緩和的な金融環境は当面継続、国債買い入れはいずれ減額へ-日銀総裁

4/20 9:03 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日本銀行の植田和男総裁は19日、日銀による国債買い入れは継続されると指摘し、緩和的な金融環境が当面続くとの見通しをあらためて示した。

植田総裁はワシントンのピーターソン国際経済研究所で講演。日銀は将来のどこかの時点で国債買い入れ額を減らすと述べながらも、3月の金融政策決定会合では国債市場への介入を完全にやめるのは「危険」と判断したと説明した。

来週開催される日銀の金融政策決定会合の終了後には、政策決定に加え、展望リポートも公表される。日銀は3月会合で17年ぶりの利上げを決め、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の廃止も決定した。

植田総裁は、日銀が慎重に政策を進めるとしながらも、基調的な物価トレンドが改善すれば、さらに金利を引き上げる公算が大きいと指摘した。

賃上げ

植田総裁は、3月会合で政策修正を決めた背景について、30年ぶりの力強い賃上げが日銀政策の修正に十分となる物価目標達成の確率を高めることに寄与したと説明した。

同総裁は今月初めの一部メディアとのインタビューで、物価トレンドが改善する公算が大きいことを挙げ、今年後半の追加利上げの可能性を示唆した。最近の円安加速が利上げの時期を早める可能性もあると、複数のエコノミストが指摘している。

コアインフレの伸びはこの2年間、日銀が目標とする2%かそれを上回る水準で推移しているが、目標とする物価が持続可能な形で定着するのはまだ先になると、日銀はみている。

植田総裁はこの日、次の政策金利変更のタイミングについて示唆は与えなかった。

ブルームバーグが12-17日にエコノミスト54人を対象に実施した調査によると、回答者の41%が10月会合での追加利上げを予想。1人を除く54人全員が来週の会合での政策据え置きを予想した。

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植田総裁は、日銀の政策修正および最近の為替市場の動きについて、ワシントンでの他の当局者との会話で頻繁に取り上げられた話題だったと指摘した。植田氏は、国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合に出席するためワシントンを訪れた。

鈴木俊一財務相と神田真人財務官は今週、訪問先のワシントンで円安に懸念を表明した。市場関係者の間では、為替介入に向けた下準備と受け止められている。

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原題:BOJ’s Ueda Reiterates Policy to Remain Accommodative for a While(抜粋)

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最終更新:4/20(土) 9:03

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