中国、売れ残り住宅の買い入れ検討-過剰供給の緩和目指す

5/15 11:46 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 中国は低迷する不動産市場を救済する最も野心的な試みの一つとして、全国の地方政府に数百万戸の売れ残り住宅を買い取らせる案を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

国務院はこの計画について、幾つかの省および政府機関に意見を求めている。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。中国はすでに住宅在庫の解消を図る試験的なプログラムを幾つか実施しているが、今回の計画はより大規模なものとなる。

関係者のうち2人によると、地方政府系の企業は国有銀行が提供する融資を利用して、不良債権を抱えたデベロッパーから売れ残った住宅を大幅な値引きで購入する手助けをするよう求められる。多くの物件はその後、手頃な価格の住宅に転換されるという。

この計画の詳細と実現可能性を巡り当局の議論が続いており、中国指導部が実行に移すと決めた場合、最終的にまとまるまで数カ月を要する可能性があると関係者は説明。住宅都市農村建設省はコメント要請に応じなかった。

中国の不動産危機、大手銀行に波及-不良債権がバランスシート損なう

長期化する不動産危機は世界2位の経済大国である中国にとって最大級の足かせとなっている。実際にこの政策が実行されれば、政府が打ち出す対策に新たな局面が訪れることになる。中国の住宅販売は落ち込み、売れ残りの住宅は8年ぶりの高水準で推移。国民の失業や所得減を悪化させ得るリスクが高まっている。

中国共産党が不動産危機を和らげる新たなアプローチを探ると4月30日に表明したことで、投資家は政府が次にどう動くのかに関し詳細を待っている。党中央政治局は住宅在庫を「消化」する方法を検討していると説明。中国不動産株指数はそれ以来、約14%上昇した。

原題: China Mulls Government Purchases of Unsold Homes to Ease Glut(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:5/15(水) 12:44

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