4月の社債発行額が過去最高、金利先高観で投資資金は3年債に流入

4/24 5:30 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 4月の円建て社債の発行額が同月として過去最高を更新した。金利先高観から投資資金は償還期間が比較的短い社債に集まっている。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、国内外の企業による4月の円債発行額は、23日時点で2兆2000億円と前年の同時点と比べて55%増えた。同月としてはデータをさかのぼることができる1999年以降で既に最多となった。

発行総額を押し上げたのは3年債の発行額が115%急増したことだ。デュレーションリスクを負うことなく年度初めに資金を活用したい投資家のニーズが浮き彫りになった。顕著な例は米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの先週の起債だ。発行総額は同社の円債として2019年の初回債に次ぐ大きさとなり、このうちほぼ3分の2に当たる1690億円を3年債が占めた。

SMBC日興証券の小田徳高デット・シンジケート部長は、「長めの年限は今後利上げの可能性があるのでリスクを取りにくい投資家が多い」と話す。発行体も前倒しで発行している可能性があると言う。

日本銀行が3月、世界で最後のマイナス金利政策を廃止した後、一部の発行体にとっての調達コストが上昇する中でも3年債の発行は急増している。市場では、日銀は25、26日に開く金融政策決定会合で現状の金融政策を据え置くとの見方が多い。

最近のいくつかの案件に対する投資家の需要は強い。主幹事によると、ソフトバンクグループが19日に発行条件を決めた3年債は、300億円の発行額に対して約1260億円の最終需要を獲得した。バークシャーは3年債だけで、前回の昨年11月の発行総額を上回る資金を調達した。

為替ヘッジコストがまだ高水準にあることもこの傾向を後押しする。ヘッジコストは5%を超えて推移し、投資家にヘッジ付き外国証券から日本資産への資金シフトを促している。

野村アセットマネジメントの宇治田達哉シニア・ポートフォリオマネジャーは、「国内投資家にとってヘッジ外債対比での円債、円社債の相対妙味が高まっている」と指摘。「新年度に入り、こうした傾向が強まっている」と述べた。

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最終更新:4/24(水) 5:30

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