◆今日の内容を10秒でチェック!
・日経平均は続伸…原油下落や米オラクル決算を好感、終盤失速も
・任天堂が大幅高、『ぽこ あ ポケモン』世界的ヒットと伝わる
・公開価格割れ続くIPO、3月はセイワHDなど3社予定
●【1】今日の株式相場&話題株 早わかり!
続伸…原油下落や米オラクル決算を好感、終盤失速も
【今日の相場】
日経平均株価は続伸! 10日の米国市場では主要株価指数が高安まちまちとなった。ライト・エネルギー長官が「ホルムズ海峡を通過するタンカーを米海軍が護衛した」と投稿するも、その後削除するなどイラン情勢をめぐる不透明感がくすぶった。ただ、IEA(国際エネルギー機関)が過去最大の石油備蓄放出を提案したと報じられ、NY原油先物相場は大幅に下落。決算発表した米オラクルの株価が時間外取引で急伸したことも追い風となり、今日の日経平均株価は堅調な展開となった。アドバンテストやソフトバンクグループが押し上げ役となり、日経平均株価は後場に一時5万5745.38円(+1496.99円)まで上昇したが、取引終盤に伸び悩んだ。
日本株はひとまず原油価格の下落を好感した格好だが、イランがホルムズ海峡に機雷を敷設したと報じられるなど、混乱長期化を懸念する声はなお多い。不安定な市場環境で注意すべき点、注目の銘柄などはX(旧ツイッター)の音声チャット「スペース」で解説したので、改めて参考にしてほしい。なお、今晩の米国では2月の消費者物価指数(CPI)が発表されるので注視しよう。
【日経平均】55025.37円↑↑
(+776.98円)
【グロース250】780.04↑
(+7.51)
【NYダウ】47706.51ドル→
(-34.29ドル、10日)
【ナスダック】22697.104→
(+1.158、10日)
【今日の話題株】
◆任天堂(7974)
9932円(+812円)
5日に発売された「ニンテンドースイッチ2」向けゲーム『ぽこ あ ポケモン』が世界的にヒットしていると伝わり、好感した買いが入った。「パッケージ版が店舗で完売続出」などといった報道がヒット観測につながっているようだ。本作はポケモンたちと新しい暮らしを築いていく、シリーズ初のスローライフゲーム。企画開発に関わったコーエーテクモホールディングスも大きく買われた。
◆ソフトバンクグループ(9984)
3888円(+256円)
米国では10日の取引終了後、ソフトウェアのオラクルが決算を発表。売上高・利益ともに市場予想を上回り、時間外取引で株価が急伸した。オラクルはAI(人工知能)への巨額投資をめぐり懸念が広がっていたが、収益化につながっていると受け止められたようだ。オラクルなどと共同でAIインフラ計画「スターゲート」を推進するソフトバンクGにも買いが入った。
◆ニッコンホールディングス(9072)
4076円(+206円)
自動車輸送などの物流。「物言う株主(アクティビスト)」として知られる香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが10日に変更報告書を提出し、ニッコンHD株の保有比率が従来の9.26%から11.56%に上昇した(3日時点)。5日に前回報告書を提出したばかりで、急ピッチの買い増しとなる。なお、オアシスはカカクコム株も買い増し、保有比率が5.23%から7.94%に上昇した。
●【2】水曜コーナー「ザイアナリスト小林大純『IPO株ココだけの話』」
公開価格割れ続くIPO、3月はセイワHDなど3社予定
今日は前回(2月18日号)以降の2月のIPO(新規株式公開)結果と、新たに発表された3〜4月のIPO予定を確認しておこう。
2月24日にはイノバセルが東証グロースへ、27日にはギークリーが東証スタンダードへ上場したが、いずれも公開価格を下回る初値となった。13日上場のTOブックスから3社続けて公開価格割れと、2026年のIPOは異例のスタートとなった格好だ。公募・売出規模はイノバセルが約142億円、ギークリーが約70億円で、TOブックス(約41億円)よりさらに大きかった。このため公開株の換金売りが出やすく、株式需給(売りと買いのバランス)への懸念が先行したとみられる。2月は日経平均株価が過去最高値を付け、新興株もまずまず好調だったが、これらの銘柄は需給懸念を打ち返すほどに取引参加意欲が高まらなかったようだ。
バイオベンチャーのイノバセルは便失禁向け開発品で2028〜2029年ごろの承認申請を見込んでおり、研究開発や販売提携の進捗に注目。IT・ウェブ・ゲーム業界に特化した人材紹介事業を展開するギークリーは、4月発表の決算などでAI(人工知能)普及が追い風かどうか見極めることになりそうだ。
2月18日号で紹介したベーシックを含め、3月も3社のIPOが予定されている。また、4月上旬のIPOもいくつか発表されているので見ておこう。例年と比べると3月の件数がかなり少ない(2025年は12社)印象だが、その分4月上旬にずれ込んだ感もある。新興企業の東証グロース上場が減少している上、中東混迷による金融市場の不安定化もIPO見送りにつながる可能性があるので、今後の動向を注視しよう。
3月27日上場予定のセイワホールディングスは公募・売出規模が70億円台となる見込み。ただ、4月になると比較的小型(=換金売りが出にくい)のIPOが多いため、需給懸念が和らいで初値を伸ばすことに期待したい。また、セイワHDは中小製造業の事業承継を行うが、2025年IPO組で大躍進した技術承継機構が連想されそう。人気が高まって需給懸念を打ち返せるか注目だ。
【銘柄ピックアップ】
セイワホールディングス(523A)
3月27日に東証グロース上場予定。後継者不足の中小製造業をM&A(合併・買収)で事業承継し、独自のプラットフォームによる支援やグループシナジー(相乗効果)の創出で企業価値を向上させる。公募・売出規模は76.4〜77.6億円(仮条件ベース)とまずまず大きいが、国内ファンドが公開株を取得する意向。2026年5月期の業績予想は、売上収益が前期比0.1%増の77億7900万円、営業利益が2.2倍の15億5300万円。
(ザイIPO株アナリスト 小林大純)
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
ザイ編集部
最終更新:3/13(金) 9:20