サトシ・ナカモトに120万ドルのビットコイン送金──目的不明で憶測広がる

1/9 10:53 配信

CoinDesk Japan

匿名のビットコイン作成者であるサトシ・ナカモト氏のブロックチェーンアドレスに5日、異常に高額のビットコイン(BTC)が支払われたことを受けて、暗号資産(仮想通貨)ユーザーらは当惑し、トランザクション(取引)の意図にめぐって憶測をめぐらせている。

バイナンスからの引き出し直後に約27BTCを送金

アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)のブロックチェーンデータによると、1月5日に身元不明の暗号資産ウォレットが約27BTC(当時117万ドル相当、1ドル145円換算で約1億6965万円)をサトシ・ナカモト氏のものとされる最初のビットコインアドレスに送金した。送金は、大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)からほぼ同額を引き出した直後に行われた。


Blockchain.comのデータによると、宛先となったアドレスは2009年1月3日にビットコインネットワークの最初の「ジェネシス」ブロックを作成したナカモト氏のウォレットで、最初の50BTCの報酬がまだ入っている。今回の支払い後、このアドレスには450万ドル相当の100BTC近くが保管されている。


注目すべき点は、このトランザクションがビットコインネットワーク立ち上げ15周年を迎えた日のわずか2日後に行われたことだ。ユーザーがビットコインネットワーク立ち上げを記念して、長らく休眠状態にあるジェネシスウォレットに時折わずかなお金を送金することはある。


しかし、5日の送金額が高額だったことから、送金の背後に何があったのかをめぐる憶測が広がった。

送金の理由に憶測が広がる

米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)のディレクターを務めるコナー・グローガン(Conor Grogan)氏はX(旧Twitter)の投稿で、「サトシが目覚めてバイナンスから27BTCを購入してウォレットに入金したか、あるいは誰かが100万ドルをただバーンしただけかのどちらかだ」と述べた。


グローガン氏はさらに、アメリカのビットコイン現物ETF(上場投資信託)発行会社に関連したマーケティング戦略である可能性があると推測した。ビットコイン現物ETF承認への期待は最高潮に達している。


法律事務所ホーガン&ホーガン(Hogan & Hogan)のパートナーであるジェレミー・ホーガン(Jeremy Hogan)氏は、このトランザクションはアメリカの新しい税制を利用してビットコインの作成者の身元を明らかにしようとする試みである可能性があるとの説を提唱した。アメリカの納税者は今年から、1万ドルを超えるすべての暗号資産取引を内国歳入庁(IRS)に報告する必要がある。


ホーガン氏はXの投稿で、「意味がある唯一のことは、送信者がサトシを追い立てているということだ」とし、「サトシは自身の身元を明らかにするか、法律に違反しなければならない」と述べた。


アーカムのデータによると、送信元のアドレスにはナカモト氏のウォレットへのトランザクション以前には履歴がなかったが、その後証券プラットフォームであるロビンフッド(Robinhood)のホットウォレットとラベル付けされたアドレスとの資金のやり取りがあったことが示されている。


ナカモト氏のビットコイン総保有量は、多数のアドレスに分散され、約500億ドル(約7兆2500億円)近くに相当する110万BTCだと市場関係者らは推定している。ビットコインは直近では約4万5000ドルで取引されている。


|翻訳・編集:林理南|画像:Jonathan Borba/Unsplash, modified by CoinDesk|原文:Mysterious $1.2M Bitcoin Transaction to Satoshi Nakamoto Sparks Speculations

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最終更新:1/9(火) 10:53

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