチ仕様なら4.9mという最小回転半径を実現したことは、大きな特長のひとつだろう。前輪がどれぐらい切れているのかを車内のディスプレイで確認できるのも便利だ。

 エンジンは現状、このクラスでもミニマムといえる1.0リッター3気筒のガソリンターボのみの設定とされた。

 むろん、3気筒特有の音や振動などドライブフィールの質感はそれなりではあるものの、1トン少々の車体を走らせるには、十分な動力性能を持つ。

 ただし、パワフルであることを強調するような特性で、飛び出し感が強い点が少々気になる。

 海外ではこのクラスのコンパクトSUVに4WDを用意していない車種も少なくないのに対し、ロッキー/ライズには、小さくてもSUVであるとのこだわりから、電子制御カップリングを用いた高性能な4WDシステムが与えられている。

 足まわりについても、いろいろ新しいチャレンジをしているようだが、現状では操縦安定性や乗り心地の快適性に煮詰めの足りない印象が残る。DNGA第1弾のタントがまずまずの仕上がりだったこともあり、第2弾であるロッキー/ライズにももう少し上を期待していたのだが、粗削りな感があるのは否めない。

■2020年のSUV王者になれるか? 

 全体的にもう少し洗練されることに期待したい気持ちもあるが、このクルマが売れるのはよくわかる。とっつきやすく、現状はガチンコのライバル車も存在しない。これを「待ってました!」という人も少なくないことと思う。

 SUVの2019年暦年の販売台数では、「C-HR」を僅差でしのぎ「ヴェゼル」が王座を3年ぶりに奪還した。

 2020年は、もちろんロッキー/ライズの姉妹車もしばらく勢いを保ちそうだが、前年の発売から快進撃を続けている「RAV4」や、あるいはそう遠くないうちに出てくると目される新型「ハリアー」がどのような動きを見せるかも興味深いところだ。

東洋経済オンライン

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最終更新:2/17(月) 5:45

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