【速報】日銀がマイナス金利の解除を決定、17年ぶりの「利上げ」へ《楽待新聞》

3/19 14:00 配信

不動産投資の楽待

日本経済が大きな転換点を迎えようとしている。

日銀は今日19日に行われた2日目の金融政策決定会合で、2016年に導入された「マイナス金利」の解除を決定した。政策金利を0~0.1%に引き上げる。

今年の春闘での大幅な賃上げを受け、賃金の上昇と継続的なインフレ目標が達成できるとの見通しを示した形だ。

これで17年ぶりの利上げとなり、黒田東彦前日銀総裁による「異次元の金融緩和」は事実上の終わりを迎えることになる。

■33年ぶり、大幅な賃上げ率が後押し

マイナス金利政策は、金融機関の日銀当座預金の一部に年0.1%の手数料を課すという、金融緩和策としても異例の手法だ。

マイナス金利下では、当座預金の残高に利息の支払いが発生するため、金融機関は投資や融資に積極的になる。こうして景気を刺激し、デフレ脱却や経済の再生を狙った政策だった。

マイナス金利解除については、直前まで4月実施との見方が広まっていたが、結果的に3月会合でのマイナス金利解除となった。後押ししたのは、力強い「賃上げ」の流れだ。

3月15日に日本労働組合総連合会(連合)が発表した春闘の1次集計によると、ベースアップと定期昇給をあわせた賃上げ率は5.28%と33年ぶりの高水準となり、事前の予想も大きく上回る力強さを見せた。

日銀が目標とする「2%の物価上昇率」が、賃金の上昇を伴う形で実現する見通しが確認され、今回、マイナス金利解除に至った形だ。

■YCCなど、その他政策も変更

マイナス金利の解除と同時に、これまで継続していたその他の緩和的な金融政策も大きく見直される。

短期金利に加えて長期金利も抑える目的で実施していた「イールドカーブコントロール(YCC)」は撤廃される見通しとなった。

また、日銀が国債の買い入れなどを通じて行っていた「マネタリーベース」の拡大も終了となる(ただし、現在と同程度の国債の買い入れは継続)。これまで年間12兆円を上限として実施されていたETFの買い入れも終了することになる。J-REITの買い入れも同様に終了する。

■住宅ローン金利への影響は?

日銀の政策変更に伴い、現在住宅ローンで主流となっている変動金利型ローンへの影響に注目が集まっている。変動金利型の住宅ローンは、短期金利の影響を受けやすい。今回の利上げで住宅ローン金利も上昇となるのか。

全国銀行協会の加藤勝彦会長は、3月14日に行われた記者会見で「仮にマイナス金利が解除されても、効果は限定的」との見方を示している。変動金利型の住宅ローンの基準となる「短期プライムレート(短プラ)」が必ずしも上昇するとは限らないためだ。



植田総裁はこれまで、サプライズ的な政策転換を避け、市場との対話を重視する姿勢を示してきた。今回のマイナス金利解除も、市場における折り込みはある程度進んでいるとみられる。

また、前述したETF買い入れの中止などについても、近年はその額が減少していた。そもそもマイナス金利の解除が行われただけであれば、緩和的な状態であることに変わりはない。

ただし、マイナス金利解除の「その後」次第では、市場に混乱が生じる可能性もある。マイナス金利解除からの「利上げ」や、量的引き締め策(QT)などに関する発言内容次第では、株価や為替が大きく動くことが考えられる。

植田総裁の会見は15時30頃から行われる予定。どのようなメッセージが発せられるのか、注目が集まる。

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最終更新:3/19(火) 14:00

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