ビットコイン、9万3000ドルを割り込む──「局所的な底が近い」とアナリスト

11/18 10:15 配信

CoinDesk Japan

ビットコイン(BTC)は17日に6カ月ぶりの安値を更新し、暗号資産(仮想通貨)市場のセンチメント悪化が続く中、数週間にわたる下落が継続した。


ビットコインは夜間の安値からわずかに反発した後、お馴染みのパターンで米国取引時間中に再び下落に転じ、9万2500ドルまで下落し、過去24時間で2.4%、過去1週間で約13%の下落となった。時価総額で世界最大の暗号資産であるビットコインは、2025年の上昇分を帳消しにし、1カ月余り前の史上最高値から27%下落した。イーサリアム(ETH)は3000ドルを上回って推移し、過去24時間で2%、過去1週間で15%下落した。


弱気なセンチメントは暗号資産関連株にも波及し、コインベース(Coinbase)、サークル(Circle)、ジェミナイ(Gemini)、ギャラクシー(Galaxy)は約7%下落。デジタル資産トレジャリー関連企業も下落を続け、世界最大のビットコイン保有企業であるストラテジー(Strategy)は4%下落し、2024年10月以来の安値を付け、イーサリアムトレジャリー企業のビットマイン(BitMine)とイーサジラ(ETHZilla)はそれぞれ8%と14%下落。ソラナ関連企業のウペクシー(Upexi)とソラナ・カンパニー(Solana Company)は、それぞれ10%と7%下落した。


ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)とAI(人工知能)インフラ関連のビットコインマイナーは、数週間にわたる下落の後、比較的良好な結果を示した。ハイブ・デジタル(Hive Digital)は、HPC事業を運営する子会社がデル・テクノロジーズ(Dell Technologies)とAIクラウド分野で提携を結んだとの報道を受け、10%急騰。アイレン(IREN)とハット8(Hut 8)も小幅な上昇を記録した。

FRBの利下げ可能性の低下

政府機関閉鎖の影響で、ここ数週間、公式経済統計がほとんど発表されておらず、通常はあまり注目されていない指標の重要性が高まっている。


その一例が、17日朝に発表されたニューヨーク連銀のエンパイアステート製造業指数だ。この指数は予想外に8ポイント上昇して18.7となり、アナリスト予想の6への低下を大きく上回った。この上昇は、米連邦準備制度理事会(FRB)の12月の次回会合で、市場がこれまで予想していた利下げではなく、金利を据え置くという見方をさらに強める可能性が高い。


ポリマーケット(Polymarket)のトレーダーは現在、12月の会合でフェデラルファンド金利が据え置かれる確率を55%と見積もっているが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のFedWatchツールは、据え置きの確率をやや高めの約60%としている。


米CoinDeskのシニアアナリスト、ジェームズ・ヴァン・ストラテン(James Van Straten)氏は、テクニカル面の逆風も指摘。CMEのビットコイン先物は16日に9万3840ドルで取引を開始したが、4月の9万1970ドルとのギャップはまだ埋まっていない。ビットコインはこうしたギャップを再訪することがよくあるため、この水準は短期的な下落圧力を引き起こす可能性があると、同氏は指摘した。

局所的な底値に近づいている

一方、ビットフィネックス(Bitfinex)のアナリストらは、実現損失のペースが安定し始めており、ビットコインが少なくとも反発に向けた局所的な底値に近づいている可能性を示唆していると指摘した。


「過去の複数のサイクルを振り返ると、持続的な底値は短期保有者が投げ売りした後にしか形成されず、その前ではない」とアナリストらはCoinDeskに共有されたメモの中で述べた。「市場は再びその閾値に近づいているようで、目先の回復力は、この投げ売り局面で残存する売り圧力が枯渇するかどうかにかかっている」。


アナリストらは、今回の下落は2023年以降で3番目に大きく、米国ビットコイン現物ETF(上場投資信託)のローンチ以降では2番目に大きいと付け加え、局所的な底値が「比較的早く」形成される可能性があると主張した。


|翻訳・編集:廣瀬優香|画像:11月17日のビットコイン価格(CoinDesk)|原文:Bitcoin Slips Below $93K as Crypto Weakness Worsens, but Local Bottom Could Be Near, Analysts Say

CoinDesk Japan 編集部

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最終更新:11/18(火) 10:15

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