ペイペイのポイント生活に走った「激震」
(文 鈴木 貴博) ポイント大好きな日本人にとっては想定外の激震が起きるかもしれません。
ポイント経済圏の業界序列が変わるかもしれないのです。
日本最大と言われるのが「楽天ポイント」経済圏で、「もっとも活用するポイント」という切り口で調査をすると、日本人の3分の1が楽天経済圏に囲い込まれているようです。
一方で「キャッシュレスでの利用頻度」で調査をすると、「ペイペイ」経済圏が強みを発揮します。直近の調査では、すべてのキャッシュレス決済の中でペイペイは楽天カードを抜いてトップになりました。
ちなみに「SUICA」などの交通系カードは、キャッシュレスでは3位です。
そのどちらにも所属していないけれど一定の存在感があるのが、NTTドコモの「dポイント」。スマホの加入者数でドコモが最強だということを背景に、ちゃっかりと利用者を確保しています。直近ではアマゾンとポイントを共通化するなど、経済圏を拡大しようと動いています。
これらの動きの中で、一年前には「おそらく先細りで消え去ってしまうかもしれない」と思われていたのが、「Tポイント」でした。ヤフーとの提携を解消され、もっとも活用するポイントではPontaにも抜かれ、5位に転落したそのTポイントが今、拡大を始めています。
それが、三井住友グループの新しい経済圏です。
「三井住友Vポイント」×「新NISA」のインパクト
Tポイントは4月22日から三井住友カードのVポイントと統合し、新たに青と黄色の「Vポイント」が誕生します。その新たな経済圏で行われているのが、SMBCグループにおけるVポイントの大盤振る舞いサービスです。
実はわたしも思わぬかたちで、このVポイントの経済圏に巻き込まれてしまいました。
わたし個人はペイペイ経済圏で生活をしています。一方でメガバンクとの取り引きは、三菱UFJグループが中心です。これまで三井住友銀行を中心とするSMBCグループとはほとんど関係ない生活を送ってきました。
そのわたしがSMBC経済圏に取り込まれ始めました。これがまた競争戦略として非常にうまくできている仕組みなので、今回の記事で詳細を解説してみたいと思います。
この新しい経済圏に巻き込まれたきっかけは実は新NISAでした。
老後資産を作るためには必須なことから、今年に入ってから日本全体で新NISAが大ブームです。わたしもSBI証券で積立枠を利用して、毎月10万円を新NISAで積み立てる設定をしています。
さてSBI証券にログインするたびに表示されるのが、「三井住友カードに入らないか」という勧誘広告です。わたしはクレジットカードをたくさん持っているので、いまさら新しいカードなど必要ないと思っていたのですが、新NISAだと話が違ってきます。
というのも、この三井住友カードだけはSBI証券の新NISAの積立でポイントが貯まるのです。それも投資するたびに1%です。毎月10万円を積み立てると、1000円分のポイントが貯まります。
このサービスを受けるために、三井住友のゴールドカードを新規取得しました。
「7%還元」のポイント生活
ちなみに、このゴールドカードがまた仕組みとして非常にうまくできています。年会費が5500円かかるのですが、今のところは一年間で100万円利用するとこの年会費が永年無料になるのです。
一般カードはもともと年会費無料ですが、積立でのポイント還元率は0.5%です。一年間メインカードとして使えば年会費無料になるから、多くの利用者にとって還元率1%のゴールドを選んだほうがいいという判断になるのです。
さて、実はこの次のステップの話は三井住友のゴールドカードを選んでも、一般カードを選んでも同じなのですが、カードが届いてそれをスマホに格納すれば、セブンイレブンとローソンで利用するたびにVポイントが7%も還元されるようになります。
それだけではありません。Vポイントには、さらに還元率をアップさせる方法が存在するのです。
その裏技については、後編記事「「新・Vポイント」の破壊力がヤバすぎる…! セブンにローソン、マックにサイゼ、ドトールでも「7%還元」の衝撃」でじっくりお伝えしていきましょう。
マネー現代
最終更新:4/23(火) 11:17
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