香港大引：ハンセン０．１％高で反発、決算発表の李寧５．７％上昇

　２０日の香港マーケットは、主要８２銘柄で構成されるハンセン指数が前日比１３．５９ポイント（０．０８％）高の１６５４３．０７ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧Ｈ株指数）が２３．７８ポイント（０．４１％）高の５８０３．９９ポイントと反発した。売買代金は８５３億４２６０万香港ドルと低調が続いている（１９日は９０６億８９４０万香港ドル）。
　中国景気の鈍化懸念がやや薄れる流れ。主要企業が報告した決算では、業績改善を示唆する内容が目立つ。また、中国当局は消費刺激策や産業支援策などで、中国経済を支える方針だ。ただ、上値は限定的。米中対立の警戒感がくすぶっているほか、米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の開催も気がかり材料となった。通貨を米ドルにペッグする香港は、金融政策で米国に追随するため、ＦＯＭＣの内容を見極めたいとするスタンスも強まっている。ＦＯＭＣは２０日（日本時間２１日未明）に終了し、その後、パウエル米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長が会見する予定だ。（亜州リサーチ編集部）
　ハンセン指数の構成銘柄では、スポーツ用品大手の李寧（２３３１／ＨＫ）が５．７％高、新興ＥＶ（電気自動車）メーカーの理想汽車（２０１５／ＨＫ）が４．５％高、コンテナ海運大手の東方海外（３１６／ＨＫ）が３．３％高と上げが目立った。李寧の２０２３年通期決算は２割減益だったが、足元の販売は回復傾向。業績の持ち直しが期待された。そのほか、通信キャリア大手の中国聯通（７６２／ＨＫ）が２．２％高。同社が報告した通期決算は１２％増益で、期末配当の増額が予定されている。
　動画配信やオンラインゲームの銘柄群もしっかり。ビリビリ（９６２６／ＨＫ）が２．７％高、創夢天地科技ＨＤ（１１１９／ＨＫ）が４．３％高、心動（２４００／ＨＫ）が４．０％高、網易（９９９９／ＨＫ）が１．３％高で取引を終えた。
　他の個別株動向では、新興ＥＶメーカーの小鵬汽車（９８６８／ＨＫ）が１．９％高。２３年１０～１２月期決算の赤字縮小が材料視されている。
　半面、香港の不動産セクターはさえない。新鴻基地産発展（１６／ＨＫ）と新世界発展（１７／ＨＫ）がそろって２．０％、九龍倉置業地産投資（１９９７／ＨＫ）が１．７％、恒隆地産（１０１／ＨＫ）が１．４％ずつ下落した。
　一方、本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前日比０．５５％高の３０７９．６９ポイントで取引を終了した。エネルギー株が高い。金融株、運輸株、医薬株、公益株、インフラ関連株なども買われた。半面、酒造・飲料株の一角は安い。建築資材株、電子機器株の一角も売られた。
（編集担当：亜州リサーチ＝サーチナ）