米ボルティモア橋崩落、海上保険史上有数の損害-ロイズ保険組合

3/28 22:59 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 26日に米メリーランド州ボルティモアの大型連絡橋が崩落した事故の保険金支払いは、海上保険史上有数の規模になる可能性があると、英ロイズ保険組合のジョン・ニール最高経営責任者(CEO)が語った。

ニール氏は28日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「歴史的に最大級の海上損害となる恐れがある」と発言。「数十億ドル規模の損失だ。自分はそうなると考えているが、どうなるか断定するのはやや時期尚早だと思う」と述べた。

シンガポール戦績のコンテナ船「ダリ号」がボルティモアの「フランシス・スコット・キー・ブリッジ」に衝突し、橋は崩落。自動車数台が水中に落下し、米東海岸で最も重要な港の一つが大混乱に陥りそうな様相だ。バークレイズのアナリストは27日のリポートで、この事故に絡む保険金請求額は最大30億ドル(約4540億円)に上る可能性があると試算した。

米ボルティモア橋崩落、保険金請求は最大30億ドルも-バークレイズ

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、チャールズ・グラハム、ケビン・ライアン両氏は事故当日のリポートで、「保険金を誰が支払うかは、事故原因が怠慢なのか機械的な不具合なのかによって決まる」と指摘。「複数の関係者が絡むだけに、支払いの確定作業は複雑なものになるだろう」との見解を示した。

ニール氏もまた、「この事故に関係する保険業者は極めて複雑に入り組んでいる」と説明。ただ、この種の損失発生は毎年想定されており、金銭的に「管理可能」だろうと見込まれると付け加えた。

ブルームバーグ・ラジオとの別のインタビューで同氏は、ロイズ保険組合の保険業者もこの損失補償に関わっているが、リスクは複数の会社に分散されていると述べた。

「極めて多数の異なる保険業者がさまざまな段階で関与している。いま話題になっている問題に対処する財務力はある」としつつ、損害の算定ではサプライチェーンの問題が難しくなり得るとの見方を示した。

原題:Lloyd’s of London Sees Baltimore Bridge Claims in Billions (1)(抜粋)

--取材協力:Alaric Nightingale、Anna Edwards、Kriti Gupta、Tom Mackenzie.

(c)2024 Bloomberg L.P.

Bloomberg

関連ニュース

最終更新:3/28(木) 22:59

Bloomberg

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング