Yahoo!ファイナンス 投資信託特集
「新型」レバレッジ投信
増加、
倍率可変型などタイプ多様化

 従来型のブルベア投信と一線を画した新型のレバレッジ活用投信が相次いで登場している。2018年10月設定の「グローバル3倍3分法ファンド(日興アセットマネジメント)」以降に登場した新型レバ投信は15種類を数える。

 基本となるバランス運用に一定倍率を掛けたポートフォリオを構築する「レババラ」運用に加え、倍率を機動的に変更するもの、株式や債券といった「単一資産」だけを対象とするものなど、商品性も多様化してきた。いずれもリスクを抑えながらリターンの拡大を目指すために、レバレッジを活用するという商品性は共通している。

(R&I「ファンド情報」)

バランス運用、当局が推進

 新型レバレッジ投信は、ブルベア型投信のようにレバレッジでリターンとリスクを同じ倍率で拡大するものではなく、シャープレシオ(リターンをリスクで割ったもの)の改善を目指す投信と定義できる。「ファンド情報」の集計では、「3倍3分法」以降に設定された新型レバ投信は15種類(複数のコースを持つ商品もある)。時価総額の合計は1兆円近くに達する。

 バランス運用にレバレッジを持ち込んだ「3倍3分法」は、設定当初の純資産総額は伸び悩んだものの、基準価額の上昇基調と販社の広がりを追い風に19年4月以降一気に拡大。業界内で注目を集め、同年秋口以降に新型レバの設定が相次いだ。

 ところで、同種の商品が「3倍3分法」以前に存在しなかったのはなぜだろうか。「レババラ誕生の背景には、バランス運用ファンドの評価の高まりがある」――野村総合研究所(NRI)金融イノベーション研究部の金子久・上級研究員はこう指摘する。「バランス型自体に今ほどの人気がなかった時代には、レバレッジで投資効率を上げたところで資金流入に結び付くという期待が持てないため、『レババラを作ろう』という発想が生まれにくかった」。

 そして、17年以降にバランス投信の評価が高まった理由として、金子氏は「国が長期分散投資を推進したこと」を挙げる。レバレッジ活用投信ブームが到来した経緯をさかのぼっていくと、NISA、iDeCo、つみたてNISAの制度創設に合わせた政府による長期分散投資の推進運動に行き着くというわけだ。

 18年時点の新型レバ投信はともにバランス型の「3倍3分法」と「ダブル・ブレイン」(野村アセットマネジメント)のみだった。それが、ブームとして広がりを持つようになったのは、第一走者の模倣に陥らない各社の「一工夫」が加えられた商品群が登場した結果だ。

 具体的には、市場の状況に応じてレバレッジ倍率を変更するもの、組み入れ資産比率を変えるもの、単一の資産クラスを実質投資対象としながら目標リスク水準を定めるもの、知名度の高い既存のバランス型にレバレッジをかけるものなどだ。こうした新型レバ投信は、まず大きく「資産配分倍率固定型(※資産の配分比率はおおむね決まっており、基本的に変わらない)」と「資産配分倍率可変型(※相場の変動などに応じて機動的に配分や倍率を変え、より効果的にリスクや収益のブレを抑えることを目指す)」に分けることができる。

 金子氏は、前者を「ファンドも投資家も市場を見続ける必要がない」投信、後者を「ファンドだけが市場を見る」投信というふうに理解が可能だと説明する。値ざや稼ぎの売買が前提となるブルベア型と異なり、いずれも市場の動向に関係なく保有し続けることで中長期的なリターンを狙えるよう設計されている点で共通している。

倍率固定は5商品

 以下、この区分に従って、主要な商品についてみていく。まず5商品が区分される資産配分倍率固定型。この区分に含まれる商品はすべてバランス運用で、基本となるポートフォリオ(1倍に相当する部分)の資産配分は固定され、レバレッジにより持ち高を3倍、5.5倍などに拡大する。代表格は新型レババラで時価総額最大の「3倍3分法」だ。

 「3倍3分法」の運用手法については、2019年6月10日発行の「ファンド情報」No.300で詳細に解説した。改めて確認すると、現物に80%を充て、残りの20%を先物などに充てて220%相当の投資効果を得て、合計で300%の持ち高になる設計となっている。

 現物部分の具体的な内訳は、海外先進国株式20%、海外新興国株式20%、日本REIT20%、海外先進国REIT20%。先物の実質的な投資比率の内訳は、TOPIX20%と、日、米、独、英、豪の各国債20%ずつ。

「資産配分固定型」のレバレッジ活用主要投信一覧(3月2日現在)

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