写真:アフロ
ゴールドカードは一般カードよりグレードが一つ上のクレジットカードです。
ステータスが高く、カード会社によってはプラチナカードがなくてゴールドカードが最上級カードとなっています。
年会費は高額ですが、空港ラウンジ、手荷物無料宅配サービス、ホテル・レストラン・バー等での優待特典、充実の付帯保険と特典が充実しています。
ゴールドカードの審査基準は一般カードよりもハードルが高く、申込みの条件が厳しそうなイメージがあります。果たして審査に通過するか否か気になる方もいらっしゃるでしょう。
そこでゴールドカードの審査基準について、63枚のクレジットカードを保有した経験があり、年会費の最高額は118万円の専門家が解説します。
実際にアメックス・JCB・三井住友カード・JALカード・クレディセゾン・エムアイカード・楽天カード・エポスカード・イオンカードのゴールドカードの審査に通過した実績にもとづき、ゴールドカードの審査基準を解剖します。
ゴールドカードの申し込み経路としては、大別して2つの方法が存在しています。
大多数のゴールドカードは自分から申し込むことが可能です。
一部プラチナカード・ブラックカードは招待制(インビテーション制)のクレジットカードもありますが、ほぼ全てのゴールドカードは申込書やインターネットを利用して申し込むことができます。
敷居が高いイメージが根強い銀行系クレジットカード会社(JCB・三井住友カード・三菱UFJニコス等)のゴールドカードも、自分から申し込めるカードが大多数です。
ゴールドカードの中にはインビテーションを受け取らないと申し込めないクレジットカードがあります。
イオンゴールドカード、セブンカードプラス・ゴールドは年会費無料のゴールドカードで、一般カードよりもコストパフォーマンスが高くてお得なクレジットカードです。
したがって、一般カードをたくさん利用してくれたロイヤルカスタマーに発行している特別なゴールドカードとなっています。
JCBゴールド ザ・プレミアは、プライオリティパスのプレステージ会員・JCB LOUNGE 京都などプラチナカード級のベネフィットが付帯しているゴールドカードです。
こちらは2年連続100万円以上カードショッピングを利用したら、インビテーションを受け取ることが可能です。
一部のゴールドカードは、申し込み制であるにもかかわらず、インビテーションが届くケースがあります。
カード会社の一般カードを保有してから一定年数が経過し、一定以上の金額を支払っている場合、ゴールドカードへの切り替えのインビテーション(招待状)が届くことがあります。
インビテーションにはゴールドカードのスペック・特典ガイド、申込書が封入されているのが恒例です。
また、一部の地域に住んでいる方、特定の属性を持っている方へのDMが届く事例もあります。
こうした勧誘の際に申し込むと、初年度の年会費無料、ボーナスポイントのプレゼントなど、通常入会よりもお得な特別入会キャンペーンが提示されている場合があります。
ゴールドカードに申し込める対象の方は一律ではなく、発行しているカード会社によって審査基準は千差万別となっています。同じゴールドカードでも緩い会社から厳しい会社まで多種多様です。
種類によって条件はさまざまであり、ゴールドカードの申し込み基準を充足していないと審査には通過しません。
したがって、申し込む前に条件を確認しておくと門前払いされるリスクを下げられて、無駄な申し込み作業をカットできます。主要なゴールドカードの申し込み条件は下表のとおりです。
カード名 | 審査基準 |
---|---|
アメックス・ゴールド | 20歳以上の正社員・個人事業主・経営者など(パート・アルバイトは不可) |
三井住友カード ゴールド | 原則として満30歳以上で本人に安定継続収入のある方 |
JCBゴールド | 20歳以上で安定した収入のある方 |
セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード | 安定した収入があり、社会的信用を有する連絡可能な方(学生・未成年を除く) |
MUFGカード・ゴールド | 18歳以上で安定した収入のある方(学生を除く) |
楽天ゴールドカード | 20歳以上 |
かつてはゴールドカードが最上級カードだったことから、審査基準は厳しい傾向があり、高い年収や安定的な職業が要求された時期もありました。
しかし、近年ではより上位ランクのプラチナカードを出してゴールドカードの審査基準は下げる施策が一般化しており、審査基準は低下しています。
申し込み可能年齢は30歳以上というゴールドカードも残っていますが、現在は20歳以上というゴールドカードが増加しています。中には18歳以上というゴールドカードもある程です。
20代半ばの若年層の方はもちろん、まだ社会人としてなりたての方でもゴールドカードの審査には十分に通過する可能性があります。
もちろん収入が低いのに高コストのゴールドカードを保有すると家計の負担が重くなりますが、最近は年会費1,905円や2,000円で維持できる格安ゴールドカードもあるので、若者の方でも気軽に保有することができます。
ゴールドカードに申し込むと、年会費無料カードや一般カードと同様に、カード会社が審査を行う流れとなります。
クレジットカードのゴールドカードには必ず審査が伴うので、審査落ちのリスクはゼロではありません。
基本的な審査項目はクレジットカード共通ですが、一般カードよりも相対的に審査が厳しいカード会社が多くなっています。
ゴールドカードの審査は通常のクレジットカードと同様に、スコアリング方式を採用しているカード会社が多数となっています。
申し込んだ人の申告内容を点数化して、機械的な判定によってカードを発行するか否かが自動的に決まる方式です。
このように項目を点数化し、最終的な合計点数がカード発行の可否を大きく左右します。
中には完全自動ではなく、最終的には目視のチェックで審査通過の有無を決めているカード会社もあります。
加点される項目を増やすために、申し込みの際には任意項目を含めて全て入力もしくは記入することをおすすめします。
ゴールドカードの審査に通過するためには、継続的に遅延なく支払いが可能であり、支払い能力に問題がないとカード会社に評価される必要があります。
自分がお金を貸す立場になったと仮定した場合、この人になら貸してもいいかなと考えるような属性があるほど、ゴールドカードの審査にも通過しやすくなります。
ゴールドカードの審査に通る年収の目安は千差万別ですが、おおむね300万円以上あれば可能性がUPし、400万円以上あれば多くのゴールドカードにおいて問題なく発行できるようです。
利用限度額の下限が高いゴールドカードほど、貸し倒れした際のカード会社のリスクが高いため審査が厳しくなります。
利用可能枠が最も低くて50万円という三井住友カード ゴールドよりも、10万円といった利用限度額の設定もあるアメックスゴールドの方が審査は厳しくない傾向にあるという評判・口コミが多いです。
クレジットカード契約やローン契約など、個人の信用情報を日本中の金融機関から集約して登録している「信用情報機関」という存在があります。
個人信用情報機関には、CIC(個人信用情報機関)、JICC(日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センターの3種類が存在。クレジットカード会社は主にCICもしくはJICCをチェックします。
クレジットカード会社はゴールドカードの審査の過程で、申し込んだ方の信用情報機関の登録情報をチェックして、カードの審査において参考材料となります。
例えば、過去に他社のクレジットカードで延滞した記録が登録されていると、ゴールドカードの審査に落選する可能性が高まります。
したがって、ゴールドカードを発行するためには、延滞を防ぐことが重要になります。
信用情報機関に支払い遅延の記録は2年間残るので、過去2年以内に滞納を起こした場合には、ゴールドカードの審査に落ちる可能性が高くなります。
意外な盲点としては、携帯電話の本体代金が分割払いで携帯電話料金を延滞し、信用情報機関に事故情報が登録されてしまうケースです。
携帯電話の分割払いは絶対に遅延しないように心掛けるのがベストです。
クレジットカードの引き落としエラーになった場合でも、すぐに返済すれば信用情報機関に記録は残りません。
うっかり口座残高が不足していた場合は、カード会社から連絡が届くので、遅滞なく銀行振込・コンビニやATMで支払いましょう。
同じ時期に数多くのカード会社に何枚も同時にクレジットカードに申し込むと、信用情報機関に多数の申し込み情報が記録されます。
カード会社に「この人はお金に困っている」と認識される「申し込みブラック」という状態に陥り、審査に通過しにくくなります。
自分がお金を貸す立場になったと仮定すると、直近で多数の借入申し込みを行っている人には、貸すのが心配になりますよね。クレジットカードの多重申込もそのようなイメージと同じ状況です。
カードの申し込み履歴は6カ月間、信用情報機関に残ります。クレジットカードの申し込みは一般論としては月2回程度に抑えるのが望ましいと言われています。
自分の信用情報がどうなっているのかを確認したい場合は、信用情報機関に情報開示を請求すれば確認できます。
インターネットで申し込み、家にいながらダウンロードできるので、気になる方は請求してみるのも選択肢です。
各カード会社では、独自の自社情報として、過去の個人の申し込み情報・入会後のカード使用記録・延滞など、顧客の利用情報を全てデータベースで管理しています。
信用情報機関とは別に、各カード会社は自社情報も参考にしてゴールドカードの審査を行います。過去に特定のカード会社のクレジットカードの支払い遅延を行ったり、ポイントサイト経由でカードを申し込んですぐに解約した場合などは、そのような記録が残っています。
信用情報機関の情報は最長でも5年(自己破産時は最長10年?)たてば消滅しますが、カード会社独自の情報は破棄しない限り何年も残っています。
したがって、過去に延滞・滞納の末の貸し倒れ、規約違反など、何らかのトラブルを起こすと、何年たってもそのカード会社で記録が残っています。
一度カードショッピングやキャッシング利用額を踏み倒したカード会社では、信用情報機関の記録消滅後もいわゆる「社内ブラック」という状況になり、以降同じ会社のゴールドカードの発行が難しくなります。
ライフカード(年会費あり)は他社の支払い遅延記録があっても審査に通過する可能性があるクレジットカードですが、さすがにライフカードで以前に遅延があった場合は審査落ちとなるケースが多いようです。
このように社内ブラックに認定されてしまったカード会社のゴールドカードには、審査通過しづらくなる点に注意が必要です。
カード申込時の年収は自己申告であり、収入証明書は要求されません。したがって、年収の絶対額よりもその安定性、職業・勤務先・クレジットヒストリーが重視されています。
他社の借り入れが現在もあると、ゴールドカードの審査は厳しくなります。消費者金融・カードローン等は返済して、返済情報が信用情報機関に掲載されてから申し込むのがベストです。
支払い遅延の履歴がなければいいわけではなく、30代以上でクレジットヒストリーがまったく存在しない人は「スーパーホワイト」と呼ばれており、これもマイナスに働きます。
30代になっても全くクレジットカード・住宅ローン等を使ったことがないのは不自然と解釈されるのです。自己破産や何らかの事情が生じた後に、氏名を変えた疑いなどが生じてしまうのが現実となっています。
したがって、あまりクレジットカードが好きではない方も「スーパーホワイト」となる事態を避けるために、固定費くらいはカード払いにしておくのをおすすめします。
固定費の支払いをクレジットカードに設定して、カードは家の金庫などに閉まっておけば、不正利用のリスクは極限まで抑制できます。
ゴールドカードの審査通過の可能性をアップさせる方法は複数ありますが、中には難易度が高いものも存在しています。
例えば、年収をアップさせる、持ち家を買うなども当然審査にプラス影響ですが、難しい方もいらっしゃるでしょう。勤続年数や居住年数を伸ばすのには時間がかかり、即効性はないと言わざるを得ません。そこで誰でも簡単にでき、確実性がある方法をご紹介します。
ゴールドカードの審査では、クレジットヒストリーが最も重視されています。継続的に遅延なく支払うと、優良顧客として考えられるようになります。
したがって、作りたいゴールドカードがあって審査に落ちた場合は、同じカード会社でワンランク下の一般カードをまず作成しましょう。
そこでカードショッピングの利用履歴を積んでからゴールドカードに申し込むと、審査に通る可能性が高くなります。
また、スコアリング方式で審査がなされている以上、点数を少しでもかさ上げするために、任意項目を含めて申し込み項目はできる限り入力しましょう。
当たり前の話ですが、氏名・電話番号・住所・生年月日・勤務先などは間違いのないように入力するのが大切です。
身分証明書の情報と入力内容が異なっている場合、審査落ちにつながってしまうリスクがあります。
さらに、一度に多数のクレジットカードに申し込むと「多重申し込み」「申し込みブラック」という状態になり、審査に悪影響が及びます。
信用情報機関に申し込んだ情報は半年間残るので、例えば半年間で20枚のクレジットカードに申し込んだ履歴があるようですと、審査が厳しくなります。できる限り申し込みは月2枚以下に抑えるのがベターと言われています。
更新日:2020年05月21日
※本記事の情報は、各クレジットカード会社の提供する個別の商品の内容等を保証するものではありません。また、情報の正確性等についても、これを保証するものではありません。本記事の情報を基に被った一切の損害について、ヤフー株式会社は一切の責任を負いません。本記事の情報を営業等に利用すること、第三者への提供目的等で利用すること等を固く禁止します。
関連するクレジットカードを探す