株で利益を上げるには安いときに買って、高くなってから売る、これが鉄則です。
では、現在の株価が安いのか、高いのかはどうやって判断するのでしょうか。
それを判断するツールとしてチャートがあります。過去の株価の値動きをグラフ化して今後の株価の動きを推測していきます。
2つの視点で売買の時期を知る
株の買い時・売り時を知る方法に、株価の動向(チャート)から判断する「テクニカル分析」があります(詳しくは次項で紹介)。もう一つ “企業の価値”から判断する「ファンダメンタルズ分析」があります。
ファンダメンタルズ分析は「銘柄の選び方」で紹介した企業の業績や、株価の水準(割安か割高か)をもとに売買を判断する方法です。将来的に利益は伸ばせそうか、資産価値に比べて株価は割安に放置されていないか、為替など経営を取り巻く環境が変化していないかなど、状況の変化をとらえて売買します。
なかでも重要なのが企業業績です。計画どおりに営業利益が出ているか、3カ月ごとに発表される決算短信や四半期報告書で確認します。
とくに一年間の業績をまとめた決算発表(本決算)は、その後の株価の動向に影響するので注目しておきましょう(決算発表予定は各銘柄の「業績予報」から確認できます)。

移動平均線の読み方
一定期間の株価(終値)の平均値をつなげた線を「移動平均線」といいます。
「10日移動平均線」を例に挙げると、過去10日間の株価の終値を合計し10で割って算出します。この数値を毎日つなげるとなだらかな移動平均線ができます。
移動平均線が右上に向かっている(上昇している)ときは株価が上昇トレンド、右下に向かっている(下落している)ときは下降トレンドということになります。
このトレンドを読むことによって買いのタイミング、売りのタイミングが読み取れます。期間が異なる複数の移動平均線を組み合わせることによって、売買のタイミングを計ることも可能です。

株価と移動平均線で売買の機を伺う
株式投資で売買益を得るには、買値より高い株価で売る必要があります。そこでいかに安い水準で買うか、高い水準で売るかのタイミングを計ることが重要になります。
株価には、ある一定期間、一定の方向に動く習性があります。この方向性を株価のトレンドといい、株価が上がり続けるときは「上昇トレンド」、株価が下がり続けるときは「下降トレンド」といいます。
これから上昇トレンドが始まると予測できれば「買いのタイミング」、これから下降トレンドが始まると予測できれば「売りのタイミング」ということになります。
トレンドは、株価と移動平均線の位置と向きによって読み取ることが可能です。

移動平均線から株価の傾向を読む
短期間のうちに極端に株価が上昇したり、あるいは下落したりしたときは、その後反動で逆に動きやすくなります。これは株価と移動平均線の位置関係で判断できます。
移動平均線からあまりに離れて上昇したとき、あるいは下落したときは、「一時的な異常事態」と判断されるわけです。株価と移動平均線の離れ具合を「かい離」といい、かい離が大きいとそこを埋めようとする市場心理が働くのです。
株価が急落し、移動平均線から大きく下に離れたときは反動で上昇しやすくなり、大きく上昇し移動平均線から大きく上に離れたときは株価は反動で下落しやすくなります。
ただし業績の変化などファンダメンタルズ(外的要因)があったときは、かい離を埋めることなくトレンドが続くケースが多いので、ニュースもチェックしておくことです。

出来高の急増に注目
株価の動きと取引量(出来高)の間にも密接な関係があります。株価が低い位置で小幅な値動きをしている状態では、出来高はあまり増えません。株価が上昇してくるにつれ、出来高も増えてくる傾向にあります。
底値圏から株価が上向いたとき、それが一時的な上昇か、本格的な上昇なのかを見極めるには、出来高もチェックしてみることです。株価が上向いたとき、出来高も増えれば、本格上昇の確率が高いといえます。
また株価の上昇が長らく続いた後、出来高がさらに増えたときは天井圏が近いシグナルとなります。
逆に株価が下落し、底値圏で出来高が急増したときは、それが反転上昇の兆しとなるケースもあります(セリングクライマックス)。

Yahoo!ファイナンスの「ランキング」で銘柄をチェック
株式市場には、4000近い会社が上場しています。これまで紹介した「売買タイミング」を、すべての銘柄で常時チェックするのは不可能です。
普段から気にかけている株、所有している株の値動きをチェックするだけでなく、売り買いに絶好のタイミングが訪れた銘柄を見つける「裏ワザ」があります。
それは、Yahoo!ファイナンスの「株式ランキング」です。このページの「値上がり率」「値下がり率」「出来高」ランキングなどには、絶好の狙い目の銘柄が出やすくなっています。
株価が急に値上がりした銘柄は、何か材料となるニュースがよくあります。それにより、今後も株価は上がりそうか(逆に急落した場合なら株価はいずれ戻りそうか)、判断して売買のタイミングを計ります。「値上がり率」などは週間、月間でも調べることができるので、期間を変えてじっくりと検討してみましょう。
また、出来高は、発行済み株式数が多い「大型株」が上位に名を連ねやすくなっていますが、普段みかけない銘柄が出て来きたときも要チェックです。
