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プロが厳選! おすすめの3月権利確定の株主優待銘柄は?
株を買うと優待品がもらえる「株主優待」の制度。珍しい商品や家計の一助になるような商品が優待品として提供されることもあり、根強い人気があります。株主優待制度を導入している企業は約1500社ありますが、一体どの銘柄を選べばいいのでしょうか?
Yahoo!ファイナンスの「株主優待人気ランキング」の中から、日本株に詳しい金融文筆家の田代昌之さんに「特に注目したほうがいい」という銘柄を厳選・紹介いただくシリーズ。今回は3月権利確定銘柄を5つ、取り上げます。
情報提供元:All About編集部
1:オリエンタルランド<4661>
最初に紹介するのは東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド<4661>です。同社は「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」という2つのテーマパークを運営するほか、「ホテルミラコスタ」など5つのディズニーホテルや商業施設「イクスピアリ」などの事業も展開しており、優待ファンに根強い人気がある銘柄です。
こちらの優待は、「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」で利用可能な1デーパスポート。500株以上の保有で1枚受け取れます。
All Aboutの読者からは、「子どもの夏休み・冬休みに、優待券を使って入場していた。初めの頃はネットでのチケット販売はなく、窓口購入だったので、優待券があると購入の際並ばなくても入場ゲートに向かえた覚えがあります。家族には受けが良かったです。今と比べると(パークチケットの料金は)かなり安かったがそれでも結構なお値段だったので、優待のありがたみを実感した」(男性・63歳・埼玉県)、「25年前、子どもができた時に毎年2回程度利用していたので高配当ではないが利用券が年2枚付くので購入しました。パスポートが年2枚来るので家族で行かなくなっても、子どもたちだけでも利用できているので助かっています」(回答なし・56歳・埼玉県)といった声が寄せられています。
そんなオリエンタルランド<4661>の優待制度について、田代さんは「"1デーパスポート"の優待を得られるには500株以上の保有が必要ですが、3年以上継続して保有するともう1枚追加されますので、優待狙いのディズニーファンは長期保有がおすすめです」としています。一方で、「オリエンタルランドの筆頭株主である京成電鉄は、モノ言う株主より経営資源の効率化の一環としてオリエンタルランド株の売却を求められています。今後、京成電鉄が全株式を売却するとなった場合、売却の方法次第ではオリエンタルランドの株価が下落する可能性もあります」とも述べているので、今後の環境変化には注意が必要そうです。

2:トリドールホールディングス<3397>
次に紹介するのは、「丸亀製麺」を運営するトリドールホールディングス<3397>です。同社運営の飲食店には、讃岐うどんを低価格で提供する「丸亀製麺」のほか、ハワイのコナコーヒーを扱った「コナズ珈琲」や本格炭火焼鳥店「とりどーる」などがあり、国内市場だけではなくアジア市場も積極展開しています。
こちらの優待は、同社グループが運営する店舗で使える「株主優待券」。100株以上保有していれば3000円相当の優待券を1枚受け取れます(200株以上を継続保有すれば追加贈呈もあります)。
根強い優待ファンが多く存在する銘柄で、All Aboutの読者からも「うどんが好きで、いつでも好きな時に食べられると思ったから。半年に7000円分(の優待券が)来るので気にせず高いものも頼めるから。実際に値上がりもしたが、それでも1人なので使うのが大変なくらいでありがたいです。期間限定商品もその都度食べることができて良いです」(女性・48歳・東京都)、「長期保有株主に優遇がある点、短期売買されにくいので購入した。買い物ついでにショッピングモールの丸亀製麺、休みの日のモーニングにコナズ珈琲、週末にずんどう屋でラーメンなど(で利用している)」(男性・45歳・大阪府)といった声が聞かれています。
この銘柄について田代さんは「200株を1年以上保有すると追加で優待が得られる継続保有株主優待制度を導入していますので、長期保有することでメリットが得られます」としています。また買い時については「昨年1月に上場来高値4850円をつけた後は3500円から4000円の狭いレンジで推移しています。レンジ下限の3500~3600円水準まで下がってきた局面で、買いを入れるようなスタンスを考えてはいかがでしょうか」と教えてくださいました。

3:東京地下鉄<9023>
続いて紹介するのは、東京メトロなどの鉄道事業を展開する東京地下鉄<9023>です。首都圏にある9路線の地下鉄を運営するほか、「Echika」などの商業施設の運営や、オフィスビルの賃貸事業を行っています。こちらの優待は「全線きっぷ(※1)」や「全線定期乗車証(※2)」のほか、「地下鉄博物館」の無料招待券など関連施設の各種優待券となっています。
※1 全線きっぷ:有効期間内であれば、1枚につき東京メトロ線片道1乗車を利用できる乗車証
※2 全線定期乗車証:有効期間内であれば、東京メトロ線内を何度でも利用できる定期券
そんな東京地下鉄<9023>について、田代さんは「昨年プライム市場に上場したばかりですが、"東京メトロ"という高い知名度を背景に優待銘柄としても人気急上昇中」であることから、今回の注目銘柄に選んだそうです。All Aboutの読者にも「(株価が)安くなれば東京メトロ(の株を)買いたいです」(女性・59歳・埼玉県)というように、まだ買ってはいないけれど、今後購入したい銘柄として挙げている方が見られました。
田代さんからのアドバイスとして「東京メトロを利用しているユーザーにとっては使い勝手のいい優待がもらえます。一方、普段東京メトロを利用しない方や東京近郊在住ではない方が優待券を有効活用するのは難しいかもしれません。東京メトロに限らず、鉄道株を購入する際は利用する頻度が多い鉄道会社の銘柄を選んだほうが、優待制度の利用価値は高まると思います」と、優待制度のある鉄道株を選ぶポイントを教えてくださいました。

*1 3000円以上お買い上げの際、1年間何度でも利用可能
*2 350円以上ご利用の方に限る
4:FOOD & LIFE COMPANIES<3563>
次に紹介するのは、「スシロー」や「京樽」などを運営するFOOD & LIFE COMPANIES<3563>です。同社運営の飲食店は他にも「回転寿司みさき」や大衆寿司居酒屋の「鮨 酒 肴 杉玉」があり、世界中に「すし」という文化を届けるということで海外にも進出しています。こちらの優待は国内の「スシロー」「鮨 酒 肴 杉玉」、株式会社京樽が運営する店舗で利用できる株主優待割引券。他の割引券との併用も可能です。
同社をはじめレストランや小売りの銘柄を購入しているAll Aboutの読者からは「家族との食事や買い物の際にプレゼントできた。家族が喜んでくれて私も幸福感がいっぱいで嬉しかった」(男性・68歳・千葉県)といった声が寄せられています。
FOOD & LIFE COMPANIES<3563>について、田代さんは「2024年10~12月期決算では、純利益が前年同期比88%増の61億円と、通期純利益見通しの4割を稼ぐ好決算となりました。この決算を受けて、株価は2022年1月以来の水準まで上昇しました。優待は100株以上から権利が得られますが、3年以上継続保有しますと贈呈される割引券の枚数が増えますので、長期保有のメリットはあります。株価が急騰した後なので、なんとなく『乗り遅れたかな?』という気持ちになってしまうでしょうが、優待狙いなら長期保有目線でいきましょう」としています。

※会計金額が1100円(税込)ごとに550円分の株主優待割引券の利用が可能
5:ゼンショーホールディングス<7550>
最後に紹介するのが、牛丼の「すき家」を展開する外食最大手・ゼンショーホールディングス<7550>です。同社は他にも「はま寿司」「なか卯」「ココス」「ロッテリア」「エルトリート」「ビッグボーイ」「オリーブの丘」「ジョリーパスタ」......と、バラエティー豊かな外食チェーン店を展開しています。こちらの優待は、同社グループ店舗で使える「株主優待券(500円券)」。100株以上所有していれば受け取れます。
All Aboutの読者からも「夫婦で頻繁にランチに使用しています。牛丼、洋食、和食、お寿司と便利で利用できる」(男性・66歳・埼玉県)、「手頃な価格の食事券がもらえるのに加えて株価も上がってきた」(女性・66歳・千葉県)といった感想が寄せられています。
根強いファンが多い優待銘柄の魅力について、田代さんは「インバウンド需要を取り込んでいるほか、コスト増加を値上げなどでカバーしたことから業績は好調に推移しています。優待の権利は100株から得られるほか、定められた期限内に未使用で最新の株主優待券を返送することで、商品と代替できる制度も設けています。株主優待券を有効期限内に使い切れなくても、こうした制度があることで優待の権利を生かせます」としています。

※利用可能店舗例:すき家、なか卯、ココス、ジョリーパスタ、華屋与兵衛、ビッグボーイ、はま寿司など
※代替品例:すき家「牛丼の具10食セット」、なか卯「親子丼の具10食セット」、ゼンショーライス「お米食べ比べセット」、ココス「マルゲリータ&カリカリポテト」など
※株主優待券で支払いする場合は、各種ポイントの付与対象外となる
記事で紹介した5銘柄
銘柄名 <コード> |
業種 | 優待の 必要株数 |
優待の最低 購入金額 |
権利確定日 |
---|---|---|---|---|
オリエンタルランド <4661> |
サービス業 | 500株 | 162万6,000円 | 3月末日 9月末日 |
トリドールホールディングス <3397> |
小売業 | 100株 | 39万1,300円 | 3月末日 9月末日 |
東京地下鉄 <9023> |
陸運業 | 200株 | 36万300円 | 3月末日 9月末日 |
FOOD & LIFE COMPANIES <3563> |
小売業 | 100株 | 43万1,800円 | 3月末日 9月末日 |
ゼンショーホールディングス <7550> |
小売業 | 100株 | 79万6,300円 | 3月末日 9月末日 |
※掲載情報は2025年2月13日時点のものです。
株主優待に関する情報は、記事執筆時点のものになります。詳細につきましては、各社が発表している株主優待内容をご確認ください。
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※投資金額には、株式購入時に必要となる証券会社の売買手数料などは含んでおりません。
田代昌之
金融文筆家
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。