(ブルームバーグ): 英銀バークレイズは投資銀行部門で数百人を削減する準備を進めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。バークレイズは同部門の収益性改善を目指す長期の取り組みに着手している。
これら関係者によると、対象となるのはグローバルマーケッツとリサーチおよび投資銀行業務の従業員。人員削減は向こう数カ月のうちに実施される見込みで、パフォーマンスの低い社員を削減する年次の取り組みの一環になると、関係者らは非公開情報を理由に匿名を条件に語った。
バークレイズは電子メールで送付した声明で「われわれはパフォーマンスの高い人材への投資や、戦略の実行、顧客へのサービス提供を確実に行えるよう、定期的に人材プールを見直している」とした上で、「しかし、今年の見直しの最終的な数字はまだ出ていない」と説明した。
ここ数カ月、シティグループやJPモルガン・チェースを含む米大手行はディールメーキングと資本市場活動の世界的な低迷に対応し、人員削減に踏み切っていた。バークレイズは活動の乏しさやディールメーカーの退職・転職に苦しむ投資銀行部門の収益性改善を目指し、長期的な取り組みに着手している。
同行の投資銀行部門が収益性のより高い他の部門よりも多くの資本を消費していることから、投資家からウォール街事業の存続可能性について長く疑問視されてきた。先月、C・S・ベンカタクリシュナン最高経営責任者(CEO)は助言・株式引き受け業務の強化に注力することで同部門の収益性を高める計画を打ち出し、こうした疑念の解消を図った。
この計画の一環として、同社は金融スポンサーやエネルギー企業など、今後数年間で活発化が最も期待される業界に事業を再集中させている。バークレイズは今月、米天然ガス生産最大手EQTがかつての子会社エクイトランス・ミッドストリームを約55億ドル(約8270億円)で買い戻す取引の助言業務を受注した。
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原題:Barclays Readies Hundreds of Job Cuts in Investment Bank (2)、Barclays Preparing to Cut Hundreds of Jobs in Investment Bank(抜粋)
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最終更新:3/21(木) 10:37
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