話し下手でも今日からできる「おもしろい話し方」 どんなに頑張っても「ウケない」人の最後の秘策

5/11 15:02 配信

東洋経済オンライン

「うっ、あの、えっと……」。実は僕自身、このように初対面の人とはうまく話せず、会議に出ては何も爪あとを残せない、トホホな迷い人でした──と語るのは、『「おもしろい!」と思われる話し方のコツ』の著者で、一流放送作家の野呂エイシロウ氏。
 
しかし野呂氏は、「そのぶん誰よりもお笑いを鑑賞し、落語家さんの噺を耳の穴がもう1つできるのではというくらい聞いて」、あるコツに気づいたのだとか。そのエッセンスを明かしてもらいました。

■「パクリ」をどんどん活用する

 (素人がお笑い芸人の真似をしたって、芸人さんほどウケないし寒いよね)

 そう思う人もいるでしょう。僕も昔はそう思っていました。

 しかし、身なりをきちんとして印象をよくしてもうまくいかない人は、ウケることを追求した「漫才やコントのお笑いネタをたくさん見る」のがおすすめです。

 なぜなら、お笑いにはパクれるヒントがいっぱいあるからです。

 「パクリなんて、インチキなことはできない!」という人もいるかもしれませんが、パクリは日本古来の武道や茶道などを学ぶ際の鉄則である「守破離」の精神に通じているのをご存知でしょうか。

 守破離とは、修業における3つの段階を意味する言葉です。

 「守」は、自分の師匠の教えを忠実に守って身に付ける段階。

 「破」は、自分の師匠の教えの殻を破り、別の師匠の教えのよい点をとり入れて技を磨く段階。

 「離」は、1つの流派から離れて独立し、独自の流儀を確立させる段階です。

 つまり、初心者はまず完成度の高い人のスタイルのパクリから入り、成長するにつれて他の人たちからもいろいろパクリつつ、最終的には独自のスタイルを作ることで、道を極められるということです。

 ゴルフの腕を磨くときは、プロゴルファーのフォームを真似るのが早道。

 料理の腕を磨くときは、プロ料理人のテクニックやレシピを真似るのが早道。

 たとえば、あの大谷翔平選手は、松井秀喜選手に憧れ、少年時代は練習に励んでいます。

 1990年代に大ヒットしたドラマ『古畑任三郎』(フジテレビ系)は、三谷幸喜さんが1970~80年代に大ヒットしたアメリカのドラマ『刑事コロンボ』(NHKほか)の大ファンだったことから、その設定やストーリーをオマージュ的に踏襲した箇所が多いことで知られています。

 ウケる技を磨くときも、「ウケてなんぼ」のお笑いのプロたちの芸を真似るのが早道なのです。

■お笑いを学ぶならこのTOP3

 お笑いから学ぶのにおすすめのTOP3は、「サンドウィッチマン」「ナイツ」「パンクブーブー」のコントです。

 いずれも日常的なあるある話をテーマにしながら、微妙に話をずらして万人にウケるおもしろさにつなげていく展開が絶妙です。

 彼らの鉄板ネタをヒントに、まったく別のシチュエーションにして転用すれば、ウケる可能性大です。

 「これ、○○○のコントで観たんだけどね」というお笑いネタの引用は、おもしろ動画のシェア同様、自分でおもしろいことをしなくても、「おもしろい人」認定されるので、自らおどけるのが苦手な人におすすめです。

 YouTubeで検索すれば、彼らのお笑いネタをいろいろ視聴できます。ぜひチェックしてみてください。

■興味がない分野の記事もチェック

 ウケる話ができる人は、お笑いのほかにもいろいろな情報に精通しています。政治の話でも、スポーツの話でも、エンタメの話でも、健康の話でも、一通りの情報をザックリでも把握。どんな球でも打ち返す準備ができています。

 「自分は毎日スマホでラインニュースやヤフーニュースを見ていろいろな情報をチェックしているから、世の中の出来事はだいたい把握しているつもり」と思っているかもしれませんが、そこに大きな落とし穴があるのです。

 なぜなら、ネットではトップニュースに挙がっているものをはじめ、自分が興味のある記事しかクリックしませんよね? 

 世の中のことを広く見ているつもりでいても、実は自分の好みでピックアップした狭い範囲のものしか見ていないのです。

 他の人も自分の見ている世界と同じ世界を見ていると思うのはとんでもない勘違いで、自分が「青」だと思って見ている世界が、他の人には「赤」に見えたり、「黒」に見えたりしているのです。

 もっと客観的に世の中を見るには、自分が恣意的に選ぶ記事だけでなく、新聞や雑誌など、第三者が編集したメディアを片っ端から読む習慣をつけましょう。

 ネットなら目当ての記事にピンポイントでアクセスできますが、新聞や雑誌を開けば、読みたい記事もある一方、それほど興味のない記事も視界に入ってきます。

 そうした記事にも目を向けて読んでみると、自分の好きな記事だけを選んで読んでいるときより、視野がぐっと広がります。

 また、通常は男性が『たまごクラブ』や『ひよこクラブ』(ベネッセコーポレーション)を読んだり、女性が『週刊プレイボーイ』(集英社)を読むことはほとんどありませんが、だからこそ「少し知っている」だけでかなり珍しがられます。

 「○○さんは、テニスとかやりますか?」

 「私はテニスのこと全然知らないんです……」

 こんなふうに雑談が尻つぼみになったことはありませんか? 

 せっかくテニス好きな人が、打ち合わせの前に雑談で話題を振ってくれても、会話がプツンと終わってしまいますよね。

 そのあとに本題の仕事の話になっても、相手とあまり打ち解けられません。

■聞きかじりの情報こそ役に立つ

 でも、普段から雑誌で少しでも情報を仕入れておくと、違ってきます。

 「テニスのことはあまり詳しくはないんですが、最近、ヨネックスから出た新しいラケットが売れているって記事を見ました。なんか変わった形ですよね?」

 と、相手の話に乗っかると、「そうそう、あのラケットはすごくてね!」と、会話が弾むし、何かに詳しい人から話を聞けば、それも有益な情報になります。

 実際、僕は『たまごクラブ』の話題にもついていけますし、あまり興味のないワインやゴルフのトピックスなども、詳しくはないけれど知っています。

 何でもかんでも知ったかぶりをして博識ぶる必要はありませんが、聞きかじりの知識でもあれば、相手から飛んできた球に、何かしらの返しができます。

 どんな話題であっても、会話のラリーを続けられると、相手に「この人は話題豊富で楽しいな」と思われます。

 書店で毎月毎週すべての雑誌を買うのは大変ですが、『dマガジン』なら、毎月580円で、数えきれないほどの雑誌を濫読できるのでおすすめです。

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最終更新:5/11(土) 15:02

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