シェア

想いをカタチにする力で挑み未来を支えつづける「三菱製鋼株式会社<5632>」の価値創造と今後の成長ストーリー

自動車や車両などの乗り心地を支える「ばね」と、その材料「特殊鋼」をコアに、120年以上成長を続ける三菱製鋼グループ。本セミナーでは、三菱製鋼<5632>の価値創造と今後の成長ストーリー、資本政策などについてご説明します。

プレゼンター:代表取締役常務執行役員・CFO 青池 慶介氏

注目ポイント

情報提供元:コエキク(運営:株式会社プロネクサス)

<ご視聴いただいた皆様へ>
本セミナー動画はいかがでしたか?ぜひコエキクアンケート(外部サイト)でご意見、ご感想をお聞かせください。

質疑応答

Q.中東情勢の影響は受けていないのでしょうか?

A.当社の中東地域向け売上高や、原材料調達における中東地域への依存度は限定的であり、現時点で連結業績に重大な影響を及ぼすことは想定しておりません。一方で、主にばね事業においては、当社が部品を納入している最終製品メーカーにおいて、サプライチェーンの混乱などに伴う生産調整が発生した場合、当社の受注が一時的に減少する可能性があります。また、原油価格の上昇に伴うエネルギーコストの増加や、ばねの生産に使用するシンナーなど一部資材の調達に影響が及ぶ可能性もあります。
中東情勢そのものによる足元の影響は軽微と認識しておりますが、イランでの軍事衝突が一進一退の攻防となっているこの状況からも、短期間での安定化を前提とすることは適切ではないと考えております。そのため、不安定な状況が一定期間継続する可能性を念頭に置きながら、市場動向やサプライチェーンの変化を注視しております。また、当社としては、資材調達面におけるサプライチェーンの複線化に加え、販売面における地域分散も進めるなど、リスク管理を重視した取り組みを継続してまいります。

Q.最近、円相場の変動が激しいですが、為替の変動は御社にどのような影響がありますか?

A.当社は、特殊鋼鋼材の原材料である鉄鉱石や石炭を輸入しているため、円安はコストアップ要因となります。為替変動分については、お客さまへの売価に反映する方針としていますが、一定のタイムラグが生じます。
一方で、営業外の面では、円安が進行すると当社が保有する外貨建て資産に為替評価益が発生します。これらの影響を加味した当期純利益の為替感応度としては、1円の変動につき年間0.5億円前後というイメージです。なお、為替変動リスクを抑えるために、為替ヘッジを適宜活用しております。

Q.前期に発生した室蘭の高炉トラブル・火災事故とは、どのような事象だったのでしょうか?また、今期への影響は残らないのでしょうか?

A.当社は室蘭コンビナート内において、日本製鉄様と共同で高炉を運営しており、この高炉から特殊鋼の原材料となる高炉溶銑の供給を受けております。昨年12月、この高炉の付帯設備で火災事故が発生し、高炉の操業が停止しました。これにより、高炉溶銑の供給が停止したため、当社は売上数量の減少と、それに伴う生産性悪化などの影響を受け、前期に営業利益で35億円、特別損失として9億円を計上しました。一方で、5月下旬には通常操業に戻っており、第2四半期以降はこの影響が解消しています。

Q.自動車ばね事業において、北米拠点の再編を2027年度中に完遂する計画となっていますが、この構造改革による損失や一時費用の発生リスク、および再編後の黒字化への手応えについて教えてください。また、欧州やメキシコ拠点の撤退を含む構造改革がばね事業全体のROIC向上にどの程度影響するのかを教えてください。

A.北米拠点の再編については、2027年度中の完了を目標に進めています。再編に伴い、一定の損失や一時費用が発生する可能性はありますが、影響をできる限り抑えながら進めていきます。再編後は、固定費の削減や生産体制の最適化により、黒字化を目指せると考えています。
また、欧州やメキシコ拠点の撤退を含む構造改革についても、ばね事業全体の収益性改善とROIC向上につながる取り組みと位置付けています。特に、採算性の低い拠点を整理し、資源を成長分野や収益性の高い領域に振り向けることで、事業全体の資本効率の改善に寄与すると考えています。

Q.日系自動車メーカーが中国市場で苦戦していますが、御社の中国ばね子会社の現状について教えてください。

A.当社の中国子会社も、顧客の販売不振の影響を受けております。中国子会社については、市場環境や当社の競争優位、将来の収益性を踏まえ、当社が引き続き保有・運営することが最適かどうかを、ベストオーナーの観点から継続的に検討しています。現時点で確定的にお示しできる内容はありませんが、選択肢を狭めず、提携、機能縮小、事業再編も含めて検討している段階です。

Q.今後の企業価値向上に向けて、成長分野へのM&Aや、不採算・低収益事業の整理・売却など、事業ポートフォリオの見直しを積極的に進める考えはありますか?経営陣のお考えをお聞かせください。

A.事業ポートフォリオの見直しについては、ROIC向上の観点から、引き続き取り組んでいく考えです。実際に、前中計期間中には、欧州やメキシコなどの低採算拠点からの撤退を進めてまいりました。今中計においても、不採算拠点の整理を継続するとともに、戦略事業への成長投資を進めることで、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。なお、M&Aを含む戦略事業への成長投資には、中計3年間で創出予定のキャッシュに対し、約3割の資金投入を計画しております。
M&Aについては、特殊合金粉末や精密部品の分野では技術の獲得や時間の短縮を目的として、商用車向け板ばねの分野では新規受注に対応するための増産能力の確保を目的として、想定しています。加えて、まずはアライアンスを先行させ、段階的に関与を深めていく考え方もあります。

Q.足元では利益率が改善していますが、この改善は原材料価格や販売価格の改善といった外部要因が大きいのでしょうか?それとも、高付加価値製品の拡大や生産性向上など、景気が変化しても維持できる構造的な収益力の向上によるものなのでしょうか?中期的に営業利益率をどの水準まで高められると考えていますか?

A.足元での利益率改善については、一部の戦略事業の収益貢献が進んだことが主な要因です。一方で、売上高の多くを占める基盤事業については、なお課題を残していると認識しております。このため現中計では、国内鋼材の収益性改善や、自動車用ばねの構造改革による基盤事業の立て直しを進めるとともに、前中計期間中に実施した戦略事業への設備投資等の成果を、今中計期間中に収益化していく方針です。
また足元では、原材料価格の上昇が進んでおります。これに対して、半数程度のお客さまについては、3カ月から半年程度のタイムラグはあるものの、原材料市況に連動して売価に反映される仕組みとなっています。一方で、残りのお客さまについては、都度交渉となるほか、エネルギー価格や物流費などの諸コストについては、上昇した場合に都度交渉となるため、適切なマージン確保に向けて、売価改善を進めてまいります。これらの取り組みにより、2025年度の営業利益率3.1%から、中計最終年度には6.2%まで高めることを計画しております。

Q.防衛関連製品の具体的な用途を教えてください。また販売先はどこになるのでしょうか?

A.守秘義務の関係から、具体的にお答えできない点が多く申し訳ありませんが、当社は高い熱処理技術を活かした防弾鋼板を主に生産しています。販売先についても同様に守秘義務の関係で詳細はお答えできませんが、大手重工メーカー向けとなります。

Q.特殊合金粉末は、具体的にどのようなところに使われているのでしょうか?また、AIやデータセンター向けの話もありましたが、今後の展望について教えてください。

A.従来製品の最終用途は、自動車関連部品向けが約7割です。例えば、自動車のエンジン部品など、形状的にプレス等で生産しづらい製品や、耐熱・耐摩耗の特性が必要な製品に合金粉末を使った部品が採用されています。これらはすべてカスタムメイド品で、部品メーカーのニーズに合った特性を持つ粉末を生産しています。
一方、今後拡大を狙っている軟磁性粉末は電子部品向けの粉末です。自動車はEVに限らず電子化が進んでおり、多くの電子部品が使われていますが、自動車向けである以上、厳しい使用環境に耐えられる部品が必要になります。そうした点で、当社の軟磁性粉末は今後伸びてくると考えています。
また、自動車に限らず、モバイル端末などの電子部品向け需要も旺盛です。足元ではデータセンター向けの需要が伸びており、本格的な数量拡大は少し先になる見通しですが、この領域も重要なターゲットの一つと考えています。

Q.グリーンスチールの供給開始時期と、顧客からの引き合い状況について教えてください。

A.グリーン鋼材の供給時期について、現状では、お客さまのニーズがまだ限定的なため、現時点で明確に定めておりません。一方で、今後ニーズが高まる可能性は十分あると見ていますので、お客さまの要望にあわせながら、これをJATIM社の強みとして拡販につなげていきたいと考えています。

Q.業績改善が進んだ場合、配当性向の引き上げや自己株式取得など、株主還元を強化する考えはありますか?配当性向やDOEなど、今後の株主還元方針について具体的な目標があればお聞かせください。

A.当社では今中計より、株主還元方針として、DOEを採用しております。DOEを採用したのは、当社の業績ボラティリティを踏まえ、利益変動に左右されにくい形で安定的な配当を継続しつつ、成長投資と財務健全性との両立を図るうえで、適切な指標であると判断したためです。
なお、利益が大きく上振れした場合に、追加還元を一切行わないということではありません。成長投資機会や財務状況などを踏まえながら、柔軟に検討してまいります。

Q.そもそも、どうして戦略事業は利益率が高いのでしょうか?

A.各事業が成長性のある市場をターゲットとしており、それぞれの事業で勝ち筋があるため、他社より競争優位な立ち位置にあり、利益率が高くなっています。例えば、精密部品は特許と設計力、海外鋼材はASEAN唯一の製鋼一貫特殊鋼メーカーという立ち位置、商用車用ばねは素材から製品までの一貫生産と軽量化技術に強みがあります。

Q.御社の防衛関連製品について、競合と差別化できる技術などはありますか?

A.当社の防衛関連製品は、当社のルーツでもある素材技術をベースに、高い熱処理技術を有しています。素材の曲げ加工時や強度向上の面で、その強みを発揮しており、これが当社の防衛関連製品の特長だと考えています。

Q.エネルギー関連は、政府の後押しもあり、今後の伸びが期待できる市場だと聞きます。洋上風力以外に、電力向けの製品はありますか?販売先もあわせて教えてください。

A.AIの普及などによる世界的な電力不足の影響もあり、足元では、市場が縮小傾向だった欧州シーメンス向けの火力発電用ガスタービン関連製品の受注が好調に推移しています。
その他の分野では、大手重工メーカー向けに、原子力発電用として浸水を防止するための水密扉を供給しています。また、海の潮流の運動エネルギーを利用して発電する「潮流発電」の分野でも、電力会社が主導した国内初の大型潮流発電機の商用化に向けた実証実験に施工協力するなど、各分野で実績を重ねています。

Q.中計目標の営業利益110億円の達成に向けて、最大のリスク要因は何だと見ていますか?

A.国内鋼材の数量については、自社でコントロールできない部分もあり、最も大きなリスクと見ています。一方で、景況感に左右されやすい国内鋼材に依存した利益体質は、従来からの課題でもあります。今中計では、戦略事業の拡大によって利益の質を転換し、営業利益110億円の達成を目指していく計画です。

Q.戦略事業の中でも、特に御社として注力している事業、将来の成長の柱となる事業はどれですか?

A.将来の柱を一本に決め打ちするのではなく、複数の成長事業を育てながら、具体的な目途が立ったものに投資を厚くしていく考えです。現時点で最も成果が出ているのは精密部品で、市場成長性に加え、当社の強みを活かせていること、そして収益性の伸びしろが大きいことがその要因です。
一方で、安全保障や脱炭素電力などの領域では、供給網の強靭化や国内生産の重要性の高まりを背景に、機器装置事業で需要拡大の機会があると見ています。新工場を含む供給能力の増強も、収益性向上に寄与すると考えています。引き続き、進捗を適宜開示しつつ、必要に応じて資源配分を見直してまいります。

Q.精密部品は、2026年度で利益が落ち込むようですが、成長が頭打ちの事業なのではないでしょうか?

A.2025年度の利益が大きく出ていた背景には、通常の事業成長に加え、計画数量を大幅に超えた一過性の受注影響があったと認識しています。そのため、2025年度の利益水準をそのまま将来にわたって再現する前提にはしていません。
一方で、これは事業の収益力が一時的なものにすぎないという意味ではなく、前中計で実施した能力増強や生産・組立基盤の整備により、量産拡大に対応できる基盤そのものは整っていると考えています。
今後は、一過性要因に依存するのではなく、採用品目の拡大、新用途展開、量産案件の積み上げを通じて、より再現性の高い形で収益貢献を高めていく方針です。

Q.板ばね事業を成長分野として位置付けている背景は何でしょうか?

A.日本でもAmazonなどによるデリバリーの商流が拡大しており、トラック輸送が増えていますが、これは世界的にも同様の傾向です。また、トラック用の板ばねは、通常の自動車用ばねより利益率が高いことから、この分野を成長分野として位置付けています。

Q.鉄鋼業界全般で、中国の過剰生産による影響を受けている印象がありますが、御社も影響を受けていないのでしょうか?

A.インドネシアでは、一部で中国製品が流入しています。特殊鋼は中国でも生産自体は可能ですが、品質のばらつきという点で差があります。
インドネシア子会社のJATIM社では検査をしっかり実施しており、基本的に全製品が合格品となりますが、中国品は品質にばらつきがあるため、調達先としてJATIM社を選んでいただいているケースがあります。
ただし、ユーザー側が価格差を優先して割り切る場合には、一部で中国品に流れてしまうリスクはあります。

Q.PBR0.68倍はかなり低いと思いますが、1倍超に向けての本格的な施策は何か考えているのか、教えてください。

A.ご指摘の通り、当社のPBRが1倍を下回り続けているのは、市場から当社の資本効率や成長性に対する評価が十分ではないことを示しており、これは真摯に受け止めております。
当社は25年度の実績を踏まえ、28年度までにROE10%以上、ROIC6.5%以上、営業利益110億円を達成する中期経営計画を策定しております。この計画は、資本効率の大幅な改善と安定した収益基盤の構築を目指した現実的かつ実行可能な数値目標として位置付け、事業の成長と収益性向上に取り組んでいます。具体的には、景気変動の影響を受けやすい事業構成を見直し、成長性・収益性の高い戦略事業へ資源を重点的に配分するとともに、不採算・低効率な事業の構造改革を着実に進めてまいります。
株主還元に関しては、中期計画期間の方針としてDOE3.5%を設定し、安定的かつ持続可能な還元を提示しています。成長投資や財務健全化とのバランスを保ちつつ資本政策を推進し、企業価値の向上を図ってまいります。
これらの取り組みを通じて、投資家の皆様の信頼と期待に応え、企業価値の実質的な向上による株価上昇およびPERの改善を目指しております。最終的にはこれらを反映したPBR1倍超の実現を目標としております。

【免責事項】

本動画は、情報提供のみを目的としたものであり、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。万一、本動画に基づき生じた費用または被った損害があった場合にも、LINEヤフー株式会社および情報提供者は一切の責任を負いません。本動画で提供している情報は、完全性を保証しているものではありません。また、内容などについて過去の情報は実績であり、将来の成果を予想するものではありません。

最新記事一覧