JPモルガンなども頻繁にやりとり、米CPI巡り-BLSエコノミスト

4/10 9:59 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米労働省の労働統計局(BLS)のエコノミスト1人が、JPモルガン・チェースやブラックロックといったウォール街の主要プレーヤーと、重要な米インフレ指標に関するデータについてやりとりしていた事実が明らかになり、経済情報への公平なアクセスに疑念が生じた。

ブルームバーグが情報公開を請求した記録によると、BLSのエコノミストは、最近数カ月の間に消費者物価指数(CPI)の詳細に関する問い合わせに何度も応じ、問い合わせは中古車などの主要なカテゴリー計算に主に関係していた。

BLSで長年勤務するこのエコノミストと金融会社とのやりとりは、米紙ニューヨーク・タイムズが先に報じていた。エコノミストはより広範なグループに複数の電子メールを送っていたが、ブルームバーグが入手した電子メール1件によれば、このグループを「私のスーパーユーザー」と呼んでいた。「スーパーユーザー 」のリストは管理していないとBLSは回答した。

2月半ばにあるユーザーがスーパーユーザーのメールリストに追加してもらえないか頼んだところ、エコノミストは数分後に「リストへの追加は可能」と答えたという。受信者の名前は削除されていたが、提供された記録の一部で、電子メール署名の詳細や雇用主からの開示を確認できる。

JPモルガンとブラックロックのほか、ブレバン・ハワードやミレニアム・キャピタル・パートナーズ、シタデル、ムーア・キャピタル・マネジメント、ハイ・フリークエンシー・エコノミクス、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル、BNPパリバも一連のやりとりに登場したが、いずれもコメントを控えた。

やはりメールに登場したファロ・マネジメントとウルフ・リサーチからもコメントは得られていない。

このBLS職員が2月にそれらの人々宛てに電子メールを送り、持ち家などオーナーの帰属計算上の家賃(帰属家賃、OER)指標における一戸建て住宅と集合住宅との相対的ウエートの変更が1月のCPI上昇の背景にあると示唆した。これを受け、エコノミストの間では「スーパーユーザー」についてもっと詳しく知りたいという声が高まった。

メールを受信した1人によると、BLSはメールの撤回に動き、内容を無視するよう言われたという。

このエコノミストは、BLSウェブサイトの関連リンクをユーザーに頻繁に提示していた。しかし少なくとも1件のケースで、CPI内の中古車指数計算に関連する当時非公開の情報を共有していた。

リデルBLS次長(パブリケーション担当)は「われわれが公正であると国民は大きな信頼を置き、データ提供者はデータの安全に大きな信頼を寄せている。われわれはその信頼の修復を目指す」とコメントした。

リデル氏によれば、この職員が他の非公開情報を共有していたかどうか「なお調査中」だが、スタッフ1人だけの問題と思われるという。問題の職員は現時点でユーザーからの質問に答えていない。

BLSのエコノミストにコメントを求めるメッセージを残したが、これまでのところ返答はない。

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原題:JPMorgan, BlackRock Among BLS Economist’s CPI ‘Super Users’(抜粋)

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最終更新:4/10(水) 16:02

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