サウジとUAE、戦争拡大の危険性を警告-共同声明で「自制」促す

4/18 0:48 配信

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(ブルームバーグ): サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)は、中東地域が「戦争の危険とその悲惨な結末から」免れるよう、域内における最大限の「自制」を呼び掛けた。両国が17日、極めて率直な共同声明を発表した。

これに先立ち、サウジのムハンマド皇太子とUAEのムハンマド大統領は電話会談を開催。イランが13日夜にミサイルとドローンでイスラエルを攻撃したことで、緊張が高まっている。

イスラエルは今回の攻撃への対応を検討中だ。イラン本土からの同国襲撃としてはこれが初めてとなった。17日にはイスラエルのカッツ外相がキャメロン英外相およびドイツのベーアボック外相と会談し、イスラエルにはイランに対応する権利があるとあらためて表明したほか、イランのミサイルプログラムに対する制裁強化を求めた。

イラン当局者は、イスラエルが反撃すれば「さらに深刻で速い、より即時の襲撃」で対抗するとこれまでに警告。イランは先週末のイスラエル攻撃について、4月1日にシリアのイラン大使館が空爆されたことへの報復だと説明している。同空爆では軍司令官らが殺害された。

サウジのムハンマド皇太子とUAEのムハンマド大統領は電話会談で、中東情勢および安全保障と地域の安定への影響について話し合った。UAEの国営首長国通信(WAM)が報じた。国営サウジ通信(SPA)によれば、同会談はUAE大統領の要請で実施された。

UAEはイスラエルと外交関係があり、サウジはイスラエルとの関係正常化に向けた米国主導の交渉を行っていたが、パレスチナ自治区ガザでの戦争により状況は複雑になっている。

欧米やアラブの諸国はイスラエルに対し、同地域を本格的な紛争に巻き込むような対応を控えるよう促している。サウジの同皇太子はカタール首長からも電話を受け取り、軍事情勢の激化について協議した。

イランとイスラエルの報復合戦は地域全体を不安に陥れており、湾岸諸国の指導者らは立場の違いを越えて、共通の脅威や課題に立ち向かう時だと考えている可能性がある。サウジとUAEはイランとの向き合い方や約10年に及ぶイエメン内戦の終結、地域の経済的・政治的リーダーシップなど、多くの問題を巡って過去に対立してきた。

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原題:Saudis, UAE Warn of War Dangers as Israel-Iran Tensions Boil (2)(抜粋)

--取材協力:Michael Cohen.

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最終更新:4/18(木) 0:48

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