【解説】金価格高騰で注目、「純金積立」はチャンス?リスク?純金積立のメリット・デメリットを整理

2/7 16:10 配信

LIMO

近年、日用品や光熱費など、生活コストの上昇に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実際、その上昇傾向は数値にも表れています。消費者物価指数(2020年=100)を見ると、2025年11月時点では「113.2」を記録しました。前年同月比でも2.9%の上昇となっており、確かなインフレの進行が見て取れます。

インフレが進む今の時代、資産はただ「保有する」だけでは不十分です。価値が目減りしないよう「守る」という視点が、これまで以上に重要になってきます。

そこで今回は、インフレに強い資産の代表格である「純金積立」に注目し、近年の価格推移や投資のメリット・デメリットについて詳しく解説します。ぜひ今後の資産運用の参考にしてください。

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金価格の近況

まず初めに、2025年の金価格の推移を見ていきましょう。2025年の金相場は急激な高騰を見せました。円ベースの購入価格で見ると、2025年1月時点では1グラムあたり約1万4000円でしたが、1年後の2026年1月には約2万3000円へと大幅に上昇しています。

金はインフレに強い「安全資産」として注目を集め、価格を伸ばしています。

ここからは、なぜ金が安全資産と呼ばれるのか、その背景や、知っておくべき注意点についてお伝えします。

金が「安全資産」と呼ばれる理由とは

金価格が高騰する主な要因は、世界情勢の不安定化などを背景に「安全資産」としての金の需要が供給を上回ることです。ここでは、金が「安全資産」と見なされる理由を掘り下げて解説します。

●それ自体に価値がある「実物資産」
株式や債券といった金融資産は、発行元の企業や国の信用力によって価値が裏付けられています。そのため、業績や財政状況が悪化すれば価値は下落し、万が一、企業が倒産すれば株式の価値は失われてしまいます。

一方、金はそれ自体に価値を持つ「実物資産」であり、その価値は世界共通で認められています。歴史上、価格が下落することはあっても、価値が完全にゼロになったことは一度もありません。この普遍的な価値が、多くの投資家に安心感を与えています。

●世界的な不況や危機に強い
戦争や大規模な金融危機が発生し、世界情勢が不安定になると、人々は特定の国や企業の信用に依存する株式や通貨を保有することに不安を感じるようになります。そうした局面では、発行主体が存在せず、世界中で価値が認められている金に資金が流入しやすくなり、結果として価格が上昇する傾向があります。このような考え方を「有事の金」と呼びます。

●インフレに強い
インフレとは、物価が上昇し、相対的にお金の価値が下がる状態を指します。インフレが進むと、銀行預金などの現金の価値は実質的に目減りしてしまいます。これに対し、金のような実物資産の価格は、物価の上昇に伴って上がる傾向があります。そのため、インフレ局面で金を保有することは、資産価値の目減りを防ぐ「インフレヘッジ」の効果が期待できます。

金は本当に「安全資産」なのか

これまで見てきたように、金が安全資産と認識されるのには明確な理由があります。しかし、それは金への投資が「常に安全」で「いつでも利益が出る」ことを意味するわけではありません。 ここからは、金に投資する際の注意点とリスクを解説します。

●価格変動リスク
「安全資産」という言葉の響きとは裏腹に、金の価格は短期間で大きく変動することがあります。例えば、2025年は年間を通して見れば大きく高騰しましたが、その過程では月単位で価格が上下する場面も頻繁に見られました。

金もまた、投資家の市場心理や需給バランスによって価格が変動する「投資対象」です。そのため、期待したほど価格が上昇しない、あるいは購入した価格を下回る「元本割れ」のリスクも常に存在します。

●為替レートの影響
日本円で金を売買する場合、その価格は「ドル建ての国際金価格」と「ドル/円の為替レート」の2つの要素で決まります。例えば、国際金価格が上昇しても、それ以上に急激な円高(例:1ドル=150円→120円)が進むと、円建ての金価格は値下がりすることがあります。

つまり、世界の金価格が上がっていても、為替の動き次第では損失を被る可能性があるのです。逆に円安が進めば、国際金価格の上昇に加えて為替差益も得られるため、利益がさらに大きくなることもあります。為替レートはリスクであると同時に、リターンを左右する重要な要素です。

●金利や配当を生まない
株式を保有していれば「配当金」、債券であれば「利子」といったように、多くの金融資産は保有しているだけで定期的な収益を生み出す可能性があります。

一方で、金はそれ自体が事業活動を行うわけではないため、保有しているだけで金利や配当が付くことは一切ありません。金投資で利益を得る手段は、購入時よりも高い価格で売却して得る「売却益」のみとなります。

したがって、金価格が上昇しない局面では利益は得られず、むしろ保管料などのコストがかかる場合は、資産価値が実質的に目減りしていく可能性もあります。

純金積立はチャンス?リスク?

2025年に見られた金価格の急騰は、インフレを含めた日本経済への不安などが引き起こした面も大きく、今後インフレが落ち着けば、この上昇ペースも止まる可能性があります。加えて、もし現状の円安状況が円高へと転換した場合には、為替の影響で円建ての金価格が下落するリスクもあります。

そのため、高騰した後の現状の価格帯で金を購入することは、2025年のように必ずリターンを得られると言い切ることは難しくもあります。特に、短期的な利益を狙うのであれば、一定のリスクも存在することを許容する必要があります。

とはいえ、長期的な推移を見れば、金価格は右肩上がりの傾向にあります。一時的な価格変動はあっても、長期の投資である「純金積立」であれば、時間を味方につけて資産を育てていくことができるでしょう。リスクがあることを十分に理解した上で、大切な資産を守る「分散投資」の選択肢として、金の積立を始めてみる価値はあるのではないでしょうか。

おわりに

今回は、安全資産として注目を集める純金積立に焦点を当て、2025年の価格推移や急騰の背景を整理するとともに、購入を検討するうえでの注意点について解説しました。

金はインフレ局面で価値が上がりやすく、資産を守る手段の一つとして有効です。しかし、どのような状況でも必ず安全と言い切れるわけではありません。リスクを理解したうえで、長期的な視点で投資を検討することが大切です。

ぜひ、今後の投資計画の参考にしてください。

参考資料

 ・総務省「2020年基準 消費者物価指数 2025年(令和7年)11月分」
 ・TradingView「金価格の推移」
 ・金融庁「基礎から学べる金融ガイド」

斎藤 彩菜

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最終更新:2/7(土) 16:10

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