1日2本のバナナが「春バテ対策」に有効なワケ 寒暖差が7℃以上あると、自律神経が乱れる

3/12 16:02 配信

東洋経済オンライン

冬は三寒四温と言われ、気温の変動が激しい季節ですが、今年も寒暖差が20℃を超える地域も出てくるなど、激しく変動している。気温差が厳しくなると心配になってくるのが、自律神経の乱れからくるだるさや疲労感、頭痛、肩こり、めまい、情緒が不安定になるなどを引き起こす通称「春バテ」。そこで、今回は自律神経研究の第一人者小林弘幸氏の著書『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』から一部抜粋・再編集して、春バテ対策にうってつけの方法をお届けする。

■朝食は自律神経のスイッチ

 よく寒暖差が7℃以上あると、自律神経が過剰に働き、自律神経が乱れやすくなると言われています。寒暖差の激しい春に自律神経が乱れることによって、だるさや疲労、頭痛、肩こり、めまい、情緒が不安定になるといったことが引き起こされ、それを最近では「春バテ」などと呼ぶようになりました。

 自律神経が乱れると、前述した症状以外にも免疫力の低下や太りやすい体質になるなど、健康に悪影響を与える体質変化が起きる可能性が高まるので、自律神経を整える生活習慣を送ることがとても大切になってきます。

 まず、朝食を抜かないことがとても大切になります。朝は、自律神経が副交感神経から交感神経へと切り替わるタイミングです。自律神経は、内臓の働きなど人間の生体にかかわる活動をコントロールしている神経で、腸のぜん動運動も自律神経によってコントロールされています。

 起床すると、副交感神経から交感神経へと徐々に切り替わっていきますが、腸の働きは自律神経と関係しているために、この切り替えがうまくいかないと、腸もうまく働くことができません。

■体内時計の乱れが及ぼす影響

 それをスムーズに移行させるポイントが、朝食です。朝食をとることで、自律神経がおやすみモードから活動モードへとスイッチが切り替わり、体のリズムが整います。

 さらに食べ物が胃に入ることで腸のぜん動運動も活発になり、自然な排便が促されるのです。 

 また、朝は体内時計を調整するチャンスでもあります。人間の体には、1日の時間の流れに合わせて、新陳代謝やホルモン分泌などを行っていくために、「体内時計」の機能が備わっています。

 例えば朝に目が覚めて、夜になると眠くなるのは、この機能がしっかりと働いているからです。これがしっかり機能しないと、自律神経に乱れが生じ、腸の働きも停滞してしまうことになります。

 しかし、体内時計は、ぴったり24時間ではなく、少しずれているので、朝に調整する必要があります。

 この体内時計の調整をしてくれるのが、朝日を浴びることと朝食です。

 自律神経が乱れてやせにくい体にならないためには、朝食は非常に大切だといえるでしょう。

 また、体内時計を調整するという観点からいうと、毎日同じ時間に朝食をとることを心がけるとよいでしょう。

 朝食をとることによるメリットは、自律神経や腸が整うことだけではありません。国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院生命農学研究科の小田裕昭准教授らの研究グループが、2022年に「朝食欠食が、体重を増加させてメタボリックシンドロームへつながる可能性を大きくするだけでなく、筋肉を萎縮させてロコモティブシンドロームやサルコペニアの危険性も増大させることを発見した」と発表しました。

 ロコモティブシンドロームとは、筋肉や骨、関節などの障害によって立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下した状態のことをさし、サルコペニアとは、主に加齢により、筋肉が衰えていく状態のことをいいます。

 つまり、筋肉量を減らさないためにも、朝食はとったほうがいいのです。

■おすすめの朝食食材

 では、朝食に何を食べればいいのか。おすすめするのがバナナです。

 自律神経を整えるには、腸内環境を整えることが欠かせません。腸と脳とは、自律神経、内分泌系、免疫系の3つの経路を介して、互いに影響を及ぼしあう関係で、これを「腸脳相関」といいます。

 ストレスで下痢気味になったり、緊張するとトイレに行きたくなったり、おなかが痛くなったりした経験はないでしょうか? 

 これは、ストレスによって自律神経が影響を受け、コントロール機能が乱れ、大腸の働きに異常をきたしたことによって起きる現象です。

 腸の働きには、自律神経が大きくかかわっています。

 「交感神経」が優位なときは、便を排出するための運動であるぜん動運動は停滞し、「副交感神経」が優位なときは、ぜん動運動は活発になるといわれています。

 ぜん動運動がしっかり起こっていると、便などの腸内の不要なものが次々と押し出され、腸内環境にもいい影響がでます。

 そのため、ストレスを受けて交感神経が優位な状況が続くと、便秘しやすくなるといわれています。

 また、逆に腸内環境が悪くなると、脳が不安を感じ、自律神経が乱れやすくなるといわれています。うつ病の人に便秘の人が多いのも、この腸脳相関の関係性からくるものといえるでしょう。

 そして、バナナにはこの腸内環境を整える、善玉菌を元気にするエサとなる水溶性食物繊維、善玉菌が過ごしやすい環境を整えるために必要な不溶性食物繊維が含まれています。そしてなにより、この水溶性と不溶性の食物繊維の両方の特性を合わせもち、ハイパー食物繊維という異名を持つレジスタントスターチが含まれています。

■バナナは1日2本が効果的

 そして、できれば、バナナを2本食べてほしいです。それは、1日2本が腸内環境の改善と自律神経を整えることに役立つことが期待できるからです。

 2022年の1月に、順天堂大学漢方先端臨床医学研究室と小林メディカルクリニック東京の共同チームによる実証実験をしました。

 その結果、バナナを1日2本、2週間食べ続けた成人男女13人のうち、過半数の7人について、腸内の悪玉菌が作り出した「インドール」と呼ばれる腐敗物質が減少し、腸内環境が改善するという効果が確認されました。

 また、うれしいことに、自律神経が活性化する効果も見られました。

 ただ、2本と聞くと、そんなにバナナだけ食べられないという方もいるかもしれません。

 そこで、おすすめしたいのが、「クラッシュバナナ」です。

 バナナ2本と、白みそとレモン汁を大さじ1、口が閉じられるフリーザーパックなどの保存袋に入れ、それをつぶしてください。白みそには、ヨーグルトと同じくらいの乳酸菌が含まれているため、腸内環境を整える効果がありますし、ストレスを軽減してくれるGABAも入っているので、自律神経をより整える効果も期待できます。何より潰してまとめると握りこぶし大くらいの大きさになるので、2本をペロリと食べることができます。

 細かく切ったチーズとナッツを和えたり、ブルーベリーを一緒に潰してみたりと、味変も簡単にできるので、飽きにくいという利点もあります。

■バナナの選び方で効果が変わる

 また、選ぶバナナにもちょっとしたコツがあります。それは、青みがなく全身が黄色のバナナではなく、なるべく茎と先端部分にまだ青み(緑色)が見られるグリーンチップバナナと呼ばれているあまり熟成していないバナナを選ぶことです。

 成熟していくうちに、バナナに含まれるでんぷんが分解されて糖化していくので甘さが増していき、逆に腸内環境を整えるレジスタントスターチの含有量は減っていくといわれています。

 ですから、春バテ対策で自律神経を整える目的であれば、グリーンチップバナナがおすすめになります。

 春先は、年度末や新年度の準備などで忙しくしている方も少なくないのではないでしょうか。朝食にクラッシュバナナが、「春バテ」なんてかかっていられない、そんな皆さまのお役に立てば幸いです。

東洋経済オンライン

関連ニュース

最終更新:3/12(火) 16:02

東洋経済オンライン

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング