子のタイプを知って子育てをグッと楽にするコツ 子どもに限らず、人間には2つのタイプがいる

3/29 8:32 配信

東洋経済オンライン

少子化が進み、親子の距離が近くなっている現在、「どうしても子どもとうまくいかない」「子どもの一挙手一投足が気になって、勉強につい口出ししたくなる」と悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか? 
それは、ひょっとしたら子どものことを冷静に見ることができていないからかもしれません。まずは子どものタイプを知ることで、アプローチがぐっとわかりやすく、気楽にできるようになります。この「子どものタイプを知って対応する」極意を全国の保護者の方の悩みを聞き、子どもたちを直接指導してきた石田勝紀さんの著書『のびる子はやっている最大効果を出す 小学生の勉強法』より、一部抜粋、再構成してお届けします。

■子どものタイプを知ってからアプローチするのがおすすめ

 これまでに3500人以上の子どもたちを指導してきた経験から、子どもに限らず、人間には2つのタイプがいるということが分かりました。

 1つ目のタイプを「マルチタスク型」といい、もう一つのタイプを「シングルタスク型」といいます。

 マルチタスク型は、いわゆるジェネラリストです。なんでも満遍なくマルチにこなしますが、1点への集中力がなく、意識分散型とも言えます。気が散りやすいので短所のように思われがちですが、全体の変化に気づく力があるのでリーダーに向いています。

 また、マルチタスク型の人間は損か得かを判断基準として行動することが多いです。無駄が嫌いで、面倒くさがりますが、それは効率性を好むということです。

 マルチタスク型の子どもには、スケジュールを作り、勉強のノウハウを教え、自分にとってメリットがあると納得させられれば(自分にとって得だとわかれば)、学校の成績も満遍なく向上できそうです。

 一方、シングルタスク型は、いわゆるスペシャリストです。好きなことに対する集中力は抜群にありますが、嫌いなことは後回しにするか、やらない傾向にあります。

 シングルタスク型の行動基準は損か得かではなく、好きか嫌いかです。シングルタスク型の子どもに勉強させたい場合は、勉強の中でも比較的好きな科目や分野から始めるように勧めるとよいです。まずは好きな科目や分野から始めることで、心が満たされます。そのうえで、好きではない科目や分野もやってもいいかな、という状態に移行していく場合が少なくありません。

■「勉強にハマるための入り口」が異なる

 このように2つのタイプがありますが、どちらが優れているというものではありません。学力の高低も関係ありません。価値観が異なっているので、勉強にハマるための入り口、つまりアプローチの仕方が異なるということなのです。子どもに声掛けをするときに、タイプの違いを知っておくことが重要なのです。

 マルチタスク型とシングルタスク型という2つのタイプは、大人にも該当します。夫婦はもちろん、兄弟や親子でもタイプが異なることもあります。親は、「子どもは自分と同じ」と思っている傾向があるので、自分の価値観で子どもに接してしまいがちです。その結果、子どもとうまくいかず、子育てが難しいと感じてしまうのです。

 例えば、ママがマルチタスク型の場合、「早くやっておきなさい。今やっておけば後で楽なんだから」と損得の基準で声をかけても、子どもがシングルタスク型の場合は損得の基準で行動しないので、「嫌いだからやらない」と反発します。

 大切なのは、タイプが違うから反抗的なのだとあきらめるのではなく、相手に合わせたアプローチに変えてみることです。子どもの価値観や行動基準は、自分の価値観や行動基準とは違うのだとわかることで、子どもを理解することができ、よりよいアプローチができるようになります。

 また、親と子が同じタイプであっても、うまくいかない場合もあります。

 親も子どももマルチタスク型の場合、例えば親のスケジュール管理の方法を押し付けても、同じやり方が子どもにハマるとは限りません。子どもが自分独自の方法を作りやすいように、ヒントを与えるくらいのほうがいいケースもあります。

 親も子どももシングルタスク型の場合、お互いが「好き」な領域も同じとは限りません。子どもの好きなことを尊重することが大切です。

 「勉強しなさい」と頭ごなしに言ってもうまくいかないのなら、そのやり方は子どもには合っていないのです。子どものタイプにあったアプローチに変えてみることで、子育ての難しさや悩みが解決することもあるのです。

■子どもの認知特性にあったアプローチも効果的

 マルチタスク型、シングルタスク型というタイプ分けとは別に、「認知特性」というものがあります。何かを覚えるときに、黙読など見て覚えるのが得意な人は「言語優位」、音読など口に出して覚えるのが得意な人は「聴覚優位」、書いて覚えるのが得意な人は「視覚優位」といえます。

 聴覚優位の子には音読させたり、視覚優位の子には図式化して説明させたりと、本人に合ったやり方をすれば、効果が上がります。

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最終更新:3/29(金) 8:32

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