トルコ中央銀行は先週(22日)の金融政策決定会合で、最近のインフレ低下傾向を受け、主要政策金利である1週間物レポ金利を1ポイント引き下げ、37.0%とすることを決めた。利下げは市場の予想通りだったが、大半は1.5ポイントの利下げを予想していたため、サプライズとなった。
中銀は24年12月会合で、23年2月以来1年10カ月ぶりに利下げサイクルに転じたが、25年3月の政治危機(野党指導者のイスタンブール市長逮捕)を受け、通貨トルコリラ安によるインフレ加速リスクを抑制するため、同4月に3.5ポイントの大幅利上げに転じた。同6月は金利を据え置いたが、同7月に利下げを再開しており、今回で5会合連続の利下げとなる。利下げ幅は計9.0ポイントに達した。
また、中銀は翌日物貸出金利を41.0%から40.0%に、翌日物借入金利も36.5%から35.5%に、いずれも同率引き下げた。
中銀は会合後に発表した声明文で、追加利下げを決めた理由について、25年12月の前回会合時と同様、「12月CPI(消費者物価指数)の基調的傾向は低下した。1月は食品価格にけん引され上昇したが、インフレの基調的傾向の上昇は限定的」と、楽観的な見方を示した上で、「経済の需要状況が引き続きディスディスインフレのプロセス(インフレの低下基調)を支えている」とし、最近のインフレ緩和傾向と国内最終需要の弱さを挙げた。
ただ、中銀は、インフレ見通しのリスクについて、前回会合時と同様、「(食料品価格の動向が)インフレ期待と企業の価格設定行動(値上げ)を通じ、ディスインフレのプロセスに及ぼすリスクとなっている」と述べている。
市場では中銀が1月と2月のCPI見通しの上振れリスクについてすでに警告を発していることや、インフレ期待や政府統制価格の引き上げ、さらにはトルコ統計局によるCPIの構成ウェイト調整もCPIの見通しに影響を与えると警戒している。
今後の金融政策について、中銀は前回会合時と同様、「物価の安定が達成されるまで、金融引き締めスタンスは国内需要や為替レート、インフレ期待の経路(改善)を通じ、ディスインフレプロセスを強化する」としたが、「実際のインフレ率と期待インフレ率、その基調的なインフレ動向を考慮して政策金利を決める」、また、「利下げ幅はインフレ見通しを注視しながら、会合ごとに政策金利を慎重に調整する」としている。
さらに、中銀は「インフ見通しが中期経済計画から大幅に乖離した場合、金融政策スタンスは引き締められる」との文言を残し、タカ派(インフレ重視の強硬派)寄りの金融スタンスを維持した。
市場では、中銀は今回の会合でインフレに対し、楽観的な姿勢を示したが、ディスインフレの減速とインフレ見通しの上振れリスクを考慮し、今後の金融緩和ペースは1回の利下げ幅が1.0-1,5ポイントと、引き続き慎重なものになると見ており、26年末時点の政策金利は27.5%と予想している。
OECD(経済協力開発機構)が発表した最新の世界経済見通しによると、トルコの政策金利見通しは26年末までに25.0%、27年末までに17.0%に引き下げられると予想されている。その上で、「それでもなお、実質金利はプラスかつ高水準を維持、金融政策は引き締め的な姿勢を維持する」と指摘している。
次回の金融政策決定会合は3月12日に開かれる予定。
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最終更新:1/27(火) 8:43