「決まったことをやるのは得意です」サラリーマンマインドが起業に活きる最大の理由
「起業にはサラリーマンマインドを捨てろ」。そんな定説を聞いたことがあるかもしれません。しかし、それは本当に正しいのでしょうか? むしろ、サラリーマンとして培った習慣や思考が、起業を成功に導く最大の武器になることもあります。
本記事では、新井一氏の新著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』から一部抜粋・編集の上、「サラリーマンマインド」が起業に活きる最大の理由を解説します。
■最初の一歩から先はサラリーマンが有利
日々、上司からの評価を気にしながら、あるいは、管理職として部下を見ながらお仕事を頑張っているためでしょうか、とにかく、ノーミス思考で起業準備をしようとしている人が多くいらっしゃいます。
これが、起業準備初期の最大の壁の1つである“サラリーマンマインド”です。
そんな人たちの口癖は、「これで進めて良いですか? (第三者の承認を得ようとする)」、「これで合っていますか? (人が決めた正解を知りたがる)」、「もうちょっと勉強してから(失敗したくない)」というものです。慎重であり、現状維持は期待できそうな仕事の進め方ですが、残念ながら、ここから新しいイノベーションは生まれないでしょう。
申し上げるまでもないことですが、起業アイデアに正解はありません。何から何まで、もちろん備えはできますが、許可を得たところで事業主である自分の自己責任ですし、合っているかどうかを知っている人はいません。そして、ビジネスはいくら勉強したところで、ほとんどが「やってみなければわからないこと」ばかりです。
私の感覚的には、100点満点中20点で大丈夫です。お金をかけない起業は、「このアイデアなら20点くらいは取れるでしょ!」と思えたら迷うことなく、「GO!」です。いいじゃないですか、大した損はしないのですから。何もしないで考えているより、よっぽど刺激的で楽しいはずです。やりながら修正して、正解を探しましょう。自分で決められる自由、経営者になったつもりで意思決定を楽しんでください!
実は、最初の一歩をクリアしてしまえば、ここから先は現役会社員のほうが有利なのです。サラリーマンマインドの優れた部分を存分に使いましょう。許可を得てしまえば、指示さえ受けてしまえば、正確にきちんとした仕事ができるのが日本のサラリーマンです。長い期間コツコツと続けていく、理不尽なことがあっても歯を食いしばり働く、決まった時間に決まった場所に行き、黙々と仕事をすることができるのです。これはすごいことです。
でも、0→1の意思決定がちょっと苦手。そして、「経営責任を負う」という経験をしたことがないだけで、それ以外は、その辺の経営者なんかよりも遥かに優秀な人が多い。日頃使っている習慣、耐性、能力を活かすことで飛躍できる可能性が大いにあるのです。私はそんな人をたくさん見てきました。
“起業”と言ったって、やることさえ決まれば、やると決めたなら、その後は会社員と同じ実務の連続です。今は、「やっておいて」と指示を出せる相手はいないのですから、自分でやるしかないのです。途中でガス欠を起こさないように、楽しみながら、適度に休みながら、明日も続けていくだけです。
■最初の一歩で「20点」を取るために必要なこと
ではここで、何をクリアすれば20点を取れるのかについてお話しします。もし、起業アイデアがまったく出ていないという場合、前回の記事「『副業で稼ぎたい』人が最も陥りがちな初動ミス」に戻り、再度ここまで読み込んでください。
アイデアの仮決めまでできた方は、以下の3つについて確認しましょう。
・個人事業、一人社長レベルの同業者がいる
・自分一人でできる
・お客様一人でスタートできる
今は、この3つがクリアできていれば大丈夫です。進めていきましょう。うまくいく保証がなくても、誰からも承認してもらえず自信がなくても、お金をかけすぎなければ後から修正することができますので、心配いりません。
たとえば、初動はこんなことになるかもしれません。
・少量だけ仕入れてみる
・スキルシェアサイトに登録してみる
・PPTスライドを作ってみる
・日程を決めてセミナー会場を確保してみる
どんなビジネスをするのかによって異なりますが、「20点」でいいと腹が括れたら、迷わずスタートです。ここで改めて、「やっぱり自分で動くのは不安だ」、「最初に何をしたら良いのかさっぱりわからない」と感じている方は、フランチャイズや民間資格などのパッケージ購入型の起業を検討してみましょう。あなたに向いているか、成功できるかどうかは別として、すべてが整っているのなら、お金さえ払えば前に進めることができます。
■間違っても手を出してはいけないビジネス
ただし、間違っても、妙なネットワークビジネスや、高確率で儲かると謳う投資や転売ビジネスなどには手を出さないでください。考え込みすぎて疲れていたり、自信がなくて誰かに頼りたい気持ちになっている時には、甘い話に誘われやすくなっていますので、注意が必要です。
事実、少し前は20代の若者、今は定年前後の中高年や高齢者を狙った詐欺まがいのビジネスが横行しています。最近では、世直し系YouTuberと呼ばれる人たちが、勧誘が行われている現場に突撃する類の動画がたくさんアップされています。その手法や権利問題には賛否両論あり、世の中を騒がせていますが、情報に触れておくだけでも身を守る意識が持てることを考えると、注意喚起としては、案外貴重な情報だったりします。YouTube で「投資+詐欺」と検索し、動画をチェックしておくことをおすすめします。
東洋経済オンライン
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最終更新:3/14(金) 9:02