米国人のペット愛、猫砂メーカーの株価押し上げ-3月に上場来高値

4/9 9:49 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 少子化傾向の米国で、ペットの数が増えている。そんな中、それほど知名度の高くない企業の株価が大きく上昇している。

吸着剤メーカーで猫砂(猫用トイレ)が主力製品のオイルドリは昨年、株価が倍になり、今年3月には上場来最高値を更新した。シカゴに本社を置く同社によれば、猫砂の売り上げは年に約3.5-4%伸びており、米国の人口増加ペースを上回っている。

米国勢調査局と調査会社IBISワールドのデータによると、18歳未満の子どもの倍以上の数の犬猫がすでにペットとして飼われている。

猫砂「キャッツプライド」「ジョニーキャット」を製造するオイルドリによれば、インフレを背景に支出が抑えられ、保護施設に送られるペットが急増したとはいえ、消費者は依然として購入を続けている。

ダン・ジャフィー会長兼最高経営責任者(CEO)はブルームバーグのシカゴ支局でのインタビューで、「飼い主たちは猫を飼うのをやめていない。もしかしたら猫砂をより安い物に切り替えるかもしれない。プライベートブランドを持つ当社には、そうしたグレードダウンはそれほど悪いことではない」と語った。

NIQ(旧ニールセン)のデータによれば、米小売店における猫砂の売上高は、3月23日までの1年間で10%近く増え約29億ドル(約4400億円)に達した。値上げと販売数量の増加が寄与した。

ペットの飼育頭数は1990年代半ばから右肩上がりで、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で一段と拍車がかかった。現在、米国では2019年時点を5.8%上回る約1億9230万の犬猫がおり、18歳未満の子ども7350万人の2倍余りとなっている。

子どもの数より飼育するペットの数の方が多くなっていることについて、ジャフィー会長は「ペットの方が自分たちのライフスタイルに負担がかからない」という理由もあると指摘し、飼育するペットをわが子のように扱う米国人もいると付け加えた。

オイルドリは直近の決算で、猫砂が売上高の前年比4%増に貢献したと説明。時価総額約5億ドルの同社の株価はここ1年で74%上昇。同期間のラッセル2000指数の上昇率は18%だった。

原題:Americans’ Pet Obsession Is Fueling Rally for a Cat Litter Stock(抜粋)

--取材協力:Alexandre Tanzi、Gregory Korte.

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最終更新:4/9(火) 9:49

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