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新中期経営計画「SHIFT2028」始動 TDSE<7046>

新中期経営計画「SHIFT2028」始動 TDSE<7046>

投資情報サービスを提供するウエルスアドバイザー株式会社が作成したレポートです。TDSE<7046>の業績動向や財務状況、事業環境を分析し、今後の見通しを投資判断の参考情報としてレポートいたします。
※本記事は2026年6月15日時点で作成されたレポートをもとに構成しています。

業績ハイライト

・プロダクト事業とAIエージェント事業が伸びる

チャート

26年3月期の非連結業績は、売上高3,005百万円(前期比11.4%増)、営業利益214百万円(同7.8%増)で、25年10月発表の修正計画(売上高3,000百万円、営業利益200百万円)を若干上振れて着地した。プロダクト事業、AIエージェント事業が伸び、売上高は過去最高を更新した。

特に新設したAIエージェント事業は、成長著しい市場ということもあって案件獲得が進み、25年10月に上方修正した計画(220百万円)をさらに上回る売上高(310百万円)を計上した。

プロダクト事業はQuid製品などが好調で、既存顧客を中心に成長した。半面、コンサルティング事業は新規顧客開拓が進んだものの、既存顧客の収束があって伸び悩んだ。利益面については、営業やエンジニア採用の投資を強化した半面、それ以外の費用は慎重に対応したことで増益を確保した。

・生成AIのさらなる活用を推進

前中期経営計画「MISSION2025」が26年3月期で終了し、27年3月期から新中期経営計画「SHIFT2028」がスタートした。前計画では主力事業だったコンサルティング事業が伸び悩み、M&Aも未成立だったことから、25年にプロダクト事業と新規のAIエージェント事業の成長に集中する方針に転換した。これにより、修正計画を若干上回って着地する結果となった。

新中期経営計画では前計画を徹底的に振り返り、市場を意識した着実な成長につなげる方針という。近年は生成AIの利用が急拡大しており、前計画ではプロダクト事業について生成AI領域への注力が大きな効果を上げた。AIエージェント事業も想定以上の案件獲得が進んだ。こうした状況を反映し、新中計では生成AIのさらなる活用に取り組み、コンサルティング事業も生成AIモデルへの転換を加速させる。

また、新中計では従来型AIから生成AIへ「成長軸の転換」、フロー型からストック型へ「収益構造の転換」、分散組織から集約・融合型へ「実行体制の転換」の3つの「転換」を実施する。このうち、「実行体制」については全社の営業機能をトップのもとに集約した上で、生成AIおよびAIエージェントに関する顧客のニーズを起点に幅広く提案活動を強化する。現段階でも既存大手顧客からのAIエージェント追加の需要は大きく、案件獲得、拡大の確実性向上が見込まれる。

一方、同社はAI企業として創業からAI事業を展開しており、米国Quid社製の「Quid」ブランド製品や米国Databricks社のAIプラットフォーム「Databricks」を提供するなど、有望AI企業とのアライアンスに強みを持つ。同社独自のテキストマイニングツール製品「KAIZODE」も提供している。「成長軸の転換」を行うにあたり、今後は従来型AI(分析、予測、最適化など)について豊富なプロダクトと実績、ノウハウを持つ強みを生かしながら、これら製品と生成AIを組み合わせて、より有効な利用を提案していく。

「収益構造の転換」については、従来はコンサルティング事業が主力で、フロー型収益が中心だった。今後はプロダクト、プラットフォームをはじめとするストック型収益の比重を高め、安定性とスケーラビリティの高い収益構造を構築し、持続的な成長基盤の確立を目指す。そのため、「Quid」「Databricks」「KAIZODE」や、生成AIアプリ開発ツール「Dify」や、業務特化型エージェントの拡充などストック型収益源となるプロダクト拡充を進める。

「SHIFT2028」では27年3月期を今後の成長基盤を設計する期とし、営業・技術・収益構造の改革や、生成AIエージェントビジネス基盤の構築に取り組む。同期の連結業績は売上高3,200百万円(前期比6.5%増)、営業利益130百万円(同39.3%減)を見込む。28年3月期以降は実際に成長する期と定義し、最終年度の29年3月期には売上高3,800百万―4,300百万円を目標とする。また、生成AIエージェント売上比率60%(26年3月期実績約30%)、ストック型売上比率30%(同約20%)を重要な経営管理指標とする。

ウエルスアドバイザー(WA)では、会社側による28年度(29年3月期)を最終年度とした中期経営計画をベースに、今後5年間の売上高の年平均成長率を10%超とし、ストック売上の積み上げによる利益率の改善を踏まえ、将来的に営業利益率は10%に迫ると予想。想定株価レンジは、5年予想を基にDCF法で算出した1,900円を軸に、1,800―2,000円(従来は1,600―1,800円)に引き上げる。足元の株価とカイ離があることから、投資判断は「Neutral」から「Overweight」へ変更する。(梅村哲哉)

TDSE株式会社の業績動向

企業概要

TDSE株式会社は「AIノウハウを軸としたコンサルティング事業」と「AI製品等によるプロダクト事業」を手掛ける。25年5月にはAIエージェント本部を設立、次期成長を担う事業として、生成AIエージェント領域において既存両サービスの優位性を生かした「AIエージェントサービス」を開始した。

27年3月期にスタートした新中期経営計画「SHIFT2028」では、生成AIのさらなる活用を推進し、コンサルティング事業の生成AIモデルへの転換を推進する。プロダクトサービスでは海外の優れた製品を持つベンダーとのアライアンスをより強化しながら、自社サービスの拡充にも取り組む。

事業環境と成長戦略

同社資料によると、生成AI市場の世界需要は年平均53.3%で成長し、30年には23年の約20倍となる2,110億ドルに達する見通し。また、利活用分野がより一層広がり、中でも製造分野では年平均54%伸長し、507億ドルに拡大する観測だ。

一方、AIエージェント市場は24年度後半から企業による生成AI導入が「実験段階」から「業務効率化・事業変革」へと本格化した。25年度以降はAIエージェント導入への基盤整備が急速に進展し、29年度までに同市場はCAGR(年平均成長率)が90%近い高成長が予想される。

投資判断のポイント

・アナリストピックアップ情報

事業成長イメージ
コア・コンピタンス
株主還元

・リスク要因

AI市場に属する技術集団として、専門的な情報技術や業務知識を有する優秀な人材の確保が不可欠だが、計画通りに採用が進まない、あるいは人材流出した場合には、競争優位性が損なう恐れがある。また、提供サービスは顧客の検収に基づき売上計上しているが、顧客の検収タイミングにより売上計上時期が変動し、当社の業績に影響を及ぼす点にも留意が必要。さらに、景気動向の変化で顧客の事業環境や業績が悪化した場合の影響にも注意したい。

・競合他社比較

AIを中心としたソリューション提供の事業領域で近接するエクサウィザーズ<4259>pluszero<5132>を選定した。

競合他社比較

成長性・収益性・財務安定性

・成長性

27年3月期の売上高成長率6.5%(前期は11.4%)だが、営業利益成長率はマイナス39.3%(同7.8%)、EPS成長率もマイナス51.3%(同27.8%)を見込む。来期以降の成長に向けた基盤準備のための戦略投資を計画しているためで、来期以降のV字回復が期待される。比較企業では、26年3月期に大幅な増収増益となったエクサウィザーズが引き続き高成長を予想。純利益予想およびEPS予想は非開示だが、初配当を計画している。

・収益性

27年3月期の売上高営業利益率は4.1%と、前期の7.1%から低下する見通し。今期は投資が先行することから利益率が低下するものの、ストック売上の積み上げが進めば、来期以降は改善が見込まれる。26年3月期は、経常利益、純利益ともに2ケタ増益となり、自己資本当期純利益率(ROE)は7.6%、総資産経常利益率(ROA)は8.1%(25年3月期はROEが6.4%、ROAが7.8%)と、いずれも上昇した。比較企業では、25年10月期に大幅な増益となったpluszero がROE、ROAともに高い水準となっている。

・財務安定性

TDSE株式会社、pluszeroともに有利子負債がなく、自己資本比率や流動比率も高い水準を維持していることから、財務面での不安は小さい。エクサウィザーズは大幅な増益による利益剰余金の改善で自己資本が膨らみ、有利子負債も減少したことから、26年3月期は自己資本比率が48.1%(25年3月期は34.3%)、デット・エクイティ・レシオが49.2%(同105.9%)と、それぞれ改善している。

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