投資信託の価格に影響する要素
投資信託の基準価額(値段)は日々変化します。投資信託の運用先、たとえば株式や債券、不動産など各分野の状況によって、投資信託それぞれの価格変動はまちまちです。たとえば株式と債券は逆の動きになりがちです。そのため株式で運用している投資信託が上がっているときには、債券で運用している投資信託の運用成績は思わしくないことが起こります。
投資信託の価格を動かす要素は、金利や為替、不動産価格の変動など数多くあります。定期的に自分が保有している投資信託と他の投資信託の値動きを比較してみましょう。
見直し(リバランス)のポイント
投資は長い時間をかけて資金を育てていくものです。植物と同じで、水をやり剪定するように、投資にもメンテナンスが必要です。マーケットは常に変化しています。投資目的やリスク許容度に合わせて選んだ商品でも、時間経過とともに適度な資産配分からずれてくるケースも多々あります。
想定以上にリスクが大きくなっていないか、リターンが想定以上に小さくなっていないか、この2点に着目して見直しを進めます。
リスクとリターンの配分を見直し、ときには別の商品に乗り換える。複数の商品を持っているなら資金配分を変えるといった作業を必要に応じて行ないます。
損したらどうするか
資産運用に変動はつきもの。利益が出ているときだけでなく、含み損を抱えることもあるでしょう。怖いのは、突然の大きな下落相場で、自分の保有する投資信託も損失を抱えるようになってしまった場合のこと。そこでパニックに陥らないことです。
まず、あらかじめ商品を買う前に、リスクはどこまで許容できるか、どの水準まで損失を抱えたら見切って売却してしまうかを想定しておきましょう。
相場が急変して損失を抱えてしまっても、まず冷静に相場が急変した背景を探ります。一時的な急落で回復の見込みがあるのか、相場の低迷が長く続きそうなのかを判断します。回復の見込みがあればホールドという選択肢もあります。回復の見込みがなければ早めに売却して、別の商品も検討しましょう。
売る時のポイント
信託期間が3年や5年で償還を迎える投資信託と、無期限の投資信託とがあります。償還期限前に一定の運用成績を収められれば早めに償還することも(繰上償還)。逆に投資家に有利と判断されたときは、償還期限を延長することもあります。
償還前に利益確定などで解約(売却)したいときは、それも可能です。あらかじめ資産をどこまで増やすか、といった目標を立てておきましょう。たとえば「1年で運用5%」と決めて、早めに達成できれば半年でも売却できます。
なんのために資金を使うか、という目的を立てて目標値を設定するのが賢明です。長く保有すればリターンも大きくなるので、とくに現金が必要でなければホールドし続けてもいいでしょう。
上手な運用のポイント
投資を行なう理由と目標をしっかり考える――面倒かもしれませんが、とても大切なことです。まず資産運用を行なってお金を増やしてどう使いたいのかを考えましょう。
あなたが資産運用をするのは5年後に車を買い替えるためか、10年後のお子さんの大学資金のためか。それとも30年後の老後資金を手当てするためか。毎月の給料から捻出できる元手はいくらで、目標とする金額はいくらか。そして、そこから導き出される目指すべきリターンはどれくらいかを考えます。
もし目指すべきリターンがあまりにも高いものなら、投資ではなくて、バクチになりかねません。計画のどこかに無理が出てきます。そのときは、毎月の支出・収入の見直しから始めるのがいいかもしれません。
投資によって「幸せな人生」をどう築くかをしっかり意識しましょう。