埼玉・鶴ヶ島駅周辺で再開発、今後の人口減少・少子高齢化見込んで《楽待新聞》

5/5 19:00 配信

不動産投資の楽待

埼玉県鶴ヶ島市では、鶴ヶ島駅周辺地区の生活環境の向上・地域活性化を図るために、2023年3月に「鶴ヶ島駅周辺地区まちづくり構想」を策定している。

人口減少・少子高齢化の進行が見込まれている鶴ヶ島市。活気あふれる街を駅周辺地区に創出し、住む人々が笑顔で暮らせるような街づくりを目指すという。

今回は、予定されている鶴ヶ島駅周辺の再開発事業の内容や、もたらされる効果について解説していきたい。

■都心から約45キロメートル圏内、交通アクセスが良好

鶴ヶ島市は埼玉県のほぼ中央に位置し、首都圏のベッドタウンとして発展してきた都市だ。

都心から約45キロメートル圏内であり、周辺には坂戸市、川越市、日高市が存在する。整備された都市空間でありつつ、緑豊かなエリアだ。

関越道と圏央道のインターチェンジがあり、各方面へ自動車でアクセスしやすい。鉄道では東武東上線の駅が2つあり、東京メトロ有楽町・副都心線、東急東横線へと乗り入れできることから都心へのアクセスも良好だ。

市内の地形はほぼ平坦で大きな河川がなく、洪水など自然災害リスクが少ないため、安心して暮らせる都市である。

■活力あふれる街を目指すために再開発を計画

鶴ヶ島市の2023年12月1日時点における総人口は6万8243人(日本人のみ)、世帯数は3万2389世帯。だが、今後は人口減少や少子高齢化の進行が見込まれる。

そんな中で、活力あふれる街を目指すために、鶴ヶ島駅周辺地区で再開発を計画している。ピンク色で囲まれたエリアが計画区域だ。

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鶴ヶ島駅は玄関口としての機能を充実させ、快適な歩行空間を確保する予定だという。

■最終目標は、「歩きたくなるくつろぎとにぎわいのまち」

まちづくり整備計画では、鶴ヶ島市が目指す「将来像」として、「歩きたくなるくつろぎとにぎわいのまち」というフレーズを掲げている。

さらなる人口減少、少子高齢化の進行化が見込まれる中で、「居心地の良い、歩行者中心の充実した暮らしの確保を図る」との意図が込められたものだという。

事業化に当たって、打ち出している整備方針は以下の4点だ。それぞれ具体的に見ていこう。

・安全で居心地が良く歩きたくなる道路空間の形成
・生活を支え活力を生み出す魅力ある商店街づくり
・地域と一体となったガーデンパークの活用
・公共施設再編による地域交流施設の整備

○安全で居心地が良く歩きたくなる道路空間の形成
前述の通り、安全で居心地良く歩ける道路空間を形成して、子供から高齢者まで全ての人が利用しやすくするという。

たとえば、市道4号線から西側を2024年から5年間で先行整備するなどとしており、具体的には側溝の段差解消、無電柱化などが示されている。

○生活を支え活力を生み出す魅力ある商店街づくり
商店街の新たな担い手づくりや、道路と沿道空間の一体的な整備・利用の検討など、魅力ある商店街を創り出してにぎわいある街づくりを目指すという。

起業者・創業者などに対して、建物改修費や店舗賃借料の一部を補助するなどの施策も盛り込まれている。

○地域と一体となったガーデンパークの活用
鶴ヶ島市では、鉄道模型メーカーの関水金属と連携し、以前から「ガーデンパーク」を整備してきた。

これは関水金属の新工場建設にあわせたもので、工場敷地の緑地と、隣接する児童公園を含めて「イングリッシュナチュラルガーデン」として一体的に整備してきたのだという。

ガーデンパークは2024年6月9日にオープン予定。敷地内では機関車の展示・走行も行われるといい、このガーデンパークを活用することで、地域住民のイベント活動を創出したり、交流イベントなどを開催したりしていくとしている。

○公共施設再編による地域交流施設の整備
現在ある「南市民センター」を移転し、施設の機能を複合化することで、新しい「地域交流施設」として整備を進めるという。

なお、具体的な施設機能は未決定で、今年度に基本計画を策定する中で、地域住民の意見を聞きながら検討していくとしている。

■改善が必要なのは「快適な時間を過ごせる場所」

まちづくり整備計画は、第1期(2024年~2028年)と第2期(2029年~2033年)に分けて、およそ10年間を整備期間としている。

整備にあたっては、国の財政支援を活用するため、都市再生整備計画を作成。第2期以降は第1期の街づくりの成果を踏まえながら計画を進めていく。

市によれば、鶴ヶ島駅周辺地区の現状や課題について聞いた市民アンケートの結果、これから改善していきたい項目として「快適な時間を過ごす場所がある」「子どもの遊び場がある」「交通の安全性」が多く挙げられたという。

つまり、この3点が鶴ヶ島駅周辺地区に足りない要素と言えよう。

今回の再開発で駅周辺に市民が利用できる場所を創り出し、安全な歩行空間を確保することにより、地域住民や鶴ヶ島市を訪れる人々が快適な時間を過ごせる空間を実現させるという。



今年度から始動する鶴ヶ島駅周辺の再開発は、地域住民などが居心地良く暮らせる街づくりを目指している。

多様な人々の交流を生み出す魅力ある地域社会をつくり、将来にわたって市の活力を維持することが市の重要な目的だ。人口減少や少子高齢化の波が押し寄せている鶴ヶ島市においては、将来性の高い活気あふれる街の実現が待ち望まれている。

矢口ミカ/楽待新聞編集部

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最終更新:5/5(日) 19:00

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