米国市場 今年最大のIPO ウーバー上場特集 米国市場 今年最大のIPO ウーバー上場特集

ついに上場! 初値はIPO価格を下回る42ドル

最終更新日時: 2019年05月11日01時17分

編集協力:マネックス証券

執筆:広瀬 隆雄、Yahoo!ファイナンス

出典:「UBER TECHNOLOGIES, INC.」売出目論見書

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ウーバーを知る6つのポイント

ライドシェアリング業界

1.ライドシェアリング業界は未だ端緒についたばかり

米国労働省労働統計局によると米国の消費者は毎年1.2兆ドルを交通のために費やします。この中には通勤費や自動車の購入代金、自動車保険など一切合財の交通に絡む出費が含まれています。家計あたりの年間交通支出は9500ドルにもなります。

この出費の中でとりわけ大きな割合を占めるのはマイカーを保有することのコストです。 しかしマイカーの実働時間は保有期間の5%にも満たず、残りの95%は駐車されています。

いま工場の機械などの資本財の稼働率が5%ならメーカーは到底利益を出すことなどできないでしょう。しかしマイカーの場合、ほとんどの時間それが駐車され、活用されていなくてもみんなそれを不都合だとは思わないのです。

しかしミレニアル層の多くは、このようなマイカーの所有を「コスパが悪い」と考え始めています。スマホから、いつでも乗りたいときにウーバーやリフトなどのライドシェアのクルマを呼べるのなら、何も高価なマイカーをキープする必要はないというわけです。

この消費態度の変化こそがライドシェアの流行の根底に流れている消費者の意識の変化であり、これは向こう何年にも渡って経済に大きな影響を及ぼす変化になると思われます。

ライドシェア市場は2030年までに2850億ドル市場に発展すると試算されています。現在のライドシェア市場の規模は賃走料金ベースで約495億ドルなので5.75倍になるわけです。現在、下のようなライドシェア企業が存在します。

ライドシェア企業 主な市場
ウーバー(Uber) 米国・世界で事業展開
リフト(Lyft) 米国
カリーム(Careem) アラブ首長国連合、中東、アフリカ
ディディ(Didi) 中国、メキシコ、オーストラリア
ボルト(Bolt) エストニア、欧州、アフリカ
ヤンデックス(Yandex) ロシア

このうちカリームは先日、ウーバーが買収しました。またボルトはタクシファイ(Taxify)という社名でしたが最近社名変更しています。ヤンデックスはウーバーとジョイント・ベンチャーでライドシェア事業に参入しています。

「ウーバー(Uber)」 企業情報

2.ウーバーはライドシェアのリーダー企業

ウーバーはライドシェアのリーダー企業です。2018年のブッキング(賃走料金)は 415億ドル、売上高は 92億ドルでした。

会社名 ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies,Inc.)
設立 2009年
本社 米国カリフォルニア州
代表取締役 ダラ・コスロシャヒ
主要株主 ソフトバンク・グループ(筆頭株主)、アルファベット(グーグル親会社)、トヨタ自動車など
ミッション We ignite opportunity by setting the world in motion.
(世界を変えていく機会の創出)

ドライバー数ではライバルのリフトを大きく引き離しています。

ドライバー数

過去3年間のユーザー成長率ではリフトがウーバーをわずかに上回っています。

ユーザー成長率

ウーバーは米国の他、ラテンアメリカ、欧州、中東、インド、オーストラリアなどで事業展開しています。
同社はライドシェア事業に加えてウーバー・イーツというレストランの出前代行のサービスを展開しています。世界の500都市で22万店のレストランのデリバリーを引受けています。ウーバー・イーツの月次利用者数は1500万人です。

さらに同社はウーバー・フレートというトラック輸送サービスも展開しています。3万600社の運送会社の下請けとして40万人のドライバーが働いています。

ウーバーの営業データ

3.最近売上高が伸び悩み、マージンが圧迫を受けている

ウーバーの月次アクティブ顧客数は下のように推移しています。

ウーバー・テクノロジーズの月次アクティブ顧客数

またトリップ数は下のチャートのように増えています。

ウーバー・テクノロジーズのトリップ数

同社の課題は修正純売上高のトレンドに陰りが見えているのをどうテコ入れするか? ということです。

ウーバー・テクノロジーズの修正純売上高

またコントリビューション・マージン(売上から全ての変動費を引いたもの)がマイナスになっているのを再びプラスに戻す必要があります。

ウーバー・テクノロジーズのコントリビューション・マージン

4.マーケットシェア重視の経営から利益重視の経営へシフトする必要あり

ウーバーの修正純売上高が伸び悩み、さらにコントリビューション・マージンが圧迫を受けている一因として賃走代金に占める会社取り分比率が下がっていることを指摘できます。

賃走代金に占める会社取り分

ウーバーは賃走毎の粗利益額でもリフトに負けています。
このことはウーバーがマーケットシェア第一主義から利益重視の経営へと戦略変更する必要があることを示唆しています。

賃走毎の粗利益
ウーバー・テクノロジーズの一株当たり業績
【図中略号の意味】DPS:一株当たり配当、EPS:一株当たり利益、CFPS:一株当たり営業キャッシュフロー、SPS: 一株当たり売上高

IPOの規模

5.ウーバーのIPOは調達金額で過去10傑に入らない

今回のウーバーのIPOは調達金額で100億ドル程度になると言われています。これは確かに大型IPOには違いないのですが歴代の10傑には入りません。つまり規模的にとてもムリのあるディールではないのです。

大型IPO

6.長い目で見ればウーバーもアリババ、フェイスブック同様成長が期待できる

図中の大型IPOの中ではアリババとフェイスブックがいずれも急成長企業であり、ウーバーといちばん似ていると思います。両銘柄ともIPO後、一時足踏みする時期があったものの、おおむね株価は堅調に推移しています。

米国株を買うには

証券会社によって取り扱いが異なる

米国株を取引するには、証券会社の口座開設に加え、外国株式を取引するための口座を開設する必要があります。多くの証券では、ウェブサイト上で手続きは完了しますので(無料)、書類の提出などは不要です。ただし、取引ができるのは翌営業日になるなど、証券会社によっても異なりますので、口座は早めに開設しておきましょう。
また、証券会社によって、米国株を取り扱っていない、取り扱っていても銘柄数が少ない、上場初日には売買ができないなど、各社違いがありますから事前に確認しておきましょう。
(以下は、「マネックス証券」を例にした、米国株の売買に関するポイントです)

日本株との違いは!?「米国株、よくある5つの質問」

取引時間や最低の売買単位といった米国株に関する「日本株との違い」「取引時間」「税金」「株主優待」「配当金」など、よくある質問をまとめました。

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※最終更新日時:2019年05月11日01時17分

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