8日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で3日ぶり小反発、中国不動産セクターは安い

4/8 18:00 配信

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週明け8日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比8.93ポイント(0.05%)高の16732.85ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が5.40ポイント(0.09%)高の5868.97ポイントと3日ぶりに小反発した。売買代金は998億7110万香港ドルに拡大している(5日は736億1500万香港ドル)。

買い戻しが優勢となる流れ。米中関係の悪化懸念がひとまず薄らいだことや、中国景気の持ち直しも改めて支えになった。イエレン米財務長官と中国の李強・首相は7日に北京で会談し、イエレン氏は「過去1年の厳しい話し合いを通じ両国関係は改善している」との認識を示し、李強氏は「両国は敵対関係ではなくパートナーであるべき」と述べている。香港の株価対策にも期待感。香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は8日、低迷する証券市場を支援するため、追加の施策を検討していることを明らかにした。ただ、全体としては上値が重い。米長期金利の上昇などが嫌気され、指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が5.4%高、アルミ産業の中国宏橋集団(1378/HK)が4.4%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が4.0%高と上げが目立った。

セクター別では、中国の発電が高い。華能国際電力(902/HK)が11.4%、華電国際電力(1071/HK)が7.1%、龍源電力集団(916/HK)が3.9%、華潤電力HD(836/HK)が3.4%ずつ上昇した。

非鉄・レアアース関連もしっかり。上記した中国宏橋のほか、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が5.7%高、リチウム製品の江西カン鋒リ業(1772/HK)が4.8%高、銅生産で中国最大手の江西銅業(358/HK)が3.2%高と値を上げた。市況高が追い風。先週のロンドン金属取引所(LME)では、中国などの需要回復が期待され、銅先物価格が約1年2カ月ぶりの高値を付けた。そのほか、金相場が連日で史上最高値を更新する中、産金株も物色されている。

他の個別株動向では、海洋油田掘削サービス大手の中海油田服務(2883/HK)が5.7%高と反発した。中東事業の不透明感がやや後退。同社は7日、中東エリアの顧客が掘削リグ4基の操業を停止したことについて、グループの掘削部門に与える影響は比較的小さいとの見方を示した。

半面、中国不動産セクターは安い。世茂集団HD(813/HK)が18.7%、建発国際投資集団(1908/HK)が5.3%、中国奥園集団(3883/HK)が3.8%ずつ下落した。世茂集団については、債務再編計画のとん挫が懸念されている。同社は8日、債権者の中国建設銀行(亜洲)が香港高等法院(高等裁判所)に対し、同社の清算申し立てを行ったことを明らかにした。

一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.72%安の3047.05ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。酒造・食品株、不動産株、医薬株、空運株、インフラ関連株、保険・証券株なども売られた。半面、発電株は高い。産金・貴金属株、銀行株、自動車株、非鉄株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)


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最終更新:4/8(月) 18:04

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