ユーロ/米ドルは1.1308ドル割れの売り仕掛けから200pips超下落! チャートはニュースより先に動く。米ドル再暴落に備えつつ、チャート分析に専念するのが一番効率的!

5/13 21:06 配信

ザイFX!

⚫️ユーロ/米ドルは1.1308ドル割れの売り仕掛けから、200pips超下落

 ユーロ/米ドルは、5月1日(木)のメルマガでお伝えした1.1308ドルの下で売り仕掛けしたポジションから、200pips超下げました。

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​2025年5月1日(木)11:50の配信メールより一部抜粋
EURUSD 4/23値幅
EURUSDは先ほど、先週足安値=1.1308を下抜けて1.1303まで下げています。
これで週足は4/21高値=1.1573をピークとして週足レンジ内の調整に入りました。
~中略~
よって、1.13付近で売り仕掛けして、4/23高値=1.1440の上に損切り逆指値を置くと、損切り幅は約150pips程度に抑えることができます。

 今回は少し時間がかかりましたが、スワップポイントを稼ぎつつ、メルマガ読者にとって十分な利益となる提案ができたと思っています。

 米中が90日間の追加関税115%引き下げに合意したことが、ユーロ/米ドル下落の要因とされていますが、これについては後述します。

 当コラムでは、3月からユーロ/米ドルの買い戦略で、1.05ドル台から買い仕掛けて1.15ドル台まで上昇しました。その様子は過去の一撃シリーズでお伝えしています。

 その間に、トランプ大統領の言う「解放の日(※)」があり、米国株売り、米国債売り、米ドル売りの「米国売り」となったことで、トランプ関税は骨抜きになり、政権の経済政策は後ずさりしているようです。

(※編集部注:「解放の日」とは、トランプ大統領が各国・地域に課す相互関税を公表した4月2日(水)のこと。トランプ大統領はこの日を「解放の日」と表現した)

⚫️チャートがニュースよりも先に動くことが重要。ニュースが出て飛び乗るのでは、本業がある個人投資家は利益が得られにくい

 重要なのは、この「米国売り」が、「解放の日」より前の3月の時点から始まっていることです。

 拙著『1日2回のチャートチェックで手堅く勝てる兼業FX(改訂版)』の第1章では、チャートがニュースよりも先に動くことを、過去の事例を挙げてご説明しています。

 つまり、何かのニュースで相場が動くのではなく「その前段階のさまざまな小さな情報や経済的な知見から、相場は先に動く」ということです。

 そもそも、ニュースが出て飛び乗るのでは、本業がある個人投資家は利益を得られにくいものです。だから私はチャートを使いますし、このやり方が、私と同じ個人投資家には適していると思うので、メルマガでお伝えしています。

 このように、相場はニュースの前に動き始めるため、今回は5月1日(木)のメルマガで、先に1.13付近での売り戦略をお伝えし、米中追加関税引き下げ合意が伝わった昨日(5月12日)の安値は1.1065ドルなので、200pips以上の利益になっているはずということです。

 ただ、まだ早い段階での売り仕掛けで、メルマガ読者の方でも慎重な方は躊躇されたり、決済を早めにされた方もいたため、そのあとも何度か取引ポイントをご案内しています。いずれにしても、現時点では建値より下げており、利益になっているはずです。

 こうした米ドル買いの動きに転じる要因は、米国株にもありました。

 ここ数回のコラムでは米国株のこともお伝えしていますが、こちらも「解放の日」のショックから戻していることは、当コラムでもお伝えしてきたとおりです。

 こうした金融市場のチャート分析が、メルマガやコラム読者の方の利益に繋がる提案になっていると思います。

⚫️「解放の日」の悪夢が甦る可能性は十分ある。米ドル再暴落に備えつつ、チャート分析に専念するのが一番効率的

 ここからはチャートを離れ、素人のファンダメンタルズに少しお付き合いください。

 4月の当コラムでは前述のように、トランプ政権の関税政策は骨抜きになったとお伝えしました。この状況は今後も続いていて、この政策は無理があると思います。

 今回、米中で追加関税115%引き下げ合意がありましたが、ひとまず90日間の暫定ということになっています。大事なのは、この90日です。

 現在5月ですが、ここから90日となる3カ月間には、米国債の償還期日が並びます。つまり、米国の借金の借り換えです。

 中国は米国の大口の貸し手ですから、貸し手である中国が米国債を償還されたあと、同額の米国債を買ってくれないと、再び「解放の日」の悪夢が蘇ります。つまり、米国債が急落して、米国債金利が急騰する事態が十分予想されるわけです。

 この米国債は、米国経済や金融の屋台骨で、ここを攻められたらマズイということで、慌てて関税を延期したため、日本の財務大臣すら米国債の売りに言及するようになってしまいました。

 これまでは暗黙の了解で米国債を買っていた国が、米国債をツールに交渉するようになってしまったわけです。

 よって、トランプ政権が大きく政策を変更するか、中国や他国が米政権の政策に不満や疑義を持つと、再び「解放の日」と同様のことが起こるリスクがあるわけです。

 ということは、ここからの90日間もずっと米ドル買いが続くとは考えず、値動きが止まってきたりすれば、米ドルの暴落に動く可能性を考えておく必要があると思います。

 ただ、いずれも上記のようなファンダルズ分析は、素人の妄想でしか過ぎませんし、金融のプロの人たちはもっと高度なことを考えているのだと思います。

 よって、私たちはそうしたあらゆる人たちの考えが反映されている値動きに従うため、チャート分析に専念するのが一番効率的に利益を得やすい方法だと思います。

ザイFX!

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最終更新:5/20(火) 16:07

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