10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は7営業日ぶりに反落。終値は151.19円と前営業日NY終値(153.07円)と比べて1円88銭程度のドル安水準だった。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事がCNBCのインタビューで「労働市場が最大の懸念」としたうえで、「利下げが依然として必要だと考えている」と発言するとドル売りが先行。トランプ米大統領がSNSへの投稿で「中国は非常に敵対的になっている」「中国製品への関税引き上げを検討中」との見解を示し、中国に対して激しい批判を展開すると、米中対立激化への懸念やハイテク産業への影響が警戒され、米国株相場が急落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが広がった。
取引終了間際にトランプ米大統領が「米国は11月1日から中国に100%の追加関税を課す」との考えを示したと伝わると、一時151.17円と日通し安値を更新した。
なお、日本では10日に公明党が自民党との連立政権から離脱する方針を示したと伝わった。連日続いた「高市トレード」を意識した円売り・ドル買いを巻き戻す動きも見られた。
ユーロドルは5日ぶりに反発。終値は1.1619ドルと前営業日NY終値(1.1564ドル)と比べて0.0055ドル程度のユーロ高水準だった。トランプ米大統領のSNS投稿をきっかけに米中の貿易摩擦激化に伴う米景気減速懸念が増大すると、米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが優勢となり、24時30分過ぎに一時1.1631ドルと日通し高値を付けた。
ユーロ円は続落。終値は175.79円と前営業日NY終値(177.00円)と比べて1円21銭程度のユーロ安水準。ドル円の下落につれた売りが出たほか、日米株価指数の下落に伴うリスク回避の円買い・ユーロ売りが入った。取引終了間際には一時175.67円と日通し安値を更新した。
なお、米株式市場でダウ平均は一時880ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比2440円安の4万5180円まで下げる場面があった。
本日の参考レンジ
ドル円:151.17円 - 153.27円
ユーロドル:1.1556ドル - 1.1631ドル
ユーロ円:175.67円 - 177.16円
中村
最終更新:10/11(土) 6:06