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「日本株」のヒントは「オリエンタルランド」にあった…!個人投資家の命運を握る「モノ言う株主が買った銘柄」を徹底的に分析してみた!

5/14 6:02 配信

マネー現代

モノ言う株主の攻勢が始まった!

(文 大川 智宏) 3月を期末とする本決算発表もピークを越え、その後の株主総会の開催が視野に入ってきた。

 毎年この時期になると、いわゆるモノ言う株主としてのアクティビストの動きが活発化し、市場で大きな話題となるのが恒例行事だ。

 アクティビストは、企業に対して株主の利益にかなう様々な提案を行うファンドだ。自身の保有する株価が効率よく上昇するために行うので、この動きに便乗できれば、株価の上昇が期待できるはずだ。

 すでに、足元でも国内大手のストラテジックキャピタルなどが複数の企業に対して経営改善や自社株買いの実施などの圧力をかけ始めており、総会の開催前に水面下での攻防は始まっているようである。

 今回は、そんなアクティビストが株主提案をしそうな銘柄を探していこう。

京成電鉄「オリンタル株」にアクティビストが噛みついた!

 アクティビストによる株主提案の中でも、最近特に話題となったのは、イギリスの投資ファンドのパリサー・キャピタルによる京成電鉄への株主提案だろう。

 多くのメディアで報道されているために詳細は割愛するが、提案内容の中心は「保有するオリエンタルランド株を減らすことを、6月の定時株主総会の議案として提出せよ」というものだ。昨年10月の時点で、20%の保有比率を15%にまで引き下げることを要請しており、3月26日にあらためて京成電鉄側へと書面で送付したようだ。

 古くから、京成電鉄とオリエンタルランドのいびつな関係性は広く知られており、日本株投資にかかわる人間にとっては常識のようなものであるが、「動くことはないだろう」というあきらめからか、延々と放置され続けてきた。

 実際に、京成電鉄の取締役会でこの提案は拒否されている。

 しかし、パリサー・キャピタルは4月24日にもあらためて書面で同提案の実施を催促し、両者の対決姿勢は強まってきている。

 当初の報道が出た直後は一時的に株価が上昇したものの、着地が不透明な状態になりつつあるためか、その後の株価は軟調に推移している。

 図:京成電鉄の株価(対TOPIX)の推移

ファンドの動きを予想する!

 提案時には改革の期待によって上昇するが、その維持には将来的な実現可能性が重要となるのだろう。

 ただし、ここで重要なのは、言うまでもなくパリサー・キャピタルの目的が京成電鉄にオリエンタルランド株を売却させることではなく、その売却資金を成長投資や株主還元の強化へとつなげることにある。

 実際に、彼らはそのような内容を書面で提示しているようだ。多くのアクティビストによる直接的、間接的な様々な株主提案も、行き着く結論はまったく同じである。そして、仮にそれが実現へと向かえば、株価は将来的に力強い上昇を達成することになるだろう。

 その意味で、こういったアクティビストからの接触および提案がなされる企業は、少なくとも彼らが投資先に見切りをつけて撤退をしないかぎりは、長期投資の対象として大変魅力的な存在といっていいだろう。

 特に、彼らが提案を公表した直後がもっとも株価が強く上昇する傾向にあるため、もしそれを事前にざっくりとでも把握できれば、なおさら大きな恩恵を得られる可能性が高い。

 そこで、今回は、直近のアクティビストによる企業への株主提案の事例を踏まえて、どのような銘柄が彼らに選ばれやすいのかについて考えてみたい。

 もちろん、アクティビストの運用方針や投資哲学はファンドによって千差万別であり、それを一般化するのは困難だろう。また、彼らは独自の分析に基づいて厳選したごく少数の銘柄に投資資金を注ぎ込むため、それを事前に予想するのは砂の中から金を見つけるようなものである。しかし、その根底にある共通要素を定量化してみれば、確率は上がるだろう。

 では、さっそくモノ言う株主の「次なる一手」を探っていこう。

アクティビストが買った株

 アクティビストがどういった銘柄を選ぶかはファンド次第、ということを述べたが、まずは事実確認としてその比較の事例を見ておきたい。

 たとえば、以下の銘柄表は昨今日本での活躍が目立っているオアシス・マネジメントの保有銘柄である。バリュエーションなどのデータは、12ヵ月先のコンセンサス予想を用いている(取得できない銘柄は実績値で穴埋め)。

 図:オアシス・マネジメントの保有銘柄の例

 業種に偏りはなく、外需製造業や内需企業など、バランスよく投資をしているようだ。

 また、企業の規模としては、一部例外はあるものの、おおむね1000億円~3000億円程度の中型株をメインターゲットにしているようだ。このあたりは、大型になればなるほど大株主になるまでの資金投入量が大きくなるため、ファンドの運用資産の規模にも依存するのかもしれない。

 また、バリュエーションなどについては、割安な銘柄と割高な銘柄がまちまちであり、特に一貫性はないように見える。PBRが1倍割れの企業は、おそらく東証の資本効率性の改善提言からの変化を狙っているのかもしれない。

 何にしても、数字には表れにくい独自の切り口で投資先を選定しているようだ。

 さらにもうひとつアクティビストが買っている銘柄を紹介したうえで、アクティビストが「次なる一手」として投資しそうな銘柄を探していこうと思う。

 つづきは、後編記事「日本株に救世主が現れた! モノ言う株主が買った銘柄を徹底分析して見えた! アクティビストの次の一手を占う「珠玉の28銘柄」を一挙公開する!」でじっくりと紹介しよう。

マネー現代

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最終更新:5/14(火) 6:02

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