利回りを17%向上させるビットコインのオプション戦略を提案:10xリサーチ

5/21 7:30 配信

CoinDesk Japan

ビットコイン(BTC)トレーダーは、スポット市場での保有に加えて、「カバード・ストラングル」オプション戦略の採用を検討すべきであると、市場動向の予測で実績を持つ調査会社の10xリサーチ(10x Research)が5月20日に述べた。


「カバード・ストラングル」戦略は、原資産をスポット市場で保有すると同時に、原資産の市場レートを上回る水準(オプション用語ではストライクと呼ばれる)でアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のコール・オプションを売り、原資産のスポット市場価格を下回るストライクでOTMのプットを売るというものだ。


コール・オプションの売り(ショート)、すなわち価格の上昇からの保護、そしてプットの売り、すなわち下降トレンドに対する保険として受け取るプレミアムが追加利回りに相当する。


10xは、スポット市場で暗号資産を保有しながら、BTCの現在の市場価格より50%高い10万ドルの権利行使価格のコールと5万ドルの権利行使価格のプットを売ることを提案している。


「私のお気に入りは、ビットコイン・スポットを買い、10万ドルのコールを売り、2024年12月満期の5万ドルのプットを売るものだ。コールを売れば11%、プットを売れば6%の利回りが期待できる」と10xリサーチの創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は述べている。


「したがって、この戦略は、BTCの12月の終値によって、17%の下落バッファか17%以上の利回りのいずれかを提供し、さらにビットコインのすべての上昇(または下降)をキャッチする」とティーレン氏は付け加えた。


この戦略は、市場の見通しが強気だが、上昇トレンドの展開が緩やかで、インプライド・ボラティリティや価格の乱高下に対する投資家の期待値が低いと予想される場合に好まれる。このような状況では、オプション、特にOTMのコール・オプションとプット・オプションは、満期が近づくにつれて値崩れが早まり、売り手が儲かる。


この戦略は魅力的ではあるが、リスクがないわけではない。プット・オプションが売られる水準(この場合は5万ドル)以下では、リスクはレバレッジされるからだ。


権利行使価格以下では、ロング・ストックとショート・プットの両方に損失が発生し、その結果、損失の割合はカバード・コール・ポジション(スポット買い=OTMコール売り)だけの場合の2倍になる」と、フィデリティ(Fidelity)は「カバード・ストラングル」の説明で述べている。


言い換えれば、10xの戦略は、ビットコインの強気相場がゆっくりと進行し、修正があったとしても価格が5万ドルを下回ることはないと考える人々のためのものだ。CoinDeskのデータによると、記事執筆時点でビットコインは6万7200ドル付近で取引されており、年初来で58%の上昇を記録している。


ティーレン氏と暗号資産取引所ビットメックス(BitMEX)の元CEOであるアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏を含む複数のアナリストは、ビットコインはゆっくりと上昇すると予想している。


|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Research Firm Favors Bitcoin 'Covered Strangle' Strategy to Enhance Portfolio Yield by 17%

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最終更新:5/21(火) 7:30

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