岡山駅東口にタワマン・ホテル建設、再開発で新たなランドマーク誕生へ《楽待新聞》

5/18 19:00 配信

不動産投資の楽待

岡山駅東口の駅前一等地で再開発が進められている。「岡山市駅前町一丁目2番3番4番地区市街地再開発事業」だ。

すでに営業を開始した駐車場棟のほか、タワーマンション「プラウドタワー岡山」やホテル棟も竣工する見込みだ。同事業で建設されるビルは高い需要が期待され、駅前の新たなランドマークとなるだろう。

岡山城や後楽園で知られる岡山市が、この再開発を機にさらに栄えることになるのか、計画の概要を確認していこう。

■岡山駅のアクセス

岡山駅は山陽新幹線の他、山陽本線・瀬戸大橋線・宇野線・伯備線・津山線・吉備線・赤穂線の計7路線ものJR在来線が乗り入れる。

山陽本線は東西に走る主要路線であり、それ以外の6路線は岡山駅を起点とする。岡山駅を通るように測ると岡山市は東西に20キロメートル、南北に約40キロメートルの長さがあり、在来線は各地から市の中心地へ人を運ぶ重要な路線として機能してきた。

1日の乗降客数は約6万人で、都内で言えば飯田橋や新木場駅と同程度である。

また、東口には路面電車である「岡山電気軌道」東山線・清輝橋線の停留所があり、路面電車は岡山駅を起点に中心市街地を通る。同路線は重要な市民の足として機能してきた。

新幹線のぞみを利用した場合、各主要都市との所要時間は東京~岡山間で3時間20分程度、大阪~岡山間は約45分である。博多から岡山までは1時間40分強。

快速マリンライナーに乗れば、四国・高松まで約1時間で行くことができる。なお倉敷までは山陽本線で約15分だ。

ちなみに岡山駅から北の岡山空港まではバスで30分であり、羽田~岡山空港間の飛行機便は1時間15分である。

■東口側は中心市街地

岡山駅は東口が瀬戸内海側で西口が山側である。駅の両側は市街地だが、特に東側が中心市街地と認識されている。

まずは西口の様子について見てみよう。駅の目の前には19階建ての複合ビル「リットシティビル」があり、ANAクラウンプラザホテル岡山やNHK岡山放送局が同ビルに入居する。

東口側ほど活気はないが、大通り沿いには雑居ビルやマンションが並ぶ。脇道に入ると戸建住宅や低層のビルが並ぶ。

中心市街地である東口側は大都会の様相であり、いわゆる地方都市を想定して訪れると驚くことになるだろう。初めて訪れた人からは「意外と都会だった」という意見も聞かれる。

駅の目の前にはビックカメラと高島屋があり、南へ300メートルの位置には地方都市としては珍しく駅近のイオンモール岡山がある。

線路に沿うように南北に通る「市役所筋」と、駅から東へ向かう「桃太郎大通り」と2つの大通りがある。大通り沿いには中層のオフィスビルや商業ビルが並び、10階建て以上のマンションも多く見かける。20階建て以上の高層マンションもいくつか存在する。

駅から市役所筋を1キロメートル南下すると岡山市役所にたどり着き、駅から東へ1.6キロメートル向かった旭川の両岸には岡山城と後楽園がある。後楽園は日本三名園の1つとして知られる。

■住宅棟・ホテル棟・駐車場棟からなる再開発事業

再開発事業の正式名称は「岡山市駅前町一丁目2番3番4番地区市街地再開発」、再開発地は駅東口から市役所筋を挟んだ目の前の区域であり、ビックカメラの北隣にあたる。

面積は約1.4ヘクタールで、古い雑居ビルや戸建住宅、パチンコ店などがあった土地だ。東街区と西街区に分かれており、駅側の西街区では住宅棟・ホテル棟が建てられ、東街区では既に駐車場棟が建てられている。

西・東街区の建築面積はそれぞれ4400平米、2700平米である。参加組合員は野村不動産株式会社とJR西日本不動産開発株式会社であり、住宅棟については今年2月に「プラウドタワー岡山」の名称が発表された。

プラウドタワー岡山は地上31階・地下2階建て、高さ114メートルの規模で、総戸数は422戸、分譲は367戸数の予定だ。間取りは1LDK~3LDK、専有面積は44.92平米~193.87平米という。

予定販売価格や最多価格帯価格帯は未定だが、3000万円台以上で、上層階には3億円以上の物件もあるという報道が出ている。

なお1、2階には郵便局の他、店舗もいくつか入るという。ホテル棟は地上16階建てで、パース図を見ると低層階より上が細くなっている。

1~3階が商業施設で4階がコンベンションホール、5・6階がオフィスフロアで、7~16階がホテルとなる予定だ。

住宅棟・ホテル棟はいずれも工事中だが、東街区の駐車場は既に竣工しており、23年11月に「あなぶきパーク駅前町」として開業した。地上7階建てで1階がアミューズメント施設、3階から屋上までが駐車場である。収容台数は506台。ビックカメラなど周辺商業施設と提携している。

■東口のランドマークに

住宅棟の建設は23年6月に着工し、25年末の竣工を目標としている。ホテル棟については解体工事がほとんど完了しており、今年中の着工、26年中ごろの竣工を目指す。

岡山市は現在、71.6万人の人口を抱え、2060年には64万人にまで減少する見込みだ。しかし中心市街地の人口は若干ながら増加傾向にあり、郊外からの集中でオフィスビル建設も進んできた。

マンション開発も相次ぎ、200戸以上の大型開発も進められてきた。都心への集中化が進むなか、駅前一等地にあるプラウドタワー岡山は高い需要が期待される。

ホテルについても駅前という立地がアピールポイントとなるはずだ。岡山城・後楽園、そして倉敷と周辺観光地にも恵まれている。岡山市の観光客数はコロナ禍で減少したものの回復しつつあり、インバウンドも期待される。

建設されるタワマンそしてホテル棟は岡山駅の新たなランドマークになるだろう。なお中心市街地には老朽化の進むビルや小規模施設も多い。今回の再開発事業が新たな再開発を呼び込むかもしれない。

山口伸/楽待新聞編集部

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最終更新:5/20(月) 18:20

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