「続かない」人が「続ける」体質になる簡単な方法 「1日5分」をコツコツ続ければ毎日が変わる

5/3 16:02 配信

東洋経済オンライン

年間で多い時は200冊以上のデザインを手掛けるというデザイナーの井上新八さん。
フリーランスでアシスタントもおらず、複数の案件が同時進行、毎日膨大な作業が発生する中で、かつては気がついたら仕事だけで1日が終わるような生活を続けていた、と言います。
しかし今では多忙な日々でも読書や映画、ゲームや運動など自分がやりたいことにもしっかり時間を確保。
それが可能になったのは、「やりたいこと」と「やるべきこと」を無理なくすべてやりきるための「仕組み」を作ったから。その「仕組み」でポイントとなるのは、無意識でやってしまうぐらいの「習慣化」だったそう。

本記事では、井上さんの著書『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる!  続ける思考』より一部を抜粋・再編集し、日々の生活に取り入れやすい、「続ける体質」になるためのアイデアをご紹介します。

■まず小さなことを意識する

 朝起きたら何かひとつ意識的にやる。

 これは「続ける体質」をつくるうえでものすごく効果がある。

 朝起きたら、ひとつだけ小さなことを意識的にやる。起きたら水を一杯飲む。そんなことでもいい。

 実はもうすでに当たり前にやっていることでもいい。朝起きたら、「最初の一歩を右足から踏み出す」というようなことでもいい。

 何が大事かというと、小さなことを「意識的にやる」ということ。

 何かを「やる」ことに意識を向けるだけでいい。

 よし、今日も水を飲むことで1日がはじまった。

 よし、今日も右足から1日がはじまった。

 実はこれを意識するだけで、小さな継続がはじまっている。

 なんでもなかったことが、「続ける」観点で見てみると、「今日も続いた」に変換される。

 「続けるのが苦手」なんて思い込みだ。すでにみんな、もう何かを続けている。「続ける」を楽しむのは、こういう小さな発見を楽しむことでもある。

 一度それを意識したら、明日もそれを意識してみる。まずは、朝の一歩目から、そこからはじめてみる。

 まずはふだん自然にやっていることを「意識する」だけでいい。

 小さなことをはじめてみる次の一歩は、何かひとつ小さなことをやってみること。なんでもいいから小さなことをはじめる。

 わたしが毎日続けているもので、「これはすごく簡単でいいな」と思っている習慣がある。

 それは、「朝起きたら外に出て朝の空の写真をスマホで撮る」というもの。時間にして10秒ほど。

 はじめたきっかけはたまたま元日に「初日の出」を家のベランダから撮ったこと。

 「太陽の動きってどのくらい変わるんだろう」とふと気になり、それからしばらく朝日の写真を撮影し続けていたら、いつのまにかそれが習慣になった。

 簡単なことだからずっと続いている。

 あとで知ったのだけど、起きて外の空気を浴びるのは体にもすごくいいらしい。アーユルヴェーダ的にもすごくいい効果があるらしい。

 朝起きてすぐ外に出て、空気を吸って、写真を撮る。これだけで意外に朝が気分よくはじまる。

■「きちんとやる」より「小さく続ける」

 たとえば明日から毎日読書をしようとする。

 これを具体的に小さく考える。「毎日10ページ読むぞ!」これなら小さい。けれどそれでも気が重く感じる……かもしれない。

 それなら毎朝、「本を手に取ってページを開くだけはやる!」。

 これなら1秒で終わる。このくらい小さく刻んでもいい。

 とにかく意識だけでも向けられるように無理のないところまで小さくする。

 本を手に取ってページを開くだけ。本当にこれだけでいい。

 そのために見えるところに本を置く。「本を手に取ろう」という意識がそこに働く。もうこれで十分。これをバカにしないでひと月続けてみる。

 たぶん手に取るついでに数ページは読んでいるはず。むしろ読まなければそれはそれであり!  毎日同じ本を手に取って1年読まなかったら、それはそれですごいことだ。

 本を読んでいると、「こういうことやってみたい」って思うようなことが書いてある。

 先日、『血管を強くする 循環系ストレッチ』(中野ジェームズ修一 著、田畑尚吾 監修、サンマーク出版)という本を読んだ。1日10分でできる効果的なストレッチが紹介されていた。

 たしかに1日10分はできそうな長さである。でも、「毎日10分……果たしてそんなに続くかな?」とも思う。数日はやるかもしれないけど、そんなに長くは続かないような気がする。

 毎日続けることを考えたら、10分はちょっと長い。こういう場合は、「続けられるサイズ」にして取り入れることにしている。

 だから30秒だけやってみることにする。最初から全部きっちりやろうと思わない。その一部だけをお試しでやってみる。10分のうち30秒だけやってみる。

 それがずっと続いて効果がわかってきたら、1分に引き延ばしたり、やり方を変えたりしていく。きちんとやって続けられないより、お試しでも長く続けられるほうを選ぶ。

■一部だけマネすればいい

 本を読んだら、「続けられそうな」ことを一部だけマネして続けてみる。

 『仕事がはかどる 禅習慣』(枡野俊明 著、マガジンハウス)という本に、1日のはじまりに仏壇など、決まった場所に手を合わせて感謝の言葉を口にする朝の習慣が紹介されていた。

 簡単そうだし、マネしてみようと思った。仏壇はないけど決まったところに手を合わせることはできるので、ベランダから神社のある方角を向いて手を合わせることにした。

 だけど、「感謝の言葉」を口にするのがちょっと恥ずかしくて抵抗があった。そんなの続けられるかなと思ったので、「同じ方向に手を合わせる」といういちばん簡単なアクションだけを取り入れてマネしてみた。

 最初は手を合わせるだけだったんだけど、2年続けたら自然に声に出して感謝するようになっていた。

 続けていくうちに自然にそうなった。

 「きちんとやる」より、小さく「続ける」ことで自然に変化していった。最初からきちんとやろうとすると長続きしない。

 まずは小さく自分サイズに変換して、続けていくうちに形を整えていく。だからまずは「続くほう」を選ぶ。

■1日5分で人生に革命を起こす

 小さなことに意識を向けることに慣れたら、少しだけ拡大してみる。だいたい5分で終わりそうなことで考える。

 「たった5分?」と思うかもしれない。でも5分は決して短くない。

 試しに5分集中して何かをやってみるといい。5分身体を動かすと、けっこうな運動ができる。

 本ならじっくり読んでも10ページ以上は読める。集中した5分は決して短くない。

 たとえば毎日5分踊る。ダンスを「1日5分」毎日練習したら、それを365日、1日も休まずに1年続けてみたら、無理だと思っていたフリを覚えられるかもしれない。 

 たとえば毎日5分長編小説を読んだら。「時間がなくて読めない」と思っていた本を数カ月後に読み終わっているかもしれない。

 実際、わたしはそうやってダンスも長編小説を読むことも、「時間がないから無理だな」と思うことを1日5分続けることでやり遂げている。

 「1日5分だけ」は、「無理かも」を「やれる」に変える魔法の考え方だ。とにかく「できるサイズに小さく」してみる。そして細切れにして小さく毎日続ける。

 日々の実感として大きな変化はないかもしれないけど、毎日5分を休まずに1年続けてみたら、世界が変わっているのを実感できるはずだ。小さくても確実に変化は起きている。

 毎日5分だけやることで、「やれない」は「やれる」に変わる。これは小さな毎日の行動革命だ。まずは大きな山を「小さな5分」に変換して考えよう。

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最終更新:5/3(金) 16:02

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