2026年3月24日に公表された総務省の「消費者物価指数」によると、2026年2月の総合指数は112.2(2020年=100)となっており、ほぼ右肩上がりに物価上昇が続いています。モノの値段が上がり続けるなか、「貯蓄は今のペースで大丈夫なのだろうか」と不安に感じている方も多いかもしれません。
ここでは、年代別の平均貯蓄額や、老後資金2000万円を貯めるためのシミュレーションについて解説します。記事後半では、支出を見直すときの3つのポイントについても紹介しますので、資産形成について考えるときの参考にしてください。
※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年代別の平均貯蓄額、物価上昇が続く今「貯蓄ペース、これで大丈夫?」
J-FLECの「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)二人以上世帯」によると、年代別の金融資産保有額は次のとおりです。
【平均額】
・20歳代:525万円
・30歳代:1096万円
・40歳代:1486万円
・50歳代:1908万円
・60歳代:2683万円
・70歳代:2416万円
【中央値】
・20歳代:125万円
・30歳代:311万円
・40歳代:500万円
・50歳代:700万円
・60歳代:1400万円
・70歳代:1178万円
中央値とは、データを小さい順に並べたときにちょうど真ん中にくる数値のことです。この結果を見ると、平均額と中央値に大きな乖離があることが分かります。
これは、まとまった資産を持つ一部の世帯が平均額を押し上げていることが主な要因と考えられます。より実態に近い数字を把握するには、中央値を参考にするとよいでしょう。
利回り別NISAシミュレーション、65歳までに2000万円「必要な積立額はいくら?」
先ほどの貯蓄の中央値をもとに老後資金2000万円を貯めるため、NISAの積立投資シミュレーションを行ってみましょう。2000万円に対する各年代の不足額は次のとおりです。
・20歳代:1875万円
・30歳代:1689万円
・40歳代:1500万円
・50歳代:1300万円
この不足額を65歳までに貯めるためには、毎月いくら積み立てればよいのでしょうか。ここでは、各年代の代表年齢(25歳・35歳・45歳・55歳)から65歳までを積立期間として、利回り別の積立額を試算してみます。
【利回り1%】
・20歳代:3万1817円
・30歳代:4万279円
・40歳代:5万6511円
・50歳代:10万3076円
【利回り2%】
・20歳代:2万5635円
・30歳代:3万4381円
・40歳代:5万981円
・50歳代:9万8042円
【利回り3%】
・20歳代:2万443円
・30歳代:2万9186円
・40歳代:4万5892円
・50歳代:9万3225円
例えばNISAで25歳から積立投資を始めると利回り3%で毎月約2万円、45歳からでも利回り3%で毎月約4万6000円が目安となります。一方、55歳から始めると利回りにかかわらず月10万円前後が必要となり、積立開始が遅くなるほど月々の負担が大きくなることがわかります。
【元銀行員が解説】支出を見直すときの3つのポイント
毎月の積立額を捻出するために、支出の見直しを行うのもひとつの方法です。ここからは、支出の見直しを行うときの3つのポイントを紹介します。
●固定費から見直す
まず取り組みたいのが、毎月の固定費の見直しです。固定費とは、スマートフォンの通信費や保険料、サブスクリプションサービスの利用料など、毎月ほぼ一定額で発生する支払いのことです。
家計の見直しというと、つい「毎月の食費を抑えよう」「日用品費を節約しよう」といったことを考えがちですが、実は固定費を見直す方が大きな効果が得られやすいといわれています。
まずは固定費をリストアップし、削減できるものはないか検討してみましょう。
●支出を可視化する
家計簿アプリなどを使って、毎月の支出を見える化することもおすすめです。支出を記録することで、無駄な支出が見つかったり、月々の変動が分かりやすくなったりします。
なかには、クレジットカードや銀行口座と連動できる家計簿アプリもありますので、そういったサービスを活用するのもよいでしょう。
●定期的に支出を見直す
支出の見直しは、定期的に行う必要があります。たとえば、子供の進学やマイホームの購入、転職などライフステージに大きな変化があるタイミングでは、支出にも大きな変化が生じます。
これまでの支出パターンをこのまま継続しても問題ないかなど、定期的にチェックするようにしましょう。
現在の貯蓄ペースを改めて見直してみよう
将来の目標金額を貯めるうえで大切なのは、「たくさんの金額を貯蓄に回すこと」ではなく、「無理なく続けられる貯蓄金額を設定すること」です。まずは毎月の家計を見直し、削減できる固定費はないかチェックしてみてください。
健全な収支バランスを保ち、無理のない貯蓄を続けていきましょう。
参考資料
・総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国2026年(令和8年)2月分」
・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
・金融庁「つみたてシミュレーター」
椿 慧理
最終更新:5/2(土) 15:05