ECBは景気抑制的な姿勢維持を、利下げ開始後も-ナーゲル氏

4/20 18:58 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行(中銀)総裁は、ユーロ圏では利下げが近づいているが、需要を抑制しインフレ率を目標に戻すには、当面は金利を十分に高く維持しなければならないとの認識を示した。

国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合のためワシントン入りしているナーゲル氏はインタビューに応じ、「景気抑制の度合いをもう少し減らすことはできるかもしれないが、インフレを持続的に抑えるためにはしばらくの間、抑制的であり続けなければならない」と述べた。

米国で物価高が続いていることについては、「インフレというテーマには謙虚なアプローチで臨むべきだと教えてくれている」との見方を示した。

ナーゲル氏によると、欧州のインフレ状況は今のところ、ECBの最新予測にほぼ一致している。

ECBは2025年後半にインフレ率が目標の2%に低下すると見込んでおり、「もしこの予想が今後発表されるデータで確認され続ければ、6月に最初の利下げが実施される可能性が高くなるだろう。だが、データを待って、その上で判断しなければならない」と語った。

その後について議論するのは「全く時期尚早」だとし、「現在の状況は極めて不安定で、大きな不確実性がある」と指摘。中東情勢の緊迫化に触れ、「例えば、原油価格が大幅に上昇した場合、それにどう対処するか、本当に『許容』できるのかどうか、非常に慎重に考えなければならないだろう」と話した。

ナーゲル氏はインフレ率が2%を大幅に下回るとの懸念は持っていない。「今のところ、この先インフレ率がアンダーシュートする大きなリスクはないと思う」とし、それどころか「インフレ率が高過ぎる水準で定着する可能性も否定できない」との考えを示した。

米国の根強いインフレ懸念が米連邦準備制度を利下げに消極的にさせている中で、ナーゲル氏はECBの金融政策は「ユーロ圏向けであり、ユーロ圏にとって必要なことをしなければならない」と説明。

その上で「しかしもちろん、米国の動向は為替レートや世界の金利水準などを通じ、ユーロ圏の状況にも影響を与える。われわれはそれを注視している」と話した。

原題:ECB Needs to Remain Restrictive Even If Cuts Start, Nagel Says(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

Bloomberg

関連ニュース

最終更新:4/20(土) 18:58

Bloomberg

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング