AIラリーはエヌビディア以外に拡大、ハードウエアが次の熱狂銘柄か

3/28 1:10 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 人工知能(AI)向け半導体のエヌビディアのような唯一無二の魅力に欠けるかもしれないが、AIコンピューティングのインフラを提供するハードウエア企業が次の熱狂銘柄になりつつある。

マイクロン・テクノロジーやスーパー・マイクロ・コンピューター、デル・テクノロジーズなどはその実績が証明され、次の決算シーズンを前に期待が高まっている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)では構成銘柄の半数近くが今年すでに10%余り急伸しており、株価売上高倍率(PSR)を少なくとも過去20年間で最高の水準に押し上げている。

シルバント・キャピタル・マネジメントのマイケル・サンソテラ最高投資責任者(CIO)は、AIを「本当に収益化しているのは誰なのかを見極めることが肝要だ」と語った。

エヌビディアはAI関連処理を強化するプロセッサー市場において唯一の存在であり、その目を見張るようなリターン再現の可能性がある銘柄を投資家は探し求めている。

しかし、メモリーチップやサーバー、ネットワーク部品など、他にも多くの要素が関わっている。半導体そのものを製造するための装置は言うまでもない。

ザックス・インベストメント・マネジメントのクライアント・ポートフォリオ・マネジャー、ブライアン・マルベリー氏は「競争は激化している。このセクターの熱狂とエネルギーにアクセスする方法は他にもある」と指摘した。

マイクロン株はここ1カ月で約30%上昇し、エヌビディアの17%高を上回っている。マイクロンはAIソフトウエア需要の強さを示す力強い売上高見通しを発表して以来、絶好調だ。

デルの株価は3月初旬に過去最高値を更新した。AI関連業務に使用される情報技術機器の需要が、ウォール街の予想を上回る売り上げと利益をもたらしたためだ。

S&P500種株価指数に今月採用されたサーバーメーカーのスーパー・マイクロは、月初来で18%上昇している。5月2日に決算を発表する同社の株価が上昇を続けるには、四半期の増収率が200%余りという期待に応えなければならないだろう。

しかし、上昇の裾野が拡大する一方で、ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)など一部の半導体メーカーはまだエヌビディアに遅れを取っており、さらなる圧力にさらされている。ブロードコムは業績が失望を誘い、株価は3月に低迷。AMDが1月に示した売上高見通しは予想を下回った。中国が政府コンピューターでAMDの半導体使用を制限する新たな指針を採用したとの報道も、株価を圧迫している。

AMD、売上高見通しが予想下回る-AIチップ上方修正目立たず (1)

エヌビディアに寄せられる期待は依然極めて高く、一部の強気派にとっては、AIの波を率いる次の覇者を見極める時がきているのかもしれない。

マルベリー氏は「エヌビディアがもっと上がると信じ続ける理由はいくらでもあるが、ここからまた100%のリターンを得ることはないだろう」と指摘。「投資家は3年先を見据えた方が、良いリターンを得られるかもしれない」と述べた。

原題:AI Rally Expands Beyond Nvidia as Investors Bid Up Hardware(抜粋)

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最終更新:3/28(木) 1:10

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