「ファスト&スロー」のカーネマン氏死去、行動経済学の先駆者-90歳

3/28 12:40 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマン氏が死去した。90歳だった。同氏の研究は意思決定の合理性に疑問を投げかけ、行動経済学という分野を生み出すのに寄与した。

米紙ワシントン・ポストは、同氏の継娘で米誌ニューヨーカーのフィクション編集者デボラ・トリーズマン氏を引用し、カーネマン氏が27日に死去したと報じた。その他の詳細は不明。

カーネマン氏は、何十年にもわたり経済学を支配してきた合理性に関する仮定を覆した。同氏は多くの不可解な行動の背後にある論理を示すことができた。例えば、なぜ人は価値の下がった株式の売却を拒むのか、なぜ少額の商品を買う時は節約のために遠くの店まで車を走らせるのに、高価な商品を買う時は同じように節約しないのか、などといった行動だ。

米ハーバード大学のスティーブン・ピンカー教授は2014年に英紙ガーディアンに対し、カーネマン氏について、当時存命中の心理学者としては「世界で最も影響力が大きい」とし、「同氏の研究は思想史において本当に記念碑的なものだ」と評した。

カーネマン氏は11年、ベストセラーとなった著書「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」を出版し、自身のアイデアに幅広い読者を獲得した。この研究では、心には二つのシステムがあり、一つは速く直感的なもの、もう一つは遅く理性的なものだという包括的な見解が示された。

同氏は02年、実験経済学者バーノン・スミス氏と共にノーベル経済学賞を受賞した。

原題:Daniel Kahneman, Psychologist Who Upended Economics, Dies at 90(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:3/28(木) 12:40

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